Hurricane Sandyとカボチャプリン
- 2012.10.29 Monday
- 08:26
記録史上最大の破壊力と規模を持つハリケーン・サンディがそろそろワシントンDCやフィラデルフィアの辺りに上陸する。
ハリケーンでこの辺りにこれだけの影響が出るのは珍しいことだが、どうやら今回は昨年8月にマサチューセッツ州の中部に壊滅的な打撃を与えたハリケーン・アイリーンよりもダメージが大きくなりそうだということで、バージニア州以北の米国東海岸の各州はそれぞれ戦々恐々として事態に備えている。
多くの停電や高潮が予想され、ニューヨーク市では海岸沿い(マンハッタン島南端も含めて)に避難命令が出た。37万5千人の人が住むエリアである。公共交通機関も昨夜からすべて運行停止中である。
マサチューセッツ州でも州知事が昨日非常事態宣言を出し、それまでに月曜休校を決めていなかったすべての市町村に休校を要請した。
私が教えている大学と音楽教室も今日は休校である。明日も天候とダメージ具合によっては休校になるかもしれない。うちの大学は海岸エリアなので、なおさら大きなダメージが予想されている。寮の学生に対しても、昨日、「実家に帰る手段があるものは今のうちに帰り、学校再開まで待機するように」と要請があった。近辺の町から来ている学生が多いから(こちらの大学生は実家が近くても寮に入りたがる。いわゆるキャンパスライフを謳歌したいからかな?)
この辺りが一番危険な暴風域に入るのは今から16時間くらいたってから、月曜日から火曜日にかけての深夜である。火曜日の午前中までその状態が続くと見られている。
現在朝の8時半だが、既に外は傘をさして歩くのは可能だがやや困難なレベル。車を運転するのは出来れば避けたい、という感じである。
ほぼ一週間後に迫った大統領選挙にむけて激しいキャンペーンを続けていたロムニー候補とオバマ大統領も一端活動を中止した。大統領は米連邦緊急事態管理庁(FEMA)と昨日ミーティングを行い、非常事態を宣言し、東海岸各州への支援を約束した。
我が家は八階建ての丈夫なマンションなので、こういうときは比較的安心である。唯一心配なのは停電。ろうそく、懐中電灯の充電、多少日持ちがする食料品の買出しなどをすませておいた。
この辺りの一軒家は通りや庭に大きな木が多いため、一番心配されるダメージはこれらの木が長時間続く暴風に耐えられず倒れるというパターンだ。家の上に倒れて屋根が大きなダメージを受けるパターンもあるし、これらの木が電線に倒れ掛かることで停電が各地で続発するのである。
うちの町は地形的に起伏が多いせいなのか、小さな町でも、歩いて五分くらいの距離でこういう天候によって受ける影響が大きく変わってくる。今まで我が家のエリアが停電になったり、大きなダメージを受けたりすることはあまりなかったので、今回も楽観しているのだが、まあ2日くらいは何とかなるように準備はしておいた。
一軒家の人たちはもっと大変である。庭や外にある家具(バーベキューグリルや椅子、テーブル、子供がいるうちは大型のおもちゃなど)をすべてしまいこみ、地下室のポンプ(水を吸い上げる)が機能しているかどうか確かめる。シャッター(日本の雨戸のようなものだが、普段は壁にとめてある。こんな感じ)を閉じる場合もあるし、海沿いの人たちは入り口にサンドバッグを置いて浸水を防いだりもする。
この週末、スーパーマーケットやホームセンターは食料品や乾電池などを買い求める人でごったがえした。昨年のアイリーン台風では一週間以上停電が続いた地域もあるので、人々はかなり敏感になっているのである。しかも今回はアイリーンよりさらに規模が大きいということでなおさら不安が募る。
電力会社でも設備と労力を総動員して停電に備えているそうだ。こういうときの停電は、各地で木が倒れて電線や電柱にダメージを与えるパターンなので、一ヶ所一ヶ所回って地道に修理していくしかない。広範囲にわたればわたるほど、回復に時間がかかるのだ。ある程度の被害は避けられないのだろうが、どうか最低限ですみますように。
さて、休校とか嵐とかそういうことになると家にこもってあまりやることがなくなる。そんな時には何か料理でもするのが一番いい。というわけで、今回は旬のバターナッツカボチャを使ってプリンを作ってみた。