読書レビュー:「闇の掟―公事宿事件書留帳」京都の侍と人情と。

  • 2013.04.22 Monday
  • 22:40
JUGEMテーマ:読書

澤田ふじ子さんという人の作品を読むのはこれが初めてである。

テレビジャパンで、NHKで以前放送したこの小説のドラマバージョンをやっていたのを二話ほど観る機会があり、なかなかいい感じだったので原作が気になって一巻を購入してみた。

公事宿(くじやど)という、江戸時代独特のビジネス。地方から裁判所に出てきて民事裁判を行う人々の宿泊所であり、彼らの書類作成を手伝う弁護人でもあった公事宿という場所が舞台であるが、江戸ではなく、京都、というのがちょいと面白い。

時代小説でよくある歯切れのいい江戸っ子言葉ではなく、公事宿の主人鯉十郎もおかみも、はんなりした京都弁である。

そこに居候しているのが、京都の町同心の生まれの菊太郎。長男として生まれたが自分の出生の事情から家を出てここでぶらぶらしている。

しかし、鯉十郎に頼まれたり、同心である弟に協力したりして、色々な事件を解決していく菊太郎の活躍ぶりを描く連作短編集である。

人間関係が実に細やかに描かれており、ドラマほど明るいほのぼのした感じではないが、読後感はすっきりしている。20巻まで出ているということなので、これも少しずつ読んでみたい。

ボストンマラソン爆破事件その後

  • 2013.04.22 Monday
  • 08:37
JUGEMテーマ:アメリカ生活

悪夢のような一週間が終わった。

先週の月曜日の午後に起きた、ボストンマラソンゴール地点での爆発事件。

170人以上の負傷者と3人の死者を出す惨事となった。

その後木曜日夜には現場で撮影されたビデオや写真容疑者の顔写真が公開された。

その二人が隣のケンブリッジ市でカージャックを行った。その後警官と銃撃戦となり、一人を射殺し、二台の車に分かれて逃走。ケンブリッジに隣接するウォータータウンに逃げ込み、そこの住宅街で再び警官と銃撃戦になる。銃撃だけでなく、ボストンマラソンで使用したのと同じ、圧力鍋を使った爆弾や手製の手榴弾も投げての抵抗らしい。

この銃撃戦で犯人の一人が重傷を負い、警官に取り押さえられそうになる。すると、もう一人は車の一台に乗り、警官と重傷を負った相棒に向かって突進。警官はかろうじて逃れたが、車で相棒を轢いて逃走。これが木曜日深夜の出来事だ。轢かれた犯人はその後病院へ搬送されたが死亡。

ウォータータウンにはマサチューセッツ州東部全域から警官が駆けつけ、州警察や軍隊も出動。ネズミ一匹逃がさぬよう包囲網が敷かれる。逃走に使った車はすぐに近所で乗り捨てられているのが見つかったため、最初の銃撃戦の現場からすぐ近くに隠れているものと見られた。

念のため、ウォータータウン、ボストン、ケンブリッジなど周辺の幾つかの市町村には外出禁止の要請が出された。そして長い金曜日が始まった。

幸いこのエリアでは、この週は春休みで、公立の小中高校はすべてお休み。エリアの大学や私立の学校も相次いで休校となる。

そして犯人二人の身元が判明。死亡し阿野はチェチェン出身で現在は米国籍のタルメラン・ツァルナエフで、逃走したのはその弟、ジョハル・ツァルナエフ。

ジョハルはボストンから100キロほど離れたところにある州立大学の学生だった。爆破事件の翌日である火曜日にはキャンパスで姿を目撃されている。そのため、この州立大学では金曜日、捜索のため大学を閉鎖、寮からもすべて学生を退避させた。

金曜日はボストニアンにとって長い一日だった。仕事にも行けず、テレビの生中継で様子を見守るのみ。

そして夕方、日没後まもなく、外出禁止令が解除されてすぐ。前夜の銃撃戦の場所から数ブロック離れたところに住む住民が、裏庭に置いてあるヨットのカバーの下に血痕を見つけて警察に連絡。再び多数の警官がその場所を包囲。

銃声が閑静な住宅街に再び響き渡った。そして銃撃戦の末、重傷を負ったジョハル・ツァルナエフを拘束。

12時間以上にわたる追跡がやっと終了した。

ボストンにとって、この一週間は試練の一週間だった。

ボストニアンたちは団結し、助け合い、励ましあった。

そしてアメリカ全国から、世界から寄せられた励まし。

宿敵ニューヨークヤンキースは火曜日のホーム試合でレッドソックスの応援歌であるニール・ダイアモンドの名曲、「スイート・キャロライン」を歌い、エールを送った。

土曜日のレッドソックスのホーム試合にはニール・ダイアモンド本人が登場した。カリフォルニアから突然やってきて当日球場にアポ無しで現れ、ボストンのために「スイート・キャロライン」を歌いたい、と要請したのだ。

レッドソックスの主砲、デビッド・オルティズ選手は負傷から土曜日、シーズン初の出場。セレモニーの生中継で感激のあまり放送禁止用語を口走ったが、全米放送協会の会長は罰則を適用しない、と宣言。

その他本当にあげればきりがない。

その一方で南部の右翼保守政治家の中には荒っぽいボストニアンの神経をさかなでする発言もあった。

まだ真相が明らかになる(のであれば)のはこれからだし、負傷者たちの回復もこれから。ボストンが心に受けた傷は深い。

しかし犯人の一人が少なくとも生きて逮捕されたこと。住宅街の銃撃戦で市民の巻き添え犠牲がなかったことなど、今回の対応は賞賛に値する。

ボストンは学術都市のようなイメージがあるが、同時に労働者階級も多く住んでおり、いわゆる生粋のボストンっ子は昔からの下町気質が強く、荒っぽい。愛想はないが、何かあったときの団結力はすさまじいものがある。

今回の悲劇はボストンのそういう団結力をもよく示す機会となった。

ジョハル・ツァルナエフ容疑者は意識を取り戻し、筆談で尋問に答えているということだ。早く少しでも真相がわかることを祈っている。

読書レビュー:諸田玲子「あくじゃれ」アンチヒーロー瓢六の登場

  • 2013.04.16 Tuesday
  • 15:07
表紙がちょっと色っぽいのでドギマギしてしまうが…。

お鳥見女房シリーズでファンになった諸田玲子さんの作品をもうちょっと色々読んでみようか、と思い、購入した。

瓢六は江戸で遊んでいる博徒だが、ある強請り事件に加担して牢に入る。しかしそこで、同心の弥左衛門に協力して犯罪捜査をすることになった。

口八丁手八丁の瓢六だが、弥左衛門が調べたところによると実はなかなかの経歴の持ち主。蘭学を修め、オランダ語の通詞(通訳)までしていた長崎の商家のボンボンらしいのだが、今はすっかり身を持ち崩してごらんの通り。芸者のお袖に養ってもらっている。

言って見れば悪党なのだが、憎めない愛嬌があり、最初はイライラしていた弥左衛門でさえ、自分の恋愛指南を頼むほど、すっかり手なづけられてしまった。

一章ごとに独立したミステリーになっていて、最後は無事に牢を出ることになる瓢六だが、それまでは与力の菅野の許可により、捜査のために牢を出て、解決するとまた牢に戻る繰り返しである。牢の中だからこそ解ける謎もあり、なかなか面白い。

お鳥見女房は女性が主人公、彼女を取り巻く家族や友人たちの悲喜こもごもで、ヒロインの夫や息子がお役目で命がけの目に合うことはあっても、物語全体のトーンはもっとほのぼのとしているが、この瓢六捕物帳の方はもっと大人向け、男性向けという感じである。

色恋沙汰もお鳥見女房よりはちょいと生々しいし、弥左衛門と瓢六が取り組む事件ももうちょっとダークであったりする。だから読後感もかなり違う。

色々なスタイルで書ける作家なのだなあ、とあらためて感心した。続きも読んでみたい。

ボストンマラソンで爆発事件発生

  • 2013.04.15 Monday
  • 19:33

もう日本でも既に報道されている通り、五時間近く前、ボストンマラソンのゴール地点、ボストン市内のコープリースクエアで明らかに仕掛けられた爆弾による爆破事件が起きた。見物人が一番多いエリアでのことである。爆発したのは二ヶ所、その距離はお互いから20メートルから30メートル程度と近い。

現在、ボストングローブ紙によると、負傷者は107名以上、そのうち生命の危機にさらされている重傷者も少なくない。死者は2名。一人は八歳の子供だと言う。

マサチューセッツ州独自の祭日、Patriots Dayに行われるボストン・マラソンは、アメリカの独立戦争発祥の際、ボストンから近郊(そして最初の戦闘地となった)レキシントン・コンコードまで夜通し馬を走らせて英国軍が来ることを継げた、ポール・リビアと他の愛国の勇士たちの偉業を記念して始まったものである。

国際的にも有名なマラソンであり、同時に、北国のボストンにやっと春が訪れ、花が咲き始めるシーズンでもある。春を祝い、アメリカ誕生のきっかけとなった出来事を思い出し、ボストニアンたちはこの日を謳歌する。

それが、テロリズムの標的になるとは…。アメリカ独立のきっかけとなった町であり、アメリカ人にとって、ボストンへの思いいれは非常に強い。9/11の時もボストンが次の標的になる、と恐れられたものだ。

今回のテロが誰によるものなのかは、まだわからない。アトランタのオリンピック広場爆破事件のように、頭がおかしいアメリカ人によるものかもしれないし、狂信的なイスラム教徒テロリスト集団による爆破の可能性もある。これは捜査を待つしかない。

数名の友人が走っていたが、彼らはいずれも無事であり、応援していた家族や友人も無事だったようで(みんなフェースブックで報告してくれた)、ほっとしている。

しかし、犠牲になった罪も無い人々のことを思うと悲しくてやりきれない。犠牲者のご冥福、負傷者の回復を祈る。一日も早く、卑怯な犯人が捕まりますように。そして一人でも多くの人が助かりますように。ボストン市内には最先端の医療技術を誇る大病院が多数ある。犠牲者はみなちゃんとした手当てを受けているはずだ。

また、交通規制などで戻れなくなったランナーや応援者のために(ボストンマラソンは出発地点がボストンから真西に行ったホプキントンという小さな町)、ボストン市内の人たちがGoogle Docで自分たちのアパートを休憩所として開放する申し出も行われている。

これから捜査がどのように展開していくかわからないが、ボストン最大のお祭り日はこんな悲劇になってしまったことが本当に悲しく、憤りにたえない…。

しかしボストンは負けない。ランナーたちの中にはゴールに到達するや否や、回れ右して病院へ走り、献血をした人々もいる。ランナーの中には医者や看護士もおり、彼らは現場へ走ったという。上記のように、近辺の住民たちもこのエリアに閉じ込められた形になってしまったランナーたちに自宅を開放している。

ニュースを見ていたら、20年以上会っていなかった、ボストンでの最初の学校で一緒だったアメリカ人の友達(カリフォルニア在住)から電話をもらった。大丈夫?今でもアナタのこと、よく思い出すのよ。今度ボストンに行ったら会いましょうね、と。

フェースブックでも遠くにいる多くの友達から気遣いの言葉をもらった。ありがたいことである。

1775年4月19日の早朝、マサチューセッツ州レキシントンでアメリカ独立戦争最初の戦闘が行われた。アメリカはそれから色々な困難を乗り越えてきた。今日はその歴史を祝う日であったが、はからずも、その自由と平等の理念に唾棄する卑怯な行為を目撃する日となった。

テロに屈してはならない。暴力で自分の意見を通そうとする人々に屈してはいけない。

ボストンは負けない。

読書レビュー:しゃばけシリーズ9作目 「ゆんでめて」

  • 2013.04.13 Saturday
  • 11:42
JUGEMテーマ:時代小説読書

大好きな「しゃばけ」シリーズの第9作目。

今回は今までにも増して趣向を凝らしたストーリー運びになっていた。一つ一つのお話も面白かったが、全体で大きな謎のようになっていて、最後まで読むと一瞬??となる(笑)。

大好きな妖(あやかし)の一人がいなくなってしまい、若旦那の一太郎同様、読者の私もずいぶん気を揉んだ。しかしストーリーは全然関係ないところで進んでいくように見えて最後はちゃんと落ち着くところに落ち着く。

同じような手法ではDavid EddingsのDreamersのエンディングがあり、これは彼の他の作品に比べるとかなり不評だったのだけれど、「ゆんでめて」の方は上手に構築されているので無理やり感もなく、ほほえましい気持ちで本を閉じることが出来た。

一太郎の優しさ、身体の弱さとは裏腹な一本筋の通った心の強さがあればこその、しゃばけのお話。そんな一太郎を愛する妖(あやかし)たちや周囲の人々あっての「しゃばけ」シリーズ。今回も期待を裏切らず、読み応えのある巻だった。

読書レビュー:時代ホラーの真骨頂、宮部みゆきの「おそろし」

  • 2013.04.12 Friday
  • 23:07
評価:
宮部 みゆき
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 740
(2012-04-25)

JUGEMテーマ:読書時代小説

読んだ順番と逆になるがこちらの本から先に。

宮部みゆきの時代小説は大好きで、文庫本が出ればできるだけ買うようにしている。「ぼんくら」の平四郎と弓之助シリーズも大好きだし、ホラーっぽい「あかんべえ」や霊験お初のシリーズも好きである。

「おそろし 三島屋変調百物語事始」は、霊験お初のようでもあるし、「あかんべえ」のようでもある、ホラーミステリーである。一編一編がそれぞれ短編のようなお話でもあるし、しかしそれぞれの物語が最後には一つにまとまって、一気にクライマックスへと進んでいく力強さだ。

主人公のおちかは、10代という若さで、自分で手を下したのではないにせよ、ある恐ろしく悲しい殺人事件に自分が関わってしまった。それ以来罪の意識に苛まれ、自分を責めながら、実家を離れ、親戚の店で働いている。そんな彼女を救おうと、叔父の三島屋伊兵衛は、ある変わった趣向を思い立つ。おちかのように暗く恐ろしく、また不思議な体験をした人々が三島屋を訪れ、おちかにその体験を語って聞かせるのだ。タイトルにある「百物語」は昔の習慣だが、三島屋では昼間に人が一人ずつ訪ねてくる形をとっている。

彼らの話を聞くことで、おちかは少しずつ自分の過去と向きあい、そして心をほぐしていく。そして最後に実家から兄が訪ねてきたことをきっかけに、おちかはまだ生きているある人と、迷える魂を救うべく、自分の過去を正視して、苦しむ魂を飲み込むある存在に立ち向かって行く。

私が宮部みゆきの時代小説を好きな理由は、その「語り部」としてのストーリーの上手さだけでなく、人の心の暗部を容赦なく描くと同時に、そこに必ず「救い」を残していることではないかと思う。

三島屋にやってくる人々の物語はどれも悲しい。人の醜い心が起こす事件。人を思う余りの執着が起こす事件。どれも結果は辛く、むごい。しかし、その中から人は語ることで、聞いてもらうことで救いを見つける。そして、死者も…。

つらい思いを残して死んだ人がどのように救われていくのか?色々な宗教でそれぞれ人は答えを出そうとしてきた。宮部みゆきがこの作品や「あかんべえ」で描いた世界も、それは一つの解釈といえよう。フィリップ・プルマンのファンタジー小説「ライラの冒険」三部作の第三巻、「琥珀の望遠鏡」も一つの解釈を示していた。

本当のことは誰にも生きている間はわからない。でも、それは生きている人たちのための解釈であり、物語である。

辛い思いを抱えて真摯に生きてきたおちかの若い心は、この経験を通して前に進めるようになった。読み応えのある、いい時代ファンタジー小説だった。続編も出ているようなので、文庫化されてから購入する予定だ。


最近の読書

  • 2013.04.10 Wednesday
  • 09:02
JUGEMテーマ:読書

ブログに書きたいネタは色々あっても、なかなか時間がない今日この頃。

最近読んでいる本のことで書いてみよう。

昨年暮れに買って愛用しているkobo gloで青空文庫の本も読めることがわかった。アメリカでのkoboブックストアのアカウントからダウンロードすることは出来ないので、自分で直接青空文庫のウェブサイトからダウンロードしたテキストファイルを、フリーソフトで変換し、それをkobo gloの端末にPCからコピーする、というやり方だ。AozoraEpub3を使うと簡単に出来る。

kobo gloの言語環境を日本語に切り替えないと日本語フォントが使用されず、文字化けしてしまうのでそこだけ最初戸惑ったが、使えるようになるとけっこう便利だ。

ただ、連作短編などは、青空文庫では、それぞれ独立したファイルになっているので、自分でまとめて一つのファイルにするか、他の人がまとめてどこかのウェブサイトにアップしているものをダウンロードさせてもらったりしている。

自分でまとめて今読んでいるのが、長谷川時雨の「旧聞日本橋」。明治初期、日本橋に生まれ育った著者が当時の思い出や町の様子をつづっているもので、これが実に面白い。まだまだ江戸時代の様子が色濃く残っている人々や町。

他の人がまとめた青空文庫の電子書籍では、「曇天文庫」さんや、「楽天kobotouch非公式wiki」の「長い青空文庫」などのウェブサイトが便利。ダウンロードしてそのまま使える。ただし、普通のepubファイルの場合は、ファイルの拡張子の前に「.kepub」と入力する必要があるようだ。

「曇天文庫」さんは表紙も工夫されていてとても綺麗。読むのが楽しくなる。この場でお礼申し上げます…。

その他、今年からパブリックドメインになった吉川英治の「私本太平記」もただいま読書中だ。同作者の「宮本武蔵」もダウンロードしてある。この人の作品はこれから続々と青空文庫に登場するようで、とても楽しみ。

肝心の洋書の方であるが(笑)、こちらでは最近ずっと読んでいるのがMrs. Jeffriesのシリーズ。ヴィクトリア時代のロンドンを舞台にした時代ミステリーだ。いわゆるコージーミステリーというジャンルになる。

ウィザースプーン警部は心根が優しいが、犯罪捜査の才能はあまりない。つつましい家庭に育ったが、金持ちの伯母が亡くなり、立派な屋敷と莫大な遺産を相続した。そこで雇ったのが家政婦のジェフリーズ夫人。彼女は、ヨークシャーの巡査の未亡人で元々犯罪捜査に興味があった。犯罪捜査が苦手で戸惑う警部をこっそりと陰から助けるべく、メイドのベッツィー、馬丁のスミス、フットマン(男性使用人)のウィギンズ、コックのグージ夫人を指揮してこっそりと捜査を行う。近所に住み、ある犯罪の目撃者となってからウィザースプーン警部と段々親しくなる裕福な未亡人、ルースや、アメリカ人(同じく未亡人)で大富豪のルーティと彼女の執事、ハチェットも警部が捜査したある事件をきっかけに、ジェフリーズ夫人たちを手伝うようになる。

それぞれの得意分野を生かして聞き込みを行い、警部の片腕であるバーンズ巡査とも協力し、警部には気づかれないように捜査を助ける彼らの前には次々と難事件が現れる…。

というお話。既に30巻が出ており、今年はさらに二冊新刊が出るそうだ。

近所の古本屋で集められるだけ集めて(笑)、その後はkoboで買えるものは買い、という感じで集めてきて、今読んでいるのは最新刊のMrs. Jeffries Defends Her Own(下参照)だが、実は私のコレクションは真ん中がすっぽり抜けている状態だ。古いものの多くがどうやら廃刊になっているらしい。今は5巻から15巻がないという状態。電子書籍でも出ていないので、おいおい出てくることを期待しつつ、古本屋もこまめにチェックしていく予定である(笑)。

もう一冊並行して読んでいるのは、18世紀のロシアの女帝、エカテリーナ2世(キャサリン大帝とも)の伝記(下参照)である。数年前、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーにランクインした大長編。こういう本の時こそ、つくづく軽いkoboで読めることのありがたさがよくわかる(笑)。紙の本なら重たくてとても持ち歩けない。

読んでも読んでもなかなか読んだ割合(%表示)が一桁から先に進まなかったが、ようやく結婚して新婚生活まで話が進んできた。彼女が本当に活躍し始めるのはまだまだ先である。私はロシアの歴史には詳しくないので、この本は非常に面白い。

まだまだ欲しい本のすべてがkoboから出ているわけではないのだが、何しろ活字中毒の私にとって、何冊もの本が納められて軽いkobo gloは、外出の時の心強い味方である。今までは外出先でちょっと手持ち無沙汰になるとiPhoneをいじることが多かったが、今はkoboで読書する方が多い。おかげで読書量は格段に増えた。

kobo gloにしたのは、バックライト機能がついているからだが、思ったほどこの機能を使うことは多くない。なのでバッテリーもけっこう長持ちする。そして、外出先で重宝しているのが、このスタンドだ。日本だと多分下の製品になるのだろう。バッグにも入るコンパクトさで、便利なことこの上なし。

その他積読本多数。

最近日本から届いた本が数冊。こちらは紙の文庫本で、すべて時代小説。
  • 闇の掟―公事宿事件書留帳〈1」 (幻冬舎文庫) 澤田 ふじ子
  • ゆんでめて (新潮文庫) 畠中恵
  • おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫) 宮部 みゆき
  • あくじゃれ―瓢六捕物帖 (文春文庫) 諸田玲子 
  • 銀しゃり[文庫] (小学館文庫) 山本 一力

昨日からしゃばけシリーズ9作目の「ゆんでめて」を読み始めた。「あくじゃれ」は、「お鳥見女房」の諸田さんの作品で、お鳥見女房の文庫本はまだ未読の巻が出ていないので、代わりにこれを買ってみた。山本一力さんは「だいこん」でこれはすごい、と思わされた作者なので、楽しみである。「闇の掟」は、最近テレビジャパンで、これのドラマ化されたもの再放送しており、設定が面白いな、と思わされたのと、ドラマのキャストが良くてなかなかいい感じだったので、原作をチェックしてみたくなった。よく見ると山本さん以外は全部女性作家である(笑)。

今年は大学の授業が終わるのが早いので、五月からはもうちょっと読書がはかどりそうだ。それまでの三週間はかなりあわただしいので、多分ゆっくり読書は出来ないだろうけれど。

評価:
Robert Massie
Head of Zeus
¥ 2,810
(2013-09-01)

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最後にこのブログに掲載されている写真、文章などすべての内容の転載は固くお断りします。どうかご遠慮ください。

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