お葬式と豚の丸焼きと

  • 2013.09.29 Sunday
  • 22:14
金曜日、電話がかかってきた。

9月のはじめに共演した若い男性オペラ歌手からである。彼は私が教えている音楽教室の卒業生で、音大に進み、現在はオペラだけでなく、ミュージカルでも着実にキャリアを重ねている新進気鋭の歌手だ。高校生のときからその才能は明らかで、彼の当時の先生である同僚からよく彼の話は聞いていた。音楽教室のイベントで彼が歌ったときに伴奏したのだが、その時彼の祖母の体調が良くないと聞いていた。

その祖母が亡くなり、土曜日に教会で告別式が行われることになっていたのだが、教会のオルガニスト兼ピアニストが、彼が歌う曲が難しくて伴奏できない、と前日の金曜日になって急に断ってきたのだそうだ。楽譜は火曜日に既に渡してあったとのこと。困りきって、私に電話してきたのだった。前日にいきなりドタキャンするとは、あまりプロらしいとは言えないが、教会でピアノやオルガンをミサのために弾く仕事をしている人の中にはプロの訓練を受けていない人も少なくないので、そういうタイプの人なのだろう。なんにしても、身内を亡くしてただでさえ辛い思いをしている彼にとって、急に伴奏者を探さなければならなくなったことは余計なストレスであり、気の毒だった。役に立てて何よりだと思い、引き受けた。

歌うのは三曲ということで、とりあえずその日、私が音楽教室でレッスンを終えた時間に来てもらってさっとリハーサルをした。

そして土曜日。今までユダヤ教やプロテスタントの告別式には出席したことがあるが、カトリック教会の告別式ははじめてだった。それほど形式に違いはないようだ。

アメリカで何度かこういう場に行き、一番驚いたのは、今のアメリカでは喪服という概念がほとんどなさそうに見えることだ。黒い服を着てくる女性はほとんどいない。私は今回仕事だったので地味な黒い服を着て、アクセサリーなどもほぼなく、控えめにして行ったが、出席していた女性はほとんどが、普通の教会のミサに来るような、普段よりややお洒落な服装で来ていた。男性の多くも普通のスーツか、チノパンにドレスシャツ。遺族の方たちも黒は着ていなかった。

それほど長い式ではなく、1時間弱くらいで終了した。彼の歌も素晴らしく、告別式という状況にもかかわらず、参列者の間から拍手が起こったのもアメリカらしい、と言えるかもしれない。孫の一人である女性の弔辞も明るいものだった。

こちらのお葬式は故人の死を悼むというより、その人生をたたえる、という風情が強い。突然非業の死を遂げた場合だと涙する人も多いが、今回は長生きされた方で、最後は具合が悪かったとは言え、たくさんの子供や孫に囲まれて、安らかに逝かれたとのことで、ご遺族の方たちも天寿を全うしたという気持ちが強かったようだった。

この日の夕方は一変して夫の友人宅のパーティに行った。



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自分の声を見つける

  • 2013.09.26 Thursday
  • 22:40
「あまちゃん」もあと二話で終わり。(こちらはただいま木曜日の夜で、あと20分ほどで金曜日の分の回が放送される)

今週は薬師丸ひろ子さん扮する鈴鹿ひろ美がはじめて自分の声で歌う「潮騒のメモリー」のシーンが素晴らしかった。あの、10代の頃から美しい歌声で有名だった薬師丸さんが音痴(と、いうことになっている)、という役を演じることについては、最初から不思議に思ったファンが多かった。

しかし、私自身を含め、先日の回で、この役が彼女でなければならなかった理由が、はじめてわかった人も多かったのではないだろうか。若春子(と、みんなが呼んでいるけど、この三文字を見るとどうしても若花田とか、お相撲さんみたいに見えてしまう)が「成仏」するためにも、鈴鹿ひろ美本人が前に進むためにも、そして今の春子が前に進むためにも、鈴鹿ひろ美はあの声で、北三陸の人々を前に、あの、薬師丸さんの美声で歌わなくてはいけなかったのだ、と。

そんなことを考えながらいつもどおり大学へ。

私が教える授業の一つは聴音・ソルフェージュで、これは楽譜を読んで歌ったりすることが非常に多いクラスだ。音楽専攻の一年生はこのクラスを最低一年間取らなくてはいけない。

音楽専攻だからみんな歌うことは好きだろう、と思ったら大間違い。楽器専攻の学生の中には意外と歌が嫌い、あるいは苦手、一度も歌ったことがない、という子がいる。私のクラスにも毎年そういう子が必ず一人や二人いるのだ。

歌ってみたいけど、音痴で…という子もいる。こちらは実は意外と簡単。本人のやる気があれば、音痴はかなり直せるのである。毎年必ず、音程がまったく合わせられない学生がいるが、それでもちゃんと練習方法を教えて、本人が頑張れば半年、一年後にはちゃんとみんな音程を合わせて歌えるようになる。

だから一番大変なのは、歌えない、と思い込んでいる上に歌いたくない、としり込みする学生。こういう子に限って実はけっこういい声を持っていたりすることが多いのだが、メンタルブロックがあるため、それを取り除くところから始めなくてはいけない。

今年も一人、そうい男子学生がいたので、授業外のオフィスアワーを利用して、一対一で少しだけ発声の指導をすることにした。身体はがっちりした子だが、しゃべる声も小さく、決して気が小さいとかそういうわけではないのだが、教室の後ろにいると声が聞こえないほどである。まずは声を出させるところからスタートした。

しかし、私がにらんだとおり(笑)、彼はかなりいい声を持っていて、10分の発声練習で、クラシックもできそうな見事な声をちょっとだけ引き出すことに成功した。要するに、今まで機会がなくて、自分の声をフルに使ったことが多分なかったのだろう。

その声を自分で聞いたときの彼の顔と言ったら(笑)。
子供のように目を真ん丸くして、Oh my God!の連発だった。

「ね、歌えるでしょ?普段しゃべってる声の三倍以上大きな声が出たでしょう?これが本当のあなたの声なのよ。いや、多分本当の声はこんなもんじゃないわ。」

本当にびっくりしていた。自分が歌えるなんて、思ったこともなかった、と彼は言う。ショックとも言えるほどの驚きだったようだ。来週もう一度、個別指導をすることになった。

すぐに自由に歌えるようになるわけではないけれど、こうやって少しずつ声を出すことに慣れていけば、彼はきっとちゃんと歌えるようになる。今彼自身が思っているより、はるかに上手く。

その最初の一歩の手伝いが出来たこと。教師冥利に尽きる日だった。

帰り道の車を運転しながら、また鈴鹿ひろ美のことを考える。自分の声を見つけた彼女。自分の声を見つけようとしている男子学生。同じ日に、対照的なケースについて考えることになったことが不思議だった。

今から23時間後。「あまちゃん」の最終回はボストンでも放送される。

明治が面白い

  • 2013.09.25 Wednesday
  • 09:38
JUGEMテーマ:歴史
JUGEMテーマ:読書

視点と舞台はまったく異なるものの、三年前の大河ドラマ「龍馬伝」とほぼ同時期から始まり、龍馬亡き後の日本に続いている今年の大河ドラマ「八重の桜」。ちなみに新島八重は坂本龍馬より9年若い。

今まで苦手だった幕末から明治初期にこれで少し馴染みやすくなった。それと同時に色々知りたいことが出てくる。

ネットで色々調べているうちに、ひょんなことから、南北戦争の英雄で、その後合衆国大統領をつとめたユリシーズ・グラント将軍が、大統領職を退いた後の世界一周旅行で、最後の寄港地として日本を訪れていたことを知った。1879年の夏のことだ。アメリカ側からの記録が読みたい、と探していてたどりついたのが1969年に書かれたこの論文である。PDFでダウンロードするのは有料だが、登録すればオンラインでは無料で読める。これはかなり簡潔にまとめてあって読みやすかった。

元大統領と言うよりも、南北戦争の伝説の英雄、という迎えられ方をしたグラント将軍が日本(特に東京)の人気ぶり、まだ若い日本政府の全力を尽くしたもてなしぶり、グラント将軍の日本への好意的な姿勢などが描かれていて、明治初期にはこんなことがあったのか、と初めて知った次第である。長崎に上陸して明治天皇から任命された伊達宗城公をはじめとする接待チームから最初の歓待を受ける。そこからは、日本全土に広まっていたコレラを避けるため、本来予定していた京都訪問をあきらめ、海路で横浜へ。その後は浜離宮に滞在し、日光も訪問する。滞在中、明治天皇や日本政府にさまざまな助言を与えた。日本に対してはかなり好意的で、当時日本と清の間でもめていた琉球問題の解決もはたらきかけている。

上記の論文はコンパクトにまとめられていたので、こうなると、もうちょっと詳しく書いたものが読みたくなる(笑)。そこで参考文献の一つだった本を入手。アマゾンのリンクはこのエントリーの下に載せるが、19世紀に出版された本なので、現在は著作権フリーである。そのため、こちらから電子書籍やPDFで無料ダウンロードすることが出来る。この本はグラントの世界一周に同行した新聞記者のジョン・ラッセル・ヤングが書いたもので、日本紀行だけでなく、二年に渡る世界一周のすべてを記録しているため、かなり長い。いずれ他の部分も読んでみようとは思っているが、今回は日本訪問の部分だけ読んだ。

これが非常に面白かった。まだ江戸時代の様子が色濃く残る日本の様子。外国人から見た「不思議の国ニッポン」の様子がことこまかに描かれており、写実的なデッサンもたくさん挿入されている。グラントへの歓待ぶりも、日本政府がどれだけこのもてなしに心を砕いたかがよくわかるし、民衆の熱狂振りも興味ぶかい。

日本側の記録も読んでみたいものだ。

ボストンに住む日本人としては、この時代は非常に面白い時代である。明治初期に日本を訪れ、あるいは住んで日本政府に協力した米国人の中にはボストニアン、あるいはニューイングランド出身者が少なくなかった。

メイン州出身ではあるが当時ハーバード大学とメイン州のボードウィン大学で教鞭を取っていたモース(大森貝塚で有名な動物学者)、フェノロサ(政治学や哲学を教えた)、ビゲロー(彼とフェノロサが滞日中に収集した日本美術のコレクションや、20世紀初頭に来日したボストンのスポールディング兄弟が収集した浮世絵が、のちにボストン美術館の日本コレクションの基となる)、マサチューセッツ中部のアマースト大学で教鞭を取り、後に北海道大学となる札幌農学校の創立に尽力したクラーク博士など、枚挙にいとまがない。

そして、ボストンと明治の日本のつながりと言えば、やはり新島襄を抜きにしては語れない。今、「八重の桜」でも彼の同志社設立の奮闘が描かれている最中だが、彼のことを米国人からの視点で書いたものが読みたいな、と思って探したらちゃんとある。

Life and Letters of Joseph Hardy Neesima (Google Booksの電子書籍。無料)

新島襄が亡くなってわずか四年後、1894年に出版されたもので、これまた著作権フリーなので、電子書籍や他のフォーマットでも無料ダウンロードして読むことが出来る。紙の書籍のリンクは下。

主に新島襄自身によって書かれた手紙を通して彼の人生をたどっている。これを読んで何よりも驚いたのは、彼の英語での実にいきいきとした表現力である。なるほど、カリスマ性にあふれた人だったのだ、とこれを読むだけでも納得できる。ボストンで多くの人に愛され、同志社設立のための資金集めでも、彼を何も知らないニューハンプシャーの田舎で演説して人々の心を動かし、多くの寄付金を集めることに成功した、というエピソードを思い出した。

彼が最初、まだたどたどしい英語で書いた、なぜ自分はアメリカで勉強したいのか、という手紙。その文法は滅茶苦茶だし、確かに拙い文だが、その熱意、その雄弁さは素晴らしい。その手紙がその後彼の家族代わりとなるハーディー夫妻の心を動かし、彼らは新島を親代わりのように深い愛情で包み込む。新島の手紙もまた、彼らに対して親に甘えるように礼儀正しくも無防備で、その愛情が双方ともに豊かに流れていたことがよくわかる。

というわけで、現在はこの本を読んでいる最中なのであった。新島が岩倉使節団のメンバーの一人、田中不二麿のヨーロッパ教育視察旅行に同行して、その後ボストンに戻ってくるあたりまで読み終えたところである。これを読んでいるうちに、また芋づる式にいろんな人のことが気になってまた調べてしまうんだろうなあ(笑)。でも面白い。歴史は本当に面白い。

幕末、明治は今まで苦手な時代だったので、そこに興味を持たせてくれた「八重の桜」にはおおいに感謝している。今までと違う視点で描かれているからこそ、興味と共感が持てたのだと思う。


iOS7にしてみた

  • 2013.09.20 Friday
  • 09:42
JUGEMテーマ:iphone

昨日リリースされたiOS7を入れてみた。

私のiPhoneは4。初代機種は夫が買い、日本語入力が出来るようになったiPhone3Gを私が買い、次に夫が3GSに機種変更。iOSのアップデートで3Gがかなり使いにくくなった私がiPhone4に買い替え、その後3GSの画面のガラスがバリバリに割れてしまった夫がiPhone4Sに買い替え。4も4Sも好調で、iPhone5が出た時は二人ともまるで買い替えに興味がなかった。

今もまだ両機種とも快調なので、不具合が出るまでは買い替えはなさそうだ。

で、iOS7を私がまず入れてみた。夫はしばらく様子を見るそうだ。うちはいつもこのパターン。おひつじ座で猪突猛進型の私は大抵リリースされたらすぐiOSのアップデートを行い、山羊座の夫は必ずしばらく待つ(笑)。今回の私の場合、アップデートしたアプリ(よく使うもの)を同期しようとしたら、「iOSをアップデートしないと使えません」と言われたのが一番の理由ではあるけれど(笑)。

ちなみに私の母艦はWindows7、夫はMacユーザーである。もっとも夫は仕事場のパソコンはWindowsなので両刀遣いというところだろうか。私も仕事場ではMacだったりする(笑)。

というわけで入れてみたiOS7であるが、まず機能もさることながら、見た目が大幅に変わった。これに慣れるのにはちょっと時間がかかりそうだ。まず、私はアプリをひたすらジャンル別にフォルダーに入れる。ページを何度もスライドするのが嫌いなのだ。それくらいなら指で何度かタップする方がいい。しかもアプリの数が多いと何がどこにあるかわからなくなるので、フォルダー大好きなのだ(笑)。今回はフォルダーの中で2-3ページ作れるようなので、フォルダーに入れる個数は増えるけれど、一度に見られる数は9個。便利なのか不便なのか、しばらく使ってみないとわからない。

私が困ったのはポッドキャスト。今までアップルのポッドキャストアプリをひたすら無視してダウンロードせず、ミュージックアプリのポッドキャスト機能を利用して聞いていた。ポッドキャストアプリはあまり良い評判を聞かなかったためだ。今回のアップデートでそれが出来なくなり、強制的にポッドキャストアプリを使わされることになった。うーん、今日通勤の車の中で使ってみたけれど、どうなのかなあ。これも慣れたら気にならなくなるのかしら。

フォルダーの色と、アプリ名の色は非常に読みにくくなった。これは慣れても読みにくいだろうと思う。

連絡先や電話などの見た目も大きく変わって、それは機能面ではそんなに違いはないだろうから、今のところ特に不満はないけれど…。

アップル関係のポッドキャストを幾つか聞いてみたが、概して冷めた反応が多かった。実際どうなんだろうなあ。iPhone4ではそれほどのメリットはなさそうな気がするけれど…。まあとりあえず、前回の3Gのように使えないアプリが増えたり、フリーズが増えたりしない限り、まだ当分はこのiPhone4でやっていこうと思っているけれど、どのくらい続くかな?(笑)




スーパー開店と屋外授業

  • 2013.09.19 Thursday
  • 21:41
昨日水曜日はオフ日だったので、近所に新しくオープンしたWhole Foodsというオーガニックスーパーの新規開店の様子を見に、買い物がてらブラブラ出かけてみた。近隣の市町村にも何件かこのスーパーがあるので、よく買い物に行くが、うちの町に出来てまた便利である。

秋晴れの見事な日の朝、10時にオープンということだが、かなりの人が集まった。この日の売り上げから町の教育プログラムなどに寄付をするということで、既に地元とのつながりも大事にしているらしく、町の役員の人や友達もたくさん見かけて、オープンを待つ店の前はもう社交場と化している(笑)。

9時45分頃に店の前にこのパンが飾られた。(クリックしてご覧ください)ユダヤのハラーブレッドと呼ばれるパンを、この支店のベーカリーが焼き上げたもので、普通の何倍も長い。テープカットならぬ、ブレッドブレーキングと称して、このパンを割ることでオープニングセレモニーをしようというわけだ。



午前10時。それまで忙しそうに開店準備をしていた店のスタッフが外に出てきた。店長(家の写真でパンの後ろに立っている女性)のスピーチの後、無事開店となる。ちょっと混みあったが私も無事に入って店内をチェック。あまりたくさん買い物はしなかったが、同じチェーンの他店舗に比べて狭い面積ながら、上手に工夫してかなりきちんとした品揃えにしているのは感心した。これからは町の中でかなり買い物が足りそうだ。

さて、今日は大学。今日も昨日に続いて秋晴れの爽やかな日となった。三つ教えている授業のうち、二つは外で、キャンパスの芝生の上で行った。三つ目のクラスは学生がみんなピアノを弾かなくてはいけないので、これはさすがに無理だったけれど(笑)。日光浴がたっぷり出来て学生も私も心身のリフレッシュができたようだ。

新しい学生たちの名前もほぼ覚えてみんなのそれぞれのキャラクターもわかってきた。こうなると色々学生とのやりとりも面白くなってくる。最初はきょろきょろしていた学生たちも少しずつ大学生らしくなってきた(笑)。

のんびりしているとあっというまに中間試験になるので、頑張ってもらいたいものだが、今年の学生は比較的しっかりしているような気がするので、私の予感が当たっていることを祈るのである(笑)。

秋の気配

  • 2013.09.17 Tuesday
  • 21:01
先週は真夏日が三日続いたと思ったら、今朝は摂氏5度。出勤する前にあわててコートを出した。

大学も三週目に入り、やっとクラスの新一年生の顔と名前をほぼ覚えた。席が決まっているわけでもないのに、だいたいいつもみんな同じ場所に座るのが面白い。そのおかげで顔と名前を覚えやすかったりする。

週末私たち夫婦が一泊したので置き去りされたミケは月曜日、機嫌が悪かった。もちろん、隣に住んでいてミケと仲良しの女性がちゃんと来て朝と夕方面倒を見てくれるのだが、私たちが留守にしたことに対してはその不満をちゃんと表現したいらしい。

月曜日の朝起きてみればやっぱりバスルームのタイルの床の上に大きなウ●チ。泊りがけで出かけると、帰宅後に時々これをやられるのである…。

そしてシーツを換えているとこんな風にベッドに飛び乗ってきて邪魔をする。これは機嫌が良くても同じことだ(笑)。ベッドの上は自分の縄張りだと思っているのか、好奇心なのか、シーツの取替えを始めると、家のどこにいてもすっ飛んできて邪魔をするから面白い(笑)。



最近はそんなミケをあしらいながら、ベッドメークをするのにも慣れてきた。猫がいる生活は面白い。毎日何かしら面白かったり、かわいかったりする表情やしぐさを見せてくれて、それだけでもストレスが消えていく。思い通りにならないのが猫だけれど、そんな中にも愛情を見せてくれるし、かわいいものである。

明日はオフの水曜日。色々家事をやって、食料品の買出しをして、仕事が忙しい木曜日と金曜日のためにご飯やお弁当のおかずの作りおきをする日だ。ただし、いつもと違って明日の夜は外食の予定が入っているのでちょっと楽かもしれない(笑)。私が住んでいる町には住民が参加できるメーリングリスト(市民の一人がボランティアで運営している)があり、数千人の人が登録しているのだが、その中の有志が主催して、毎月一度、うちの町や近辺のレストランで食事をする夕食会が開催されている。仕事で行けない月も多いし、あまり好きじゃないレストランの時もあるので(笑)、毎月は行かないけれど、常連さんには友達もいるので、行ける月は行くようにしている。明日はたまたまオフの日だし、レストランも美味しいところなのででかけることにした。

急に寒くなったので風邪を引かないようにしないと…。

メイン州での週末

  • 2013.09.15 Sunday
  • 20:14
JUGEMテーマ:アメリカ生活

昨日14日土曜日の昼過ぎに家を出て、メイン州へ向かった。夫の前からの友人で私も仲良くなった年上の夫婦、MさんとDさん夫婦に久しぶりに会うためだ。奥さんのMさんは夫の仕事上の知り合いだったが意気投合して、夫婦ぐるみでのおつきあいをするようになった。夫婦共に引退し、悠々自適の生活を送っているMさんとDさんだが、Mさんは最近病気の治療のため、あまり会えなくなっていた。今回メイン州にある湖畔の家で遊びに行くことになったのだ。フェースブックやメールを通してやりとりはずっとしていたし、それなりに彼女の治療の経過も把握していたけれど、直接会うのはほぼ二年ぶり。

彼女たちに今回は最高のお土産(笑)を持参することが出来た。それは日本から遊びに来てくれた女の子、Nちゃんである。彼女は姉妹都市の交換プログラムで、中学の時に一週間のホームステイ、そして高校の時は一年間の留学、という形で二度、私が住む町に来ている。現在は大学生として頑張っているが、ひさしぶりに遊びに来たのである。Mさんは彼女が中学の時にホストファミリーとして世話をして、それ以来、Mさんの家族とNちゃんの家族の交流はずっと続いているのだ。

アーリントンで高校時代お世話になったホストファミリーのところに泊まっているNちゃんを車で拾ってそのままメイン州に向かう。三年ぶりの再会で、車の中でも話は尽きない。彼女は相変わらず可愛くて、頑張り屋で、そしてその成長ぶりも話からうかがえて、本当に嬉しくなる。

2時間近くのドライブでメインのMさん夫妻の家に到着。犬のコディーが元気に迎えてくれる。久しぶりに会うMさんは少し痩せてはいたが、治療は順調に進み、一番大変なヤマも越えたとのことで、思ったより元気な笑顔が見られてほっとした。ご主人のDさんもお元気そうだ。

湖沿いの家の裏には小さな桟橋があり、カヤックとジェットスキーがある。お孫さんを連れたお子さんたちが遊びに来るので、子供たちのおもちゃも家中にあり、救命胴着も色々なサイズが用意してあった。

桟橋にデッキチェアーを出してみんなで日光浴をしながらみんなで色々近況を報告しあう。Mさんの治療の経過、私と夫の仕事、Nちゃんの大学生活やこれからのことなど、話は尽きない。

夜はNちゃんの好物だった(日本ではなかなか食べられない)メイン州名物のロブスターで夕食。生きているのをそのまま買ってきて家で茹でる(笑)。

夜はNちゃんは時差ぼけ、Mさんは病気で体力が落ちているのでみんなで早寝。夫と私はしばらく起きてテレビを観てから寝る(笑)。

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映画レビュー:現代の寓話?「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」

  • 2013.09.13 Friday
  • 22:07
評価:
---
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
¥ 1,809
(2013-06-05)

JUGEMテーマ:映画

好き嫌いが分かれる映画ではあると思う。公開当時、とても観たかったのだが忙しくて映画館に足を運べなかった。先日やっとケーブルのプレミアムチャンネルで観ることが出来た作品。原作の小説はまだ読んでいない。

パイ(円周率のπを表す英語表記のPi で表される主人公のあだ名)の叔父に紹介されて、彼を訪ねる物書きの白人男性。カナダに住む、今では中年男性となったパイは自分の体験を話し始める。

パイはインドで生まれ、動物園を経営する両親と兄の四人家族の中で育った。幼い頃から、ヒンドゥー教、キリスト教、そしてイスラム教に関心を示し、三つの宗教すべてを信仰するようになったパイ。彼が10代のとき、家族は新天地を求めて親戚が住むカナダへ移住することになった。貨物船で動物たちと共に海を渡る家族だったが、嵐にあい、船は遭難。ただ一人生き残ったパイは、シマウマ、ベンガルトラ、オランウータン、ハイエナと共に救命ボートに取り残されることとなる。そして彼の漂流サバイバルが始まった。

この映画はそこから彼とベンガルトラ(他の動物は比較的すぐに物語から消えてしまう)の漂流生活を描く。トラに怯えるパイはさまざまな工夫をこらして、攻撃されないようにし、食料を確保していく。宗教上、それまで菜食主義を貫いていたパイは、生きるために、祈りながら魚を釣り、祈りながら禁を破ってその魚をトラと分け合い、食べる。

映画を観ている人間にとっては、ファンタジーとしか思えないような不思議なロビンソン・クルーソーもどきの、波上の暮らしが語られていく。CGをふんだんに使ったとてもリアルなトラの表情や動き(ほとんどのシーンは人間と近いところで動いているのだが、これは本物のトラではなくCGだったそうだ)、またパイが遭遇する数々の不思議な体験。遭難するまでの物語が非常にリアルであるため、観ている私たちは混乱しながら観ることになる。どうして突然現実味のない話になっていったのか、この結末はどうなるのか?

映画のオープニングからもわかるとおり、パイは死なずに無事、救助された。そして今のパイがいるわけだから、それだけは私たちは理解してこの物語についていくのである。

そして最後まで映画を観たとき、私たちはこの映画の一見ファンタジーのような不思議な物語が何を意味するかを悟り、そこで呆然とするのである。そしてもう一度、最初からこの映画を観たい衝動にかられるのである。

(ここから先はネタバレの感想になります。ご注意ください)


 
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映画レビュー:ホワイトハウスの黒人執事の半生とアメリカ市民権の歩み「The Butler」

  • 2013.09.11 Wednesday
  • 21:06
JUGEMテーマ:映画
比較的最近観た映画が何本かあるので、時間を見て少しずつここに感想を書いていこう。

今日は、8月末に夫の家族と皆で観に行ったThe Butler。(ザ・バトラー)

Butlerとは執事のことである。実話に基づいてはいるものの、かなり脚色を加えている。

南部のコットン農場で使用人として両親と共に育った黒人のセシル・ゲインズは、少年の時、雇い主である白人男性に母を犯され、それを怒った父を射殺される。母は気が狂ったようになり、口を利かなくなる。雇い主の母は彼を憐れみ、農場から少年の仕事を屋内での仕事に移して読み書きなども教える。やがて思春期になった彼は農場を去る。飢えのあまり盗みを働こうとしてホテルに押し入った彼はそこで働く年配の黒人、メイナードに色々な技術を教わり、やがて彼の紹介で首都ワシントンDCのホテルで働くようになる。この間に、彼はグロリアという妻を得て二人の男の子を設ける。そして1957年、彼はホテルのバーの得意客だったホワイトハウスの支配人にスカウトされてホワイトハウスのバトラー(複数いる)の一人として雇われるのである。

アイゼンハウアー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、リーガンと(カーターは登場しない)大統領は変わっていくが、ゲインズはその間ホワイトハウスでそれぞれの大統領のもと、仕事を続けていく。一方、彼の長男、ルイスは時代の波の中、市民権運動に身を投じていく。体制に甘んじているかのように見える父親に不満を抱くルイスと、危険な運動に明け暮れる長男の身を案じるゲインズ。そしてそんな二人の間で母として、妻として悩むグロリア。そしてやがてゲインズが仕事から退く日がやってくる。引退後、彼が思っても見なかった日がやってくる。自分と同じ、黒人が大統領として立候補したのだ…。

設定そのものはネタバレというより、アメリカ人なら見なくてもわかる。アメリカの戦後史をそのままたどっているようなものだからだ。ゲインズのモデルになった執事はいるが、市民権運動に没頭する長男ルイスの話や、途中で登場する妻のエピソードなどは完全なフィクションである。

ルイスの話を加えることで、黒人男性であるゲインズの生涯と並行して、アメリカの市民権運動の歩みが生々しく語られているのである。



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授業二回目とスローステップ

  • 2013.09.10 Tuesday
  • 23:22
週が開けて今日、火曜日は大学で新年度二回目の授業。ピアノの個人レッスンも今日からスタートした。三人のピアノの学生のうち、一人は四年生で、来学期には卒業リサイタルを控えている。

新一年生の聴音・ソルフェージュの授業では、これからの聴音に備えて記譜法の復習をした。こちらの大学(音楽科)では、通常専門の実技だけでオーディションを受けるため、ソルフェージュや聴音は未体験の新入生がほとんどである。その中でも高校で音楽理論をやった子などは多少わかっているが、楽譜というものをまったく書いたことがない学生は少なくない。そこで、学期初めに記譜法を簡単に復習しないと、聴音が出来ないのだ。

今日は簡単なクイズ(ほとんどが二択か三択)で一番ベーシックな記譜法のルールクイズに答えてもらい、皆で一緒に答え合わせをした。今年の一年生は出来がいい。正解率が非常に高かったので、ちょっと安心した。

続いてリズムの記譜法。こちらではけっこう間違いが続出した。難しいのは八分音符のつなぎ方である。八分音符や、それ以上(十六分音符など)は二個以上をつなぐことが出来る。日本語では連桁(れんこう)、英語ではこれをBeamと呼ぶ。このつなぎ方にもちょっとルールがあるのだ。これを間違える学生は非常に多い。

この復習をやっている時に、「記譜法、読譜の勉強は言語を習うのと同じようなもの」という話になった。長年かけて確立されてきたシステムである記譜法のルールは、理屈が通っていてわかりやすい(書きやすい、読みやすい、わかりやすい)がほとんどだが、中には現代の私たちから見て理由がわからないものもある。そして、現在はコンピュータによる製譜ソフトの普及により、ボーカル用のスコアの記譜法が少し変わってきているのだ。

しかし、基本的な記譜法は17世紀に確立されたものが今でも使われている。英語がこの300年間に変わってきた、その変化に比べるとまったくと言っていいほど変わっていないのだ。それは、当時の音楽を、今の私たちが演奏し続けていることも大いに関係があるのだが…。

などという話で学生たちも熱心にディスカッションに参加してきて、かなり生き生きとしたクラスになった。わずか二回目の授業で、それぞれの持ち味も見えてきて、これはいいグループになりそうだ、と嬉しくなる(笑)。

さて、授業が終わったあと、大学の近くにたくさんある色々な大型量販店やスポーツ用品店を何軒か回る。私が探していたのは、スローステップ用のステップ台だ。しかし、今やエクササイズの主役はヨガ。巨大なスポーツ用品店のフィットネスコーナーに行っても、昔のステップエアロビクス全盛時代にはどこでも売っていたあのステップ台が無いのだ。

アメリカでは完全に時代遅れのものになってしまったんだなあ、としみじみ時代を感じる(笑)。しかし、大学と音楽教室が始まって忙しくなってしまうと、夏休みのようにせっせとジム通いをするのは難しい。過去二年は、それで運動を怠けて体重が増えてしまったので、今年度は、家で続けられるエクササイズをしよう、と決めたのだ。ジムでやっているようなしっかりしたウォーキングは大学で教える日は無理かもしれないが、それはオフの日や週末にして、疲れている日でもちょっとだけでいいから体を動かすオプションが欲しかった。

スローステップは前からやっていたが、私はWiiのWii Fitのステップ台を使っていて、これでは低すぎて負荷がほとんどかからないため、効果がなかった。それで高さが20センチあるステップ台を探していたのだ。

アマゾンくらいしか売っているところがみつからないが、評判がいいアイテムはかなり高価でどうしようかなあ、と思い、とりあえず大学の近くの大型店舗をみんな回ってみた。

そうしたら、最後にあったのである。Gold Gymのものだが、高さも調節できて、一番高いのが20センチ、と私の目的にぴったりだ。

価格も、量販店なのでリンク先より10ドル安くなっており、比較的リーズナブルに入手することが出来た。

スローステップは一度に10分、これを一日に2-3回ということなので、まずはこれを心がけてやってみよう、と思う。それこそ「あまちゃん」を観ている間にでも(笑)。

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最後にこのブログに掲載されている写真、文章などすべての内容の転載は固くお断りします。どうかご遠慮ください。

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