「おやじの背中」を観た。(第一話・第二話)

  • 2014.09.01 Monday
  • 08:52
JUGEMテーマ:日本のTVドラマ

テレビジャパンで放送が始まったTBS系の「おやじの背中」

役者陣がすごいので、これは観よう、と思った。第二回まで放送された。

第一回の「圭さんと瞳子さん」は田村正和と松たか子の主演。お互いを名前で呼び合うちょっと変わった父と娘。瞳子の母は事故で亡くなり、その時からパニック症候群を発症した娘のため、父はひたすら娘を支える。娘が出かけるとき、自分がでかけるとき、二人が別れるときは必ず父は「何かあったら電話して」と勇気づけるように、安心させるように、穏やかな声で言う。ある日食中毒になった父は救急車で病院に運ばれ、朦朧とするうちに病院で一夜を過ごすことになる。そしてそれをきっかけに、依存しあっていた二人の関係が少しずつ変わっていく…。

私が子供の頃、カリスマ的二枚目だった田村正和さんももう71歳(驚愕)。それよりは若く見えるけれど、物腰がお兄さんの田村高廣さんに似てきたなあ、と思いながら観る。いい意味で枯れてきて、でもまだ色気がある。パニック症候群に苦しむ松たか子の演技も真に迫っていた。何より、二人の、言葉にはしないもののお互いを思いやる演技が静かでとてもいい。言葉は少ないがいい脚本と二人の演技で見ごたえがあり、静かなあたたかい感動をよぶ作品だった。途中の回想シーンとラストシーンがきれいに重なり、観終わったときの感じも何とも言えない後味の良さがあった。

そして第二回。役所広司と満島ひかりの「ウェディング・マッチ」。ごく小数、他のキャストも登場するがそれぞれシーンはごくわずかで、ただただ二人の会話劇が繰り広げられる濃密なドラマ。浅田美代子が母親役で登場するが、たった1シーンのみで、台詞すらないのには驚いた。まさに舞台劇を観ているようで、これは生の舞台で観てみたい、と思わせた。ボクシングが絆になっている父と娘は、第一話とは対照的で、お互い傷つけあい、不満をぶつけあう。怒涛のような台詞。この二人の取り合わせは素晴らしい。したたかさとユーモアと中年男の色気が見事にミックスされた役所と野良猫のような鋭い眼光を持つ満島。泣いている時でさえ、ガラスで出来た鋭い刃物のような危うさともろさを感じさせる満島が特にいい。結末はこれまた、第一回とは対照的であるのも面白い(笑)。

毎回違う脚本家を起用しているこのシリーズ、できるだけネットでネタバレなどは観ないようにして楽しみにしている。

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