サンクスギビング旅行3日目:Ponce Inletの灯台

  • 2014.11.24 Monday
  • 23:25
一夜明けて、フロリダの朝は綺麗に晴れ渡った。朝から既に温度は26度。この日は11月下旬には記録的な高温で、午後には31度まで上がった。寒かったボストンから来た私たちにはこの上なく贅沢なお天気だ。

朝、義父と夫と三人でビーチを散歩する。ずっと続く長いビーチは、泳ぐ人やサーフィンする人、日光浴を楽しむ人たちで朝から賑わっていた。


まだ私が行ったことがない場所ということで、午後はポンス・インレットという小さな入り江の灯台に行こうと言うことになった。その前に隣町のポート・オレンジにある義母のお気に入りのレストランでランチ。

Monterey Grillと言う名のレストランは明るい内装で、スタッフもフレンドリー。平日でも午後3時くらいまでブランチメニューがあるのもいい。

義母と夫はバーガー、私は鮭のグリル。義父はクラブサンドイッチを頼んだ。

鮭はマリネしてからグリル、とメニューにあるが、焼き加減がとても良かった。付け合わせの野菜がきちんとしていてたっぷりだったのも嬉しい。


バーガーの付け合わせに選べるオニオンストリングがとても美味しくて、義父が頼んだのを皆でつまみ食いする(笑)。

腹ごしらえを済ませて灯台へ。

この灯台は、フロリダで一番高さがある灯台であり、完成したのは1887年。現役灯台として、また昔の灯台守とその家族の生活ぶりなどを紹介するミュージアムとしても一般公開されている。

公式サイトはこちら。

時代の波には勝てず、1953年には完全自動化されて灯台守の必要がなくなり、1970年には沿岸警備隊の基地が別の場所に移転したため、放棄されてさびれた時期もあったようだが、周辺の住民の尽力などにより、町の所有となり、1972年にはボランティアによる保存会が発足、1998年には合衆国国定歴史建造物となる。



灯台の高さは53メートル。階段の段数は203段。周囲には他に高いビルもなく、絶景だと聞いたので、登ってみることにする。88歳ので義父が一緒に来た。毎日ゴルフで鍛えているだけあって健脚だ。義母と夫はミュージアムでのんびり待つ(笑)。

灯台の入り口。


中に入って螺旋階段を見上げる。



人はいるがそれほど多くないので、マイペースでゆっくり登る。半分まできたところに、この階段を上る最中に心臓発作を起こしてその場で亡くなった灯台守のエピソードが展示してあったのに苦笑。いつまでも戻ってこないので助手が捜しにきて、遺体を担いで降りた、とある。すれ違った夫婦とこれを見て
「いやあ、ここまで来て読んでもねえ」と笑う。

トップに到着。灯りが灯る最上部は鍵がかかっているが、そのすぐ手前でバルコニーから360度の眺めを満喫できる。


二年前に散歩した海浜自然公園も入り江の向こうに見える。


内陸の方を見ると、7年前にボートで行ったバードウォッチングツアーの川も見える。この日は湿度も高く、歩くと汗が噴き出したが、この高さでは涼しい風が吹いていて気持ち良かった。


見下ろすと、現在ミュージアムとして利用されている灯台守やその助手たちが住んでいた家が足元に。


義父は高所が苦手ではないが、このバルコニーからはちょっと、と顔を出しただけだった。私は一周。頭の上までしっかり金網でカバーされているから落ちる心配もないのだが、狭いだけにちょっとドキドキする。

さて、いよいよ降りることになって下を見るとこんな感じ。


うっ、これは高い場所が好きな私もちょっと怖い。階段は狭いので、いやでも下を見ながら降りる事になる。

幅が広ければ気にならないのだが、まさに行きは良い良い帰りは怖い、で、無事地面に立った時はちょっと膝がガクガクしていた(笑)。

ミュージアムの方の方写真を幾つか。

灯台守の制服。


建設当時の様子を再現したジオラマ。


現在の灯台で使用される巨大なフレネルレンズの展示。


帰宅して少しのんびりし、夜は地元のイタリアレストランへ。いかにもニューヨークで地元の人が集まるような、とても庶民的な「食堂」という趣の店だが、ここがとても美味しいのだと言う。夫の両親はすっかり常連らしく、店のオーナー、サル(多分サルヴァトーレの略)が両手を広げて歓迎してくれた。

イタリアのジェノバ生まれ、ボストンの下町エリアで育ったと言うサルは、イタリア訛りがきつい、まさに映画ニューヨーク出てくるようなおしゃべりで愛想のいいおじさんだった。義母と孫の話で盛り上がっている(笑)。

この日のスープはほうれん草と玉子、と言うことで、イタリア料理のかきたまスープ?と興味をそそられた私はそれとチキンマルサラを選んだ。夫はパスタ入りのグラタン。



店内が暗いので綺麗に撮影できなかったが、このスープが絶妙な美味しさだった。よくダシが効いていて、アメリカのレストランにありがちな、やたらしょっぱい味付けではなく、ほうれん草の風味とふんわりしたかき卵のバランスも良く、大当たり。毎日でも食べたい味だ。

チキンマルサラ盛り上がっておいしかったが、巨大だったので三分の一食べるのがやっと。残りは翌日、翌々日のランチ用にお持ち帰り。


夫のベイクドパスタも美味しかったそうだ。


帰宅して、恒例のトランプゲーム。そして就寝。明日はまた大雨の予定だ。

サンクスギビング旅行2日目:ローリー(SC)とサヴァンナ(GA)

  • 2014.11.23 Sunday
  • 23:32
JUGEMテーマ:旅行食べある記|グルメアメリカ生活



2日目の朝は雨で気温も低め。ホテルをチェックアウトしてまずは近くにある州都のローリー(Raleigh)へ。実際の発音は「ラーリー」に近いが、日本ではローリーが定着しているようだ。あまり見物する時間はないが、車で古い市街地を少し見て回る。



ローリーは歴史のある街で、古い建物と新しい建物が混在しているが、とても綺麗な町だった。
 
州議事堂
 
 
 
州議事堂の隣のブロックにあるプラザ。 
 
メモリアル・オーディトリアム

歴史のある街なので当然Ingressのポータルも数多く、今レベル11に上がるために未知のポータルのハックとレゾネーターの設置が必須な私と夫にはとてもありがたい場所でもあった(笑)。こういうところは大抵激戦区で白いポータル(どちらの陣営にも属していない)も多かったし、敵方のポータルも少し攻撃してレゾ設置をしてきた。このゲームをプレイするようになって、知らない場所へ旅行する楽しみは倍増したと言えるだろう。

そしてローリーの市街地を抜けて市の南にあるBarry's Cafeへ。ここで遅めの朝食を取る。ここは消防士さんが来ると割引してくれるそうだ。

 
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サンクスギビング旅行1日目: ボストンからノースキャロライナへ

  • 2014.11.22 Saturday
  • 22:35
今年のサンクスギビングは、一昨年と同じく夫の両親が冬を過ごすフロリダに家族が集まる。前回は往きは飛行機、帰りは寝台車だったが、今回は別のプランを立てた。

往復どちらも、ボストンからワシントンDCまでアムトラックの長距離列車。そこからフロリダへの往復はレンタカー、という計画だ。前回は列車で寝ている間に通過したヴァージニア州、ノースキャロライナ州、サウスキャロライナ州、ジョージア州を今度はドライブで通過する。

かなりの長距離なので、途中で一泊もして、ついでにご当地の美味しいものも食べようじゃないか、ということで、往きは午後DCに到着して車に乗り換えてから4時間ほどドライブし、8時頃にノースキャロライナのダーラムで一泊。帰ってくる時はDCに近い、ヴァージニアのアーリントンで一泊する。

今日土曜日は朝4時に起きてボストン市内のサウスステーションへ。午前6時40分発の普通列車に乗り込む。アセラという特急もあるが、それほど時間は短縮されないうえ、料金はやたらに高い。アムトラックは飛行機とそんなに変わらない料金なのだ。

しかし、空港のような大袈裟なセキュリティチェックインもないし、席もゆったりしていて、各席には電源もあるので、移動時間こそかかるが、快適さは飛行機とは比べ物にならない良さだ。

駅のポーターさんに荷物を預ければ、普通クラスでも、他のお客より優先して乗車させてくれるのでおすすめ。チップは預ける荷物一個につき、2-3ドル。

この辺りの冬の日は短い。ボストンの市街地を抜けた30分後、ようやく陽が昇ってきた。


この日の朝ご飯は駅で買ったダンキンドーナツのクロワッサンドーナツ。つい最近発売されたニューアイテムだ。もうブームが過ぎた今頃、というのがちょっと面白いが、Whole Foodsで一時期売っていたものより軽くて美味しかった。クルーラーとそんなに変わらない気もしたが(笑)。

お昼も列車の中で朝買っておいたベーグル。何しろ今日は夜が楽しみなのだ。

さて、DCについて、まずは駅構内にあるレンタカーの窓口へ。予約しておいた大型セダンがない、という事態になって少し時間がかかる。結局中サイズのハイブリッドカーになった。フロリダで両親を乗せて出かける事も多いため、車の乗り降りがちょっと大変な義母のため、ゆったり乗れる大型を希望していたのだが、仕方ない。

4時過ぎに出発。まずは隣のメリーランド州へ。車の機能(エアコンの操作の仕方、BluetoothでふたりのiPhoneを接続するなど)を確かめているうちにポトマック河を渡る大きな橋にさしかかる。ちょうど日暮れ時だ。


橋を渡りきると向こう岸はヴァージニア州。ひたすらハイウエイを走る。

ノースキャロライナ州に入り、8時ちょっと過ぎにDurham(ダーラム)に到着。有名なデューク大学がある町だ。夫がリサーチして、色々なサイトの全てで、この町で一番人気だった場所で夕食を食べることに。

それはここ。


The Original Q Shack
である。

Shack(掘っ建て小屋)という名前のレストランは大抵ファストフード形式で、ニューイングランドだと、シーフードで美味しい店がよくこの形式を取っている。ここもカウンターで注文し、受け取って好きな所に座って食べるスタイル。気候がいい時は外のピクニックテーブルでもいい。


店内はこんな感じ。


お店のロゴのブタさんをモチーフにした巨大な絵も壁を飾っている。


夫はスペアリブディナーセット、私はPulled Chicken (バーベキューソースで焼いた鶏肉をほぐしたもの)のサンドイッチ。夫はサイドディッシュを二つ、私は一つ選べる。そしてどちらにも南部名物ハッシュパピーがつくのだ。ハッシュパピーはトウモロコシの粉で作ったネタを油で揚げたもの。

夫が選んだ付け合わせはマカロニ&チーズとほうれん草のクリームあえ。私もほうれん草を選んだ。




各テーブルにはビールのシックスパックの箱を利用した調味料入れ。ナプキンの代わりにドーンとペーパータオルのロールが置いてある。



アメリカのバーベキューソースは辛めでこってりなので、元々あまり肉好きというわけでもなく、辛いものにもそれほど興味がない私だが、やはり本場のものは美味しい!鶏肉は大きめにほぐしてあるせいか、胸肉にもかかわらずジューシーで美味しかった。ソースも深みのある味。

お店のロゴ入りTシャツや野球帽もあるとのことで、Tシャツを買いたかったのだが売り切れ中とのことで残念だった。

すっかり堪能して近くのホテルにチェックイン。明日はここからフロリダまで1日かけてドライブだ。というわけで早く就寝。明日に続く。

「おやじの背中」を観た。(第一話・第二話)

  • 2014.09.01 Monday
  • 08:52
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

テレビジャパンで放送が始まったTBS系の「おやじの背中」

役者陣がすごいので、これは観よう、と思った。第二回まで放送された。

第一回の「圭さんと瞳子さん」は田村正和と松たか子の主演。お互いを名前で呼び合うちょっと変わった父と娘。瞳子の母は事故で亡くなり、その時からパニック症候群を発症した娘のため、父はひたすら娘を支える。娘が出かけるとき、自分がでかけるとき、二人が別れるときは必ず父は「何かあったら電話して」と勇気づけるように、安心させるように、穏やかな声で言う。ある日食中毒になった父は救急車で病院に運ばれ、朦朧とするうちに病院で一夜を過ごすことになる。そしてそれをきっかけに、依存しあっていた二人の関係が少しずつ変わっていく…。

私が子供の頃、カリスマ的二枚目だった田村正和さんももう71歳(驚愕)。それよりは若く見えるけれど、物腰がお兄さんの田村高廣さんに似てきたなあ、と思いながら観る。いい意味で枯れてきて、でもまだ色気がある。パニック症候群に苦しむ松たか子の演技も真に迫っていた。何より、二人の、言葉にはしないもののお互いを思いやる演技が静かでとてもいい。言葉は少ないがいい脚本と二人の演技で見ごたえがあり、静かなあたたかい感動をよぶ作品だった。途中の回想シーンとラストシーンがきれいに重なり、観終わったときの感じも何とも言えない後味の良さがあった。

そして第二回。役所広司と満島ひかりの「ウェディング・マッチ」。ごく小数、他のキャストも登場するがそれぞれシーンはごくわずかで、ただただ二人の会話劇が繰り広げられる濃密なドラマ。浅田美代子が母親役で登場するが、たった1シーンのみで、台詞すらないのには驚いた。まさに舞台劇を観ているようで、これは生の舞台で観てみたい、と思わせた。ボクシングが絆になっている父と娘は、第一話とは対照的で、お互い傷つけあい、不満をぶつけあう。怒涛のような台詞。この二人の取り合わせは素晴らしい。したたかさとユーモアと中年男の色気が見事にミックスされた役所と野良猫のような鋭い眼光を持つ満島。泣いている時でさえ、ガラスで出来た鋭い刃物のような危うさともろさを感じさせる満島が特にいい。結末はこれまた、第一回とは対照的であるのも面白い(笑)。

毎回違う脚本家を起用しているこのシリーズ、できるだけネットでネタバレなどは観ないようにして楽しみにしている。

読書レビュー:みをつくし料理帖第十巻(最終巻)「天の梯」

  • 2014.08.31 Sunday
  • 22:56
JUGEMテーマ:読書

出入りの読書掲示板で勧められて一作目「八朔の雪」を読んで以来、ずっと読み続けてきたみをつくし料理帖シリーズがついにこの第十巻「天の梯」をもって完結した。

ずっと多くの読者に見守られてきた澪が、とうとう夢をかなえる日が来る…でも、どんな風に?彼女の途方もない夢が本当にかなうのか?

そんな気持ちでドキドキしながら本を開く。今回も前巻に続き、神戸に住むお友達のRさんが送って下さったのだ。Rさん、本当にありがとうございました。

今回は「結び草」「張出大関」「明日香風」「天の梯」の四章。

以下はネタバレになるかもしれないので、未読の方はご注意ください。
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読書レビュー:しゃばけシリーズ第10作「やなりいなり」

  • 2014.08.12 Tuesday
  • 19:43
JUGEMテーマ:読書

大好きな「しゃばけ」シリーズの第10作。半年に一度くらい和書を数冊まとめてネットで購入するのだが、このシリーズは必ず文庫版で新しいものが出ているかどうかチェックする。長崎屋の面々も相変わらず元気で(若旦那一太郎は相変わらず病弱だけど)何よりだ。

今回は5話収録。すべて最初に料理のレシピがついているという楽しい趣向だ。タイマーのかわりに鳴家(やなり。家をがたがた鳴らす小さな小鬼たち。このシリーズの中では若旦那によく懐いて甘えん坊で食いしん坊で、小さくて子猫のように可愛らしい)が数えてくれるのも楽しい。でも一分以上になると複数の鳴家に頼まなくてはいけないようだ。我が家には鳴家はいないので、あきらめてタイマーを使おう。

各話のあらましと感想を簡単に。ネタバレも入りますので未読の方はご注意ください。

1.こいしくて
レシピは土鍋で炊く小豆粥(あずきがゆ)。

あらすじ:最近、長崎屋の町内ではやたらにみんなが恋煩いをしているようだ。それと同時にありとあらゆる病気の神様が町内へやってくる。みんな病弱の一太郎にひきつけられて長崎屋の離れへふらふら舞いこんでくるものだから、手代の佐助、仁吉(ふたりとも犬神、白沢とよばれる妖である)をはじめとする一太郎を愛する妖たちは彼らを追い払うのにてんてこまい。いったいこの町内だけどうしてこんなに病の神が集まってしまったのだろうか?一太郎は病の神たちにも頼まれて調べることにする。すると、町内と他の町を結ぶ橋の一つにいるはずの橋神さまがいなくなっていることがわかった。橋神はきれいな女子。どうやらこの橋神さまが誰かに恋をして橋の結界を消してしまったらしい…。

感想:どたばたとにぎやかな話だったが、最後はちょっと切ない。禍津日神(まがつひのかみ)や時花神(はやりがみ)など、聞いたこともない神様たちが次々登場して、日本の民間信仰の幅広さを見せてくれる。恐ろしいものでさえ神様にして拝んでなんとか退散してもらおう、というのが実に日本的で面白いなあと思いながらストーリーを追う。橋神、というのも初めて聞いた言葉だ。水害に悩まされたりした昔だから、大事な交通の要所である橋に神様を宿らせて守ってもらう、というのもうなずける。ここでは橋神さまは綺麗な乙女の神様として描かれている。昔このシリーズはドラマ化されたようだが、このお話もビジュアルで観てみたい。

2.やなりいなり
レシピはおいなりさん。長崎屋の庭のお稲荷さんに住み、若旦那の祖母で実は大妖の「皮衣」であるおぎんが現在天界で仕えているの荼枳尼天のお使いをしている守狐たちの得意料理だそうだ。ご飯に青菜をやワサビの粉を混ぜる。これは面白いアイデアだ。今度試してみたくなった。

あらすじ:いつものごとく具合が悪い一太郎に守狐たちがお稲荷を持ってきてくれた。すると、そのお稲荷を食べたがるおしゃべりな幽霊が登場した。自分のことは何も覚えていないと言うのだが、どうも何か魂胆がありそうだ。そしてちょうどその頃、花のお江戸には、凶悪な盗賊団が現れたという噂が広まっていた。やがて妖たちは幽霊がぱっとしない寄席芸人で、しかも溺れかけて意識不明で自分の長屋で寝ている生霊だと知る。思いを寄せる師匠の娘が胃をわずらっており、自分には手が届かない高値とわかっていたものの、長崎屋の薬を何とか手に入れようと店の周りをうろついていて災難にあったらしい。だが、彼はどうしてそんな大怪我をすることになったのか?そして一太郎と妖の面々は長崎屋に迫る危険に気づく…。

感想:なんとも間の抜けた、どこかちゃっかりしている幽霊の男(鳴家たちによって熊八というあだ名をつけられる)がおかしくもあり、いきさつがわかってみるとなんとも言えずけなげでもある。ちょっと人情話のようでもあり、このまま落語の一席として聞きたいようなお話だった。

3.からかみなり
レシピは一太郎の幼馴染で菓子職人の栄吉が作った煠出(あげだ)しいも。棒状に切った芋を油で揚げて水あめをからめた、大学芋のような感じだ。

あらすじ:今回はなんと、一太郎を甘やかす父親で、長崎屋の当主、藤兵衛がいなくなってしまったお話。空雷(からかみなり・雨が降らずに雷だけ鳴ること)の日の出来事だった。いつもどおり、藤兵衛のことを心配する一太郎だが、探しに外出したくても兄やたちが許してくれず、自分の部屋で妖たちが「ダンナはきっとこうなった」「ああなった」と勝手な推測を繰り広げるのを聞いているが、どれもあてにならない。そして数日後帰ってきた藤兵衛は小さな子供を連れていた。迷子らしいその子をみつけて、親を探し回っていたのだと言う。しかしその子が長崎屋に入ってくると途端に異変が起き、妖たちと一太郎はその子の正体にすぐ気づいた…。

感想:妖たちの妄想っぷりが楽しい一話。最後に藤兵衛が帰って来てあっという間に事態は解決するのではあるが、それまでの間、一太郎の母で、大妖おぎんの娘であるおたえにぞっこんの父親だから浮気をするはずもなく、浮気をするはずもなく、いったいどんな理由でどこへ行ってしまったのか、みんなで言いたい放題である。私が好きなのはやっぱり芸者たちのお話かな(笑)。

4.長崎屋のたまご
レシピはゆでたまご。最近卵のゆで方はいろんなレシピがみつかるようになったが、これは水から入れて沸騰したら火から降ろしてそのまま余熱で蒸すもの。イースターエッグよろしく、卵に絵を描くときの絵具(食用)のことも書いてある。

あらすじ:夕刻も近づく頃、長崎屋の庭に青空から青い玉が落ちてきた。鳴家の何人かははずむ玉を追いかけて長崎屋から出て行ってしまう。そして一太郎のところには雲の上にいる百魔の一人、百魅が訪れた。兄貴の三十魅と喧嘩して、喧嘩の元になった玉が空を四角に破って下界に落ちてしまった。玉が空の一片を巻きつけているのだ。その玉を捜しに来たという。一方玉を追いかけた鳴家たちは第一話の「こいしくて」で恋をしたものの成就しなくて悲しんでいる橋姫を慰めに来た大黒様とそのお使いの根棲(ねずみ)に出会ったりして、なかなか玉が見つけられない。そのうち、長崎屋には百魅の兄たちである一魅、三十魅、五十魅まで現れてますます話がややこしくなる。玉だけでなく、体が小さな弟の九十八魅も落ちてしまったようなのだ。それに加えて百魅の前に生まれたはずの九十九魅もどこかにいるはずなのにまだ誰も見たことがないと言う。鳴家たちは迷子になっていた九十八魅を見つけるが、この小さな魔は鳥にさらわれてしまい、玉は鳥を追いかけていく。長崎屋では三十魅と百魅が盛大に兄弟げんかをしている。鳴家の機転で何とか鳥と玉は長崎屋に戻り、九十八魅も無事だった。そして玉の正体もやっと明らかになる。

感想:一人っ子の一太郎は兄弟げんかをする三十魅と百魅を羨ましく思う。体が弱くて普通の生活も出来ず、箱入り息子の一太郎は世の中で普通に生きている人々を見るたびにちょっと寂しくなったりするのだ。そんな一太郎がいじらしいと共に、今回は鳴家たちの可愛らしさを存分に楽しむお話。

5.あましょう
レシピ:味噌漬け豆腐。これも美味しそう。今度美味しい豆腐が買えたときに作ってみよう。

あらすじ:幼馴染の栄吉が修行している菓子屋の安野屋へ遊びがてら買い物に来た一太郎。だが、栄吉は忙しい。見ると若い二人の若者が大量に店の菓子を買っているのだが、どうも様子がおかしい。浜村屋のあととり息子新六と幼馴染で川田屋の息子、五一は幼馴染で、五一は新六の妹と婚約までしていたのに、五一はある日突然房州に行ってしまい、数年戻らなかった。突然戻ってきてまたどこかへ行ってしまうというので新六は怒っているのだ。新六の妹は別の人のところへ嫁入りが決まり、新六は裕福な相手に嫁ぐ妹の持参金を工面するために、自分はあばたの娘、おれんを嫁にすることにした。二人のわだかまりはやがて大喧嘩になる。しかしどうも何かがおかしい…。

感想:最後は涙を誘う物語。最初は普通の友達同士の喧嘩のように見えるが、そこは「しゃばけ」シリーズ、やはり不可思議な結末となるのがお約束だ。相手を思う気持ちが二重三重にからまり、跳ね返ってこんがらがっていく。この巻の最後の話にふさわしく、エンディングは非常にドラマチックだで、涙を誘う。一太郎はいつも傍観者なのではあるが…。

全体の感想:料理レシピを入れるという趣向が楽しく、色々趣向の違う話が集まって笑ったりホロリとしたり、相変わらずこのシリーズを読むのは楽しい。長編もいいが、やはり自分にとっては短編集の方が一太郎と妖たちの日常が色々と見えてほのぼのとした気持ちになるので、より好みである。

次の文庫が楽しみだ。

エセックスのアンティーク店めぐり再び

  • 2014.08.11 Monday
  • 22:03
JUGEMテーマ:アメリカ生活

5年前にうちから車で1時間弱のところにあるエセックスという町に行ったことをブログに書いた。
ここは海辺の小さな町だが、端から端まで歩いてもそう長い距離ではないメインストリートにずらりとアンティークの店が並んでいるのだ。5年前には友人の結婚式に日本からいらした彼女のお母さんと一緒にでかけて、指輪やコスチュームジュエリーを買った。どれも今でも愛用している。

今回はアメリカ人の女友達とでかけた。この町にはもう一つ、地元の人に人気があるWoodman'sというシーフードの店があり、ここでランチして、アンティークの店を3-4軒冷やかそう、という計画である。

11時頃にEssexに到着し、まずは5年前に私が指輪を買った店、Main Street Antiquesへ。ここは前回のブログに色々写真を載せたが、置いてある品物の種類が豊富で、買う気がなくても見ているだけで楽しいし、お店の女主人も一見無愛想だが話してみると楽しい人だ。(ニューイングランドの人々はこういう人が多い。最初無愛想に見えるが、話しかけてみるとみんな意外にフレンドリーだし、情に厚い)

瀬戸物、家具、いろんな昔の小物…。うちは収納スペースが限られているので食器は買わないのだが、見ていると欲しくなるものがたくさんある(笑)。

私のお目当てはやっぱり指輪。そして見つけたのである、今回も。
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Ingressを始めてみた。

  • 2014.08.11 Monday
  • 10:09
夏休み、音楽教室の仕事が7月下旬に終わると9月に大学と音楽教室が再開するまで、ほぼ夏休み状態になる。といっても、9月からの新学期に備えて色々大学の準備はあるのだけれど、それでも普段の生活に比べたらほぼ毎日自由だ。

この時期一番力を入れるのは毎年のことながら、体力づくりと料理と読書(笑)。夫は実はけっこう8月は仕事が忙しいので、この時期に旅行らしい旅行をすることはあまりない。なので私は週に4-5日は1時間以上歩くようにしている。

猛暑の日は外を歩くのはちょっと体力的にしんどいのでジムへ行き、Treadmill(いわゆるランニングマシーン)で歩くが、この夏、特にここ2週間は、カラッと晴れて温度もそれほど高くない日が続いているので外を歩くことが多い。しかし散歩そのものは一人だとそれほど面白いとは言えない。家の近所で歩きやすいコースはもう何度も歩いているので、ポッドキャストを聞きながらひたすら30分から40分歩き、そして帰ってくる、という感じだ。Treadmillはむしろ時速6キロくらいの速度で歩きながら本も読めるし、うちのジムのTreadmillにはテレビも付いているので退屈しないのだけど…。

そんな折、先日伊集院光さんのポッドキャストを聞いていたら「Ingress」というゲームの話をされていた。どんなゲームなのか、はここが日本語でわかりやすく説明してくれているようだ。

これはちょっと面白そうだ、と思ったのでトライしてみることにした。要するに、実際の地図を使った宝探しであり、陣取りゲームである、と言ったらいいだろうか。ゲームはアンドロイド版とiOS版の両方があり、無料でダウンロードできる。Googleのアカウントが必要だ。
世界の各地でエネルギー(XMと呼ばれる未知のもの)があふれ出すポータルがあり、それが実際の地図上にある。うちの近所ではこんな感じでたくさんあったのも、やる気が出た理由の一つ(笑)。

 
ごらんのように2日前に始めたばかりなので、私のレベルはまだ3。レベルの横の黒く塗りつぶした部分はユーザーネームで、これは登録の時に自分で好きな名前を作れる。この緑色で炎のようになっているのがポータルだ。ここは緑ばかりだが、青いのと白いのもある。緑と青は、二つの対立するグループがそれぞれ所有しているポータルだ。緑はこのエネルギーを活用しようとしているEnlightened(「悟れる者」と言うような意味)のポータル、青はRebel(「反乱軍」の意味で、このエネルギーで人類を支配しようとする勢力に対抗するグループ)に属するポータルだ。時々歩いていると白いポータルが見つかるが、これはどちらのグループにも属しておらず、先にどちらかのグループのメンバーがレゾネーターと呼ばれるアイテムを設置することで、自分のグループのポータルにすることが出来る。

私もまだ始めたばかりなので色々英語のウェブサイトを見てやり方を覚えているところだが、ゲームの内容を別にしても、ポータルを探して歩くだけでかなり面白い。ポータルになっているのは、大抵記念碑とか、地元で有名になっている場所とか、そんなものなので、都会は当然ポータルが多いわけだが、うちの町にもびっくりするほどたくさんあるのだ。一昨日は初めて本格的にトライしてみようとして、近所を少し歩き回ったのだが、あっという間に1時間半たってしまった(笑)。

iPhoneの画面で見ながら歩くのだが、けっこう近くまで行かないと近くにあるポータルは表示されない。パソコンのブラウザのワールドマップである程度事前に、どこにポータルがあるかというチェックは出来るし、iPhoneのサファリでもチェックすることはできるが、このブラウザでチェックするマップが重いのだ…。ただ、ある程度それを事前に見ておいて、今日はこの辺のコースを回ろう、と決めておいたほうが効率はいい。

そして、歩いて次々とポータルを「ハック」しているうちに、
「あ、もうちょっと先まで行くとまたポータルがある」
ということになり、気づくとものすごい距離を歩いていることになってしまうのだ(笑)。伊集院光さんもポッドキャストで10キロ歩いてしまった、と話していた(笑)。私はそこまで行かなかったが、一気に一万歩以上歩いたのは確か。

昨日は車でボストンエリアをあちこち移動していたのだが、夫が運転しているのをいいことに、通過するポータルを片っ端からハックしまくった(笑)。そのおかげで経験値がしっかり上がったのだ。ただ、ゲームとしてはそこでしっかり立ち止まって他のこともした方が面白い。一番の理想はやはり徒歩か、自転車だろう。

今日は近くの町のスーパーへ午前中に食料品の買出しに行ったのだが、そこでも近くにポータルを見つけたので、スーパーから少しだけ歩いてハックしてきた(笑)。

そして午後にまたうちの町を散歩することにした。一昨日とは違う方向だ。今日もたくさんハックできて楽しかったのだが、楽しさの一つは、いつも何気なく通過しているところに、自分が知らなかったたくさんの記念碑や歴史がある、ということを発見できることだ。

たとえば、一昨日の夜、知人の家を訪ねて夫と車で帰宅する途中、白い炎があるのに気がついた。それほど回り道でもないので夫がハンドルを切ってそこまで行ってくれた。静かな住宅街の中。そこにあったのは、なんと、あの女流飛行家のアメリア・イアハートが一時期住んでいた家だった。彼女が隣町に住んでいたなんてちっとも知らなかったのでびっくり。

ポータルのすべてが歴史的な建造物というわけではない。学校や教会もポータルだし、私が午前中でかけたスーパー(新鮮な野菜が豊富で安いので有名)ですらポータルだったのだ(笑)。

でも、本当に普段見落としがちなものがポータルになっているので、ただゲームをプレイするだけでなく、実際に自分の足で歩いてそこへ行って何かを発見する、という楽しみがあるのがいい。

ゲームとして陣取り合戦をもっと楽しむのであれば、グループででかけるのも楽しいだろうし、私のように、ただのんびり散歩して「ああ、こんなところにこんなものがあるのね」と感心しながら歩くのもよし。散歩のコースにバラエティが増えて楽しくなり、今日もしっかり一万歩を越える散歩をしてきた。白いポータルを幾つか見つけて自分のグループのものにしてきたり、他のポータルと結んで新しい結界を作ったりもしたので、けっこう経験値も上がった(笑)。いろんな町に行くたびにポータルをチェックするのも楽しそうだ。

秋になって大学が始まればそうそう散歩の時間も取りにくくなるが、ぼちぼちマイペースで楽しめそうだ。

読書レビュー:JKローリングのハードボイルド推理小説第二弾「Silkworm」(追記)

  • 2014.07.30 Wednesday
  • 18:09
JUGEMテーマ:読書
ハリポタの作者、J.K.ローリングがRobert Galbraithという変名で書いているCormoran Strikeシリーズの第二弾。

ハードボイルドな推理小説だ。一作目のCuckoo's Callingを発表して間もなく、彼女の弁護士の妻の友人(ややこしいなあ…笑)が、このRobert Galbraithの正体はJ.K.ローリングだということをマスコミにバラしてしまった。本人は自分の名声なしでこの作品を世に出したかったようなので気の毒なことである。一作目もなかなかいい出来だったので、二作目もさっそく読んでみた。

主人公のコルモラン・ストライクは30代の男性だ。父親は有名なロックシンガーのジョニー・ロークビーだが、私生児なので父親との縁は薄い。彼自身は軍隊に入り、MP(軍警察)の捜査官だったが、アフガニスタンで片足の膝から下を失い、除隊後は私立探偵となる。

一作目では自殺として片付けられていた人気モデルの死亡事件が殺人事件であることを暴いたコルモランは、ロークビーの息子であるということもあいまって、一躍マスコミの寵児となる。そのおかげで探偵仕事の依頼も増えたが、ほとんどは離婚でもめている金持ちの妻による夫の浮気調査や裕福なビジネスマンによる愛人秘書の浮気調査などだった。ある日、あまり有名ではない作家オーウェン・クインの妻レオノーラが、行方不明になった夫を探して欲しい、と依頼にやってくる。行方を知っていそうなエージェントのエリザベスや出版社に聞き込みを始めたコルモランは、オーウェンがエリザベスや彼を長年担当した編集者のジェリー・ウォルドグレイブ、出版社の社長ダニエル・チャード、昔はオーウェンの友人だった人気作家のマイケル・ファンコート、また彼の愛人や妻など、すべての人を題材にした小説「Bombyx mori」(カイコの意味。本のタイトル、Silkwormも同じ意味)を書き上げたばかりだということを知る。しかし、その小説はどうやらオーウェン自身が主人公になっており、寓話の形をとってはいるものの、周囲の人々を徹底的に侮辱するものだったらしい。やがてコルモランはオーウェンの死体を発見するが、その死体は小説の中で描かれているとおりの凄惨な状態だった。この小説に登場する人物の誰かがオーウェンを殺したのは間違いない、と睨んだコルモランは秘書兼アシスタントのロビンと一緒に捜査を続ける…。

というのが設定。また、前作でコルモランの婚約者だったが喧嘩別れしたシャーロットの名前も頻繁に出てくる。コルモランはシャーロットへの思いを断ち切れず苦しんでおり、彼女が元彼とヨリを戻して結婚することを人づてに知るのである。

推理小説としては今作の方が一作目より完成度が高いような気がした。婚約者がいるロビンとコルモランの関係も微妙なところで漂っていてその人間ドラマも面白いし、今回登場する多くの人々は、ローリング女史のよく知る文壇の世界を舞台にしているせいか、より立体感があって、リアリズムも強く出ていると思う。

作家同士のプライドやエゴもこの中では生々しく描かれている。読み応えがあり、後半は一気に読ませる力があった。犯人が明かされる最後も、なかなか鮮やかなどんでん返し(勘のいい読者は気づくかもしれないが、私は綺麗に騙された)だし、最後のサスペンス溢れる追跡劇も良かった。そして読後感は一作目より爽やかになるようなエンディングだったのもいい。

ここからはネタバレになりますので未読の方はご注意ください。


 
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読書レビュー:幽霊退治に奔走するティーンエイジャーたちの物語〜Lockwood & Co. The Screaming Staircase

  • 2014.07.25 Friday
  • 22:16
JUGEMテーマ:読書

出入りの読書掲示板で久しぶりに小規模な読書会らしきものが自然発生したので読んだ本だが、思わぬ拾い物だった。まだこの作品の日本語訳は出ていないようだが、読書掲示板では皆で「叫ぶ階段」と呼んでいたのでここでもそう呼ぶことにする。色々な版が出ているが私は例によってkoboリーダーで読んだ。

作者のジョナサン・ストラウドは「バーティミアス」三部作(外伝も出ているが私はこれは読んでいない)で有名。バーティミアスの世界も、今回の新シリーズも、イギリスが舞台だが、どちらもいわゆるディストピア的なパラレルワールドになっている。未来ではなく現在に近いが、前者は妖霊(英語ではDemons)を操る魔術師が世の中を仕切っており、後者では子供たちにしか見えない幽霊(Ghost)が英国内を闊歩し、しばしば人間に危害を加えている。幽霊に殺される人も多く、幽霊退治や警備は子供たちの仕事で、大人はただただ子供たちに頼るしかない。多くの幽霊対策会社では、大人たちの監督のもとに、子供たちが仕事をしていた。

この物語はルーシーという15歳の女の子の一人称で語られる。幽霊たちにまつわる音を聴く才能に恵まれたルーシーは、貧しい家に育ったが、幼い頃から生まれ故郷で幽霊退治のエージェントとして活躍していたが、所属するエージェントの監督(大人)の誤判断により、ある仕事で、彼女以外のエージェントが全員死亡するという事件に見舞われた。職を失ったルーシーはロンドンへ出てきて仕事を探すがなかなかみつからない。わらにもすがる思いで彼女がたどりついたのは、大人の監督を持たず、ロックウッド(ファーストネームはアンソニーだが、苗字で呼ばれることを主張する。性格はむこうみずだが、さっそうとして弁舌も立つ。彼は特に霊視力に長けている)という少年が経営するエージェントだった。ロックウッドの他にはジョージ(情報収集に長けた少年で、描写によるとかなりオタクっぽい)という少年だけ。ロックウッド社ではもう一人のエージェントがいたが、どうやら幽霊退治に失敗して死亡したらしい。ルーシーは無事雇われ、ロックウッドが両親から受け継いだという家(オフィス兼三人の住居)で少年少女三人だけの生活が始まる。そしてロックウッドとルーシーが赴いた任務で、とんでもないことが起きてしまう…。

というのがセッティング。冒頭では話の時系列が前後するが、ルーシーの過去が語られた後は話がストレートに進むので読みやすい。

夜になると幽霊が跋扈する世界。幽霊対策には鉄や銀製品、ラベンダー、塩、マグネシウムの炎などが使われる。エージェントは幽霊を生み出す元になる何か(Source)を突き止め、それを上記の色々な道具を使って破壊または封じ込める。幽霊と戦わなければならないこともしばしばで、銀のレイピア(細身の片手剣)が武器として用いられる。

幽霊と戦う話であると同時に、過去の殺人事件の謎を解く、というミステリー要素も加わって、最後まで一気に読ませる。バーティミアスシリーズも、同じ読書掲示板で読書会があって読んだのだが、私はこちらの作品の方が好きだなと思った。主人公たちに共感しやすく、ロックウッド、ジョージ、ルーシーの三人がそれぞれ個性豊かで愛すべきキャラクターに描かれているし、作者が構築した世界観もしっかりと作られている。既に映画化が決まっているそうだが、連続テレビドラマでじっくり作るのも面白そうだな、と思った。

二作目が9月に発売されるとのことで楽しみである。

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