2010年のサンクスギビング

  • 2010.11.26 Friday
  • 23:03
今年もサンクスギビングがやってきた。毎年11月の第三木曜日はサンクスギビングである。アメリカでは、クリスマスとサンクスギビング当日はどこのお店や観光施設も閉まって、日本で言うと昔のお正月三ヶ日のような雰囲気になる。なぜなら、この日は家族と過ごす日だからである。

日本と違ってクリスマスは基本的にキリスト教の家庭限定なので、他の宗教の人は特にお祝いしない。クリスマスが国民の祝日である、ということに疑問を呈する人も、アメリカでは実は少なくないのであるが、サンクスギビングは宗教に関係なく、すべての人が祝う祝日である。

大学なども、水曜日まで授業をやっているところがほとんどだが、金曜日は休みとなるので、かなり多くの学生が実家へ帰る。私はありがたいことに水曜日は教える仕事が入っていないので、私たち夫婦はこの日に夫の実家であるニューヨークのロングアイランドへ行き、サンクスギビングを夫の両親と過ごすのが毎年の恒例である。

ちなみに昨年は、日本から帰ってきたばかりだったので、例外として夫の両親がボストンに来てくれて、我が家でサンクスギビングを祝った。結婚してから毎年義母の手伝いをしてきたが、自分の台所で自分が作ったのは初めてで、おおがかりなままごとのような楽しさを味わうことが出来て楽しかった。昨年の様子はこちら。

さて、今年は一つだけ問題があった。いつも私たちが旅行で留守にするとき、ミケの面倒を見てくれるお隣さんも今年のサンクスギビングは旅行となってしまったのだ。そのため、ミケは友人の家にお泊りに行くことになった。我が家から車で30分の距離にあるお宅である。昨年飼っていた猫が亡くなり、寂しい思いをしているので、ぜひ預かってくれる、とのありがたい言葉に甘えることにした。

ミケはあまり長時間のドライブをしたことがないので、ちょっと心配だった。猫はたいてい車を嫌がるのである。親戚や友人の猫の話を聞いていても、ちょっと近くの獣医さんに連れて行くだけでも嫌がって大騒ぎしたり、吐いたり、お粗相をしたり、熱が出たり、という話ばかり。なのでミケはどうするかな、とちょっと心配だったのだが・・・。

結果は大丈夫。それどころか、まるで犬のように外を見たり、車の中を歩き回ったりと、この子は本当に不思議な子である。
車中のミケ1

水曜日の朝、無事ミケを友人宅に預けて一路ニューヨークへ。幸い渋滞もほとんどなく、昼過ぎには夫の実家に着いた。この日はのんびり色々積もる話に花を咲かせた後で夕食は町のレストランへ。夫の妹夫婦は一年交代で、今年はこちら、来年は妹のダンナさんの親と、という風にしているが、今年はこちらに来る日。サンクスギビング当日にフィラデルフィア郊外の家からやってくる。

当日。私と義母は6時半くらいに起きる。お茶を飲み、配達された新聞を読みながら色々四方山話。義父が8時過ぎに起きてきて、最後に夫が寝ぼけ眼で起きてくる(笑)。

朝6時半に家を出たという妹キャロルとその夫、デイビッドが9時半過ぎに到着した。今年は姪っ子たちは来ない。上の姪メレディスはこの夏結婚して、ワシントンDCに住んでいる。その夫ブライアンは看護士なのだが、この日は勤務。そのかわりクリスマスには休みが取れるそうなので、会うのはそれまでお預けである。その代わりメレディスはそこからやや近い場所に住むデイビッドの母を訪ねて一緒にサンクスギビングを過ごす。

下の姪、エマはシンシナティで学んでいる大学生だが、今年は勉強が忙しいので大学に残った。商業デザインを専攻していて、インターンの仕事でこの12月は二週間インドに行くことになっている。昨年はルームメイトの実家を訪ねて中国を旅したり、となかなか冒険心に富んだ子である。

メレディス、デイビッドのお母さんマリアンとは午後にスカイプでビデオチャットし、エマとも夕方にビデオチャットした。

そして午前10時くらいからサンクスギビングディナーの準備が始まった。午前中の仕事はとにかく七面鳥を下ごしらえしてオーブンに入れることである。


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ひさしぶりのソロリサイタル

  • 2010.11.22 Monday
  • 22:42
教えている音楽教室のコンサートシリーズでピアノのソロリサイタルをやった。

室内楽やジャズの演奏はずっとやってきたが、クラシックのソロは実に久しぶりである。最後にソロリサイタルをやったのは・・・と振り返ってみると、なんと、実家の町で17年前にやった時であった。

ボストンで最後の学生生活を送っていたとき、その学校の縁で結成し、13年間続けたジャズグループをこの秋、思い切って脱退した。自分が仲間と作ったグループであり、CDも4枚ほど作ったし、ボストンエリアだけでなく、ニューヨークでもライブをしたり、ラジオ出演したり、と色々なかなか出来ない貴重な体験をさせてもらったが、だんだんと自分の本当にやりたいこととは違う方向にグループが向かい始めており、私の専門ではない、かなり本格的なジャズが主体となってきたことが一番大きな理由である。

私はもともとクラシックが専門である。ただ、要領がいいので、クラシック以外のジャンルも「それっぽく」弾くことは出来る。もともとこのグループは、1900年前後のパリやベルリンのキャバレー音楽のグループとして発足した。その後メンバーの変遷もあって、だんだんヨーロッパのキャバレー音楽やブロードウェイの音楽からジャズに移行していったのである。

今このグループに必要なのは本当のジャズピアニストである、という気持ちが強くなり、同時にこのグループに費やしている時間を、本当に自分の専門であるクラシック音楽にもう一度振り向けたい、という気持ちが年明け頃から強くなった。せっかちな私にしては珍しく、二ヶ月ほどじっくりと考え、春に結論を出してグループのメンバーに知らせたのである。9月にボストン名門のジャズクラブでライブが決まっていたので、それが終わったらやめる、ということで、五ヶ月あれば引継ぎもできるだろう、と考えた上での決断だった。

メンバーは残念がってくれたが、時間に余裕があったので、その後のコンサートのピアニストも無事みつかり、そのまま活動を続けている。

ジャズをやめて最初に私がしようと思ったのがソロリサイタルだった。

室内楽もやっていたが、伴奏や室内楽とソロでは、要求されるテクニックもスタミナも少し桁が違う。室内楽が簡単だ、ということではない。別の種類の集中が必要なのである。

単発で一曲、二曲、演奏することはあったが、一時間なり、二時間なりの自分だけでのリサイタル、というのは17年やっていない、ということを考えたとき、まずはそこからだ、と思ったのだった。
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スペンサーシリーズ第8作 A Savage Place

  • 2010.11.17 Wednesday
  • 22:18
評価:
Robert B. Parker
Dell
¥ 509

 JUGEMテーマ:読書

ひさしぶりにスペンサーシリーズに戻り、読みかけだったA Savage Placeを読了。

途中で放棄してしまった理由は二つある。一つは、ハードボイルドは読んでいて気が滅入るシチュエーションが描かれているので続けて読むと疲れること。もう一つは、この作品ではスペンサーはLAに「出張」しており、ボストンが舞台ではないので冒頭でちょっと読む張り合いをなくしたこと。

しかし他の本を色々読んだあとでまたこれに戻ってきたら面白かったのである(笑)。

今回は、シリーズ過去に登場し、スペンサーに救出されたフェミニズム活動家のレイチェル・ウォレスの紹介を通してスペンサーがあるロサンジェルスのテレビ局に雇われるところから始まる。その仕事とは、女性ニュースレポーターのボディガードだった。ある映画会社がどうやらマフィアと癒着しているらしい、というニュースを追っているこのレポーターは、この特ダネをあげて、男性優位のニュース界で名前をあげたい、という野心のもと、目撃者である男性と共に捜査をしていたのである。スペンサーにも最初は冷たかった。

しかし、警告として目撃者は殺され、レポーターは袋叩きに合う。そしてスペンサーと女性レポーターは一緒にその癒着を暴くべく活動を開始するのだが・・・。

今回は結末がかなり苦かった。そしてその後スペンサーがとった行動はいかにもスペンサーらしかったが、今までの他の作品に比べるとかなり後味が悪かったのは事実である。当時のハリウッドの様子が鮮やかに描かれており、LAを良く知っている人なら倍楽しめるのではないかと思った。私は一度訪れただけであまり詳しくないので・・・。

このままシリーズ次作の「Ceremony」に進む。

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