ボストン美術館続き:摺物・サージェント・
- 2013.07.05 Friday
- 23:56
JUGEMテーマ:美術館に行ってきました
侍アートの展示を観終えて、次は別棟にある日本美術のコーナーへ。私がボストンに来たばかりの頃(24年前)は、アジアコーナーの大きな部分を占めていた日本美術だが、近年はどんどん他のアジアの美術品の展示が増えてすっかり常設展示が減ってしまった。多様性を重視しての方針だから仕方ないのだが、多くの素晴らしい日本美術コレクションが秘蔵になってしまって、たまにしか観られないのは残念なことである。
浮世絵も昔は名所江戸百景の数々が常設展示されていたし、ボストン美術館の名を一躍日本で有名にした平治物語絵巻もいつでも観られたのだが、それも昔の話。
浮世絵はその時その時でテーマを組んで、小さな部屋に展示されるようになった。今公開されている浮世絵のテーマは「摺物(すりもの)」。摺物についての説明はこちらをどうぞ。
サイズも色々あったようで、絵葉書くらいのサイズのものを当時のファンが集めたスクラップブックさえあった。何ページにもわたって色々な絵が貼り付けてある。
八島岳亭による「久かた屋仲の町」は、吉原の大通り、正月二日に仲の町を練り歩く五人の花魁の姿を描いたもの。顔はどれも同じに見えるが(苦笑)、衣装やポーズなどはそれぞれに違っている。これはその一つ、扇屋の花魁、末広の姿。
こちらは窪俊満による「赤本尽くし 舌切り雀」。
こちらは窪俊満による「赤本尽くし 舌切り雀」。
侍アートに合わせてか、ここでも少し侍文化に関係する美術品が展示されていた。昔は常設展示で私のお気に入りだった根付。アメリカ人の夫に説明すると、「なるほど、これが日本人が好きな携帯ストラップの起源だね。昔から色々ぶらさげるのが好きだったんだ」と(笑)。
伊藤若冲の白鸚鵡の掛け軸。前に浮世絵コーナーで観たのとちょっと似ている。
刀の鍔をデザインにあしらったすずり箱。
能衣装
伊藤若冲の白鸚鵡の掛け軸。前に浮世絵コーナーで観たのとちょっと似ている。
刀の鍔をデザインにあしらったすずり箱。
能衣装
日本美術を見終わって、さて、アメリカンウィングへ行こうか、と踏み出したところで非常ベルがなり、突然避難命令が出た。火災報知機が作動したらしい。訪れていた見学者も、スタッフも全員外に非難して、照り返しの強い駐車場や道で待機となった。30度を超え、湿気も高いかんかん照りの外でしばらく待つ羽目になったが、幸い10分ほどで解除され、また中に入る。