ハリケーン・アイリーン通過

  • 2011.08.29 Monday
  • 09:35
JUGEMテーマ:アメリカ生活
日本でもニュースになったハリケーン・アイリーン。

数日前からボストンを直撃しそうだ、という予報があり、戦々恐々として迎え撃つ準備が行われた。

マサチューセッツ州通過は日曜日と予報され、金曜日から土曜日にかけて、停電に備えて買い物をする人たちで、ろうそく、懐中電灯、単一・単二電池の売り切れが続出した。また、暴風による被害を最小化するため、テラスやベランダ、庭の家具やバーベキューグリル、ゴミ用の大きなバケツ、庭のホースなどをしまいこむ作業で、土曜日は皆忙しかったようだ。

一軒家では、ちょっと低い土地では、大雨が降ると必ず起こる地下室の浸水を防ぐため、排水ポンプの準備も重要である。

私と夫は実はこの日曜日、タングルウッド音楽祭のシーズンフィナーレに行く予定だった。演奏曲目はベートーヴェンの第九。といっても、自分でチケットを買ったわけではなく、仕事がらみの知り合いの方が企画していた日帰りツアーに急に行けなくなったため、チケットをいただくことになっていたのである。

二日前にその方から連絡があり、ツアーは中止になったという知らせだった。当然だろうと思ったのだが、驚いたのは、タングルウッドは予定通り上演する、と宣言していたことだ。そうなると当然返金は無し。チケットを買ってもこれだけの規模のハリケーンの中、命がけで運転していくお客さんはそうそう多くないだろう。上演するなら当然返金もないわけで、チケットの買い損になってしまう。

いくら屋根つきとはいえ、タングルウッドは屋外コンサートである。横殴りの雨が吹き込んでくれば、シェッドと呼ばれる屋根つきの客席でもびしょぬれになるだろうし、暴風になればかなり危険である。しかも、駐車場は舗装もされていない土の上。
(タングルウッド音楽祭はボストンから西に高速で二時間半の田園地帯で開催されているので、公共交通機関で行くのは不可能。それ用のツアーバスか自家用車で行くしかない)

しかしタングルウッドに問い合わせたら、
「タングルウッドは1937年に創立されて以来、一度も演奏をキャンセルしたことはありません。天候を理由にいらっしゃらないのはご自由ですが、それはお客様の選択ですので返金は一切いたしません」
という返事だったそうなのだ。

厳しいねえ(笑)。
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ボストン美術館・アメリカンウィングPart 2

  • 2011.08.24 Wednesday
  • 21:26
JUGEMテーマ:美術館に行ってきました

先日、ボストン美術館で昨年の秋にオープンしたアメリカンウィングから、一階のコレクションの一部をご紹介した。

今回は再びの訪問。今回も自由に見られる時間は1時間ほどだったので、アメリカンウィングの二階に集中して見学してきた。こちらも美術品と工芸品をうまくミックスした素晴らしいディスプレイで、工芸品が大好きな私にはたまらない。
(写真はすべてクリックで拡大します)

まずは、これ。ちょっとぶれてしまったが、1860年代に作られた食器と飾り棚。上部の鹿の頭も木の彫刻である。銀器とクリスタルも素晴らしい。




この絵は昔から好きで、おっ、ひさしぶり!と旧友に会ったような懐かしい気持ちになった。Harnett(ハーネット)という画家のOld Modelという絵(1892年)。生で観ると写真のようにリアルで、立体感があり、少し離れて立つと、二次元の絵とは思えないのである。実物が壁から下がっているように見えて仕方ない。


その隣の絵も昔からのお気に入り。Mount(マウント)という画家によるBone Player(Boneは骨で出来た打楽器で、それを奏でる人という意味)という絵(1856年)。



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夏の味覚と猫たちの夏

  • 2011.08.22 Monday
  • 22:40


八月も下旬となり、大学の新学期も近づいてきた。そろそろ本気で準備を始める時期である。

そんな中でもまだまだ楽しむ夏の味覚。今はまっているのが新鮮な豆と夏野菜を使ったサラダである。



ファーマーズマーケットや農家の直売所で現在手に入るのがクランベリービーンズやFava Beans(ソラマメ)などである。サヤインゲンも今が旬。クランベリービーンズはこのあたりのファーマーズマーケットで必ず見かけるもので、白とピンクの綺麗なさやである。



さやが少し乾燥しているくらいのものがちょうどいい。中の豆を出してみるとこんな感じ。



大理石のように白とピンクがまざってとても綺麗。これを沸騰したお湯に入れ、火を弱めてことことと10分ほどゆでる。残念ながら、茹でるとこの綺麗な色は消えてしまって、薄いグレーになるのだが、英語で言う「buttery」バターのような、つまり、ねっとりとしたいい味の豆である。味付けはほとんどいらないくらいで、この茹で汁でスープを作るのがこちらの伝統的レシピだそうだ。

そして、Fava Beans。大きなサヤ入りの豆で、今までは得体が知れなくて、手を出したことがなかった。この日はなぜか、買ってみようという気になったのである。帰宅して調べてみたら、なんだ、ソラマメだったのか(笑)。

というわけでサヤから出して、皮に少し切り目を入れ、塩を少し入れたお湯を沸騰させて2分茹でる。つるっと皮をむいたら、こんなに鮮やかな緑色。



これに同じくファーマーズマーケットで買ったトマト(種を取り除いて切る)、とげはないが、日本の胡瓜に似た食感で小さいペルシャ胡瓜(種をのぞいて切り、少し塩をなじませてからよく洗い流して水気をしっかり切る)、さっとゆでて2センチくらいの長さに切ったサヤインゲン、ゆでてから包丁で切り取ったコーン、刻んだ赤玉ねぎ、そしてカリカリに焼いて脂をよく切ったベーコンを混ぜる。豆の味が濃いので、味付けはレモン汁(多めの方がおいしい)と、マヨネーズ(中サイズのボール一杯のサラダで大匙1杯半くらい)で十分。

この日の夕食はこのサラダと、ミニサイズのハンバーガー(スライダーと呼ばれる)、ゴールデンビーツのすっぱいサラダ、新鮮なトマトとスナップエンドウ。ほとんどの野菜はファーマーズマーケットで買った地元の新鮮なもの。
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声楽ワークショップ

  • 2011.08.20 Saturday
  • 21:38
JUGEMテーマ:日記・一般

八月の二週目から、ボストンの南、車で高速を45分ほど行ったところにある小さな町で毎夏開かれている声楽ワークショップの仕事をしていた。二週間のこのワークショップは、主に高校生(中学生、大学生もごくたまに参加する)を対象にしたもので、この町近辺に住む、二人の声楽の先生、CとMによって開かれている。

一昨年は先生の一人に事情があって開催できず、昨年は私の事情で参加できなかったので、今年は三年ぶりである。この二人の先生の人柄がとても好きで、久しぶりに会って一緒に仕事をした二週間は、本当に楽しかった。

今年の参加者は15人、そのうち男子が3人である。二週続けて月曜から木曜までの四日間朝9時から午後3時まで、ランチ休憩の30分をのぞいてはびっしりとマスタークラスやリハーサルが続く。最終日、二週目の金曜日には午後から通し稽古があり、夜にはコンサートが行われる。

このフェスティバルは、声楽ワークショップのほかに、夜、コーラスもやっており、そのコーラスと一緒のコンサートである。

二週間でたくさんのレパートリーを覚え、振りつけや演技もつけて上演するのだから、生徒たちも大変だし、先生方も大変である。私の仕事は、もう一人のピアニストと分担しての、コーチングと伴奏である。

こちらで声楽のレッスンを受ける高校生のほとんどは、ミュージカルをやるためにレッスンを受けていることが多い。なぜかと言うと、アメリカの公立高校の多くは演劇活動が盛んで、毎年ミュージカルを上演するところがほとんどだからだ。

大学で声楽科に進む子も、最初はミュージカルから目覚め、その後レッスンを通してクラシックを志すようになった、という子がほとんどで、最初からクラシックやオペラをやりたくて、というのはごく少数派である。ミュージカルの本場であるアメリカだけに、学校によっては中学からもうミュージカルをやっているところもある。

だから、高校生でも、もう何度も舞台に立っている、という子は多く、大学でミュージカル専攻で歌や踊り、演技にさらに磨きをかけ、そしてプロを目指していく、というわけだ。蓄積が違うのである。

今回のワークショップでも、既に学校や、市民劇場で色々な役をこなしてきたツワモノたちも数名いた。こう書くと、日本でも劇場公開やテレビ放送されたディズニーの「ハイスクール・ミュージカル」のような人間関係が展開するのか、と思われるかもしれないが、そんあ心配はご無用。まあみんな仲良しで微笑ましかったこと(笑)。
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ロブスターサンドイッチとボストン美術館の新アメリカンウィング

  • 2011.08.06 Saturday
  • 21:39
JUGEMテーマ:食べある記|グルメ美術館に行ってきました

今日はガイドの仕事で一日外歩き。珍しくランチがクインシーマーケットで自由行動、ということで、実にひさしぶりにお気に入りのシーフード屋台に行った。いつもだと暑いし、冷房が効いた普通のレストランに入ってしまうのだが、今日はあまり時間もないし、ひさしぶりのクインシーマーケットだったのでちょっと店も見たいし、というわけで暑い中、フードコートにあるこのシーフード屋台のカウンターの椅子に滑り込む。ちょうど空席があってラッキーだった。

クインシーマーケットのフードコートは細長い建物の中にずらりと両側に屋台が並んでいる。そして建物の中央が丸いドーム屋根の吹き抜けになっており、そこにテーブルと椅子が並んだカフェテリアになっているのである。屋台から好きな食べ物を買ってカフェテリアで食べるセルフサービスだが、夏休みの週末ともなると大した混雑ぶりである。私がお気に入りのこのシーフード屋さんには珍しくカウンターがあって、ここならビールも飲めるのだ(笑)。私はお酒は飲めないので食べるだけだけれど。

この屋台、Boston & Maine Fish Companyと言って、私が最初にボストンに来た1989年当時からこのクインシーマーケット内にある。競争が激しいので、しょっちゅう入れ替わっているこのフードコートの中では老舗中の老舗だ。ファニュアルホール側の入り口から入ってすぐ、右側にある。

ここのクラムチャウダーはボストンエリアで一番美味しい、と私は勝手に思っている。(あくまで私の個人的意見です)そして、ここのアメリカンスタイルシーフードはどれも美味しい。オイスターなども楽しめる。

しかしこの時期私のお目当てはもちろん、ロブスターロール(ロールパンにロブスターサラダをはさんだもの)。季節限定であることが多く、7月から8月にかけてしか食べられないこのサンドイッチ。レストランで食べるとたいてい20ドル以上するし、テイクアウトでも19ドルから21ドルくらいが普通である。

ところが、このお店では夏のスペシャルで、これに小さいサイズのクラムチャウダーがついて、なんと18ドル!ロブスターロールのサイズもしっかりしている。


やわらかいハサミ部分の肉をふんだんに使ったこのロブスターサラダ。丸ごとのロブスターはもっと高いし、おまけに多すぎて私には食べきれないので、私にとっては、ロブスターロールが一番好きな食べ方なのである。まさにボストンならではの夏の味覚。

すっかり堪能した。ああ、美味しかった(笑)。この屋台で食べたのは、実は15年ぶりくらい。クインシーマーケットに来るときはガイド仕事で来ることが多いし、そういうときはランチもたいていお客さんと一緒にレストランで同じものをいただくことになるので、なかなかこの屋台で食べる機会がないのである。

そしてこの日は、午前中、ボストン美術館にも行った。ここでも少し自由時間があったので、昨年大増築が終わってオープンしたばかりの新アメリカンウィング(南北アメリカ大陸の国の作品を集中的に展示)の半分だけ見学し、写真を撮ってきた。広々したスペースで、前に観たことがある作品も、展示の様子が変わってとても鑑賞しやすくなったのである。

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