さようなら、テッド〜エドワード・ケネディ上院議員逝く

  • 2009.08.29 Saturday
  • 21:54
JUGEMテーマ:アメリカ生活

46年間上院議員をつとめてきたエドワード・ケネディが25日に亡くなり、マサチューセッツ州は深い悲しみに包まれている。

ジョセフ・ケネディと妻ローズの末子(四男、他に姉が4人いる)として生まれる。長兄ジョセフ・ジュニアは第二次世界大戦で戦死(享年29歳)、ジョン・フィッツジェラルドは第35代アメリカ大統領となるも暗殺される。次の兄、ロバートはジョンの政権下で法務長官として活躍し、兄ジョンの死後、大統領選に立候補するが、選挙活動中にこれもまた暗殺され、悲劇の最期を遂げた。

エドワードの通称はテッド。30歳で大統領になった兄の跡を継いで上院議員となり、その後46年間、アメリカの上院でもっともパワフルな議員としてリベラルな政策に力を注いできた。

ケネディ一族の長老として、早くに父親を亡くしたジョンとロバートの子供たちにも深い愛情を注ぎ、父親同然であったと言う。


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近況

  • 2009.08.22 Saturday
  • 18:53
早いもので、8月ももう終わりに近づいてきた。9月の一週目からは大学の授業が、二週目からは音楽教室のレッスンが始まる。

CDのレコーディングが終わってからは、9月に向けての準備や、姉妹都市の仕事が主で、その他、オーボエ奏者の友達と、ボストン近郊各地の老人ホームでのコンサートを数回行っている。

この辺りには、裕福な高齢者が住む、いわゆる高級老人ホームが多く、そういうところでは、定期的に地元の演奏家を招いて、ジャズやクラシックなどを中心に、居住者のためのコンサートを開いているのである。毎週一回から二回はやっている、というところも少なくない。中には、入居の条件が、近くにある大学の聴講生になること、などという向学心がなければ入れない老人ホームまである。

私が長年やっているジャズグループも時々老人ホームでのコンサートをやることがあるが、実はこの仕事、私は好きなのである。高齢の方たちの反応は実に素直でストレートだ。演奏の合間に、曲について、作曲家について、あるいは自己紹介や曲についての自分の思いいれや思い出を話すのだが、それも実に楽しそうに聞いてくれるし、本当に喜んでくれる。ギャラはそんなに高くはないけれど、これだけ喜んでもらえると、こちらも実にやりがいがあるというものだ。

そして、家にいられるので、毎日せっせとご飯を作っている。8月は、水曜日に開かれるうちの町のファーマーズマーケットだけでなく、木曜日に隣の町まででかけているほどだ(笑)。


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在外選挙

  • 2009.08.21 Friday
  • 22:18
JUGEMテーマ:アメリカ生活

この5月にパスポートを更新した折、初めて在外選挙人登録をした。アメリカ人で地方政治に熱心な夫と暮らすうち、だんだん「一票の重み」がわかってきたので、自分も責任を果たさなくちゃなあ、と思ったのである。

で、今年の衆院選挙が私の初めての在外選挙となった。投票の方法にはいくつかあり、ボストンにいながら可能なのは、郵便による投票と、在外公館におもむいて投票する二つの方法である。ボストン総領事館では、今月19日から22日まで投票を受け付けているので、今日、午後でかけてきた。

在外選挙人登録票在外公館で投票するには、「在外選挙人証」とパスポートが必要である。これが在外選挙人証(クリックで拡大します)。自分の本籍がある市町村の選挙委員会によって発行されている。総領事館では、まず、簡単な「選挙用紙請求用紙」に名前、投票する市町村名、選挙人登録番号などを記入し、その市町村の選挙委員会に送るための封筒の宛名書きをする。

それを受付に渡し、在外選挙人証とパスポートを見せて、投票用紙をもらう。比例選挙と小選挙、それぞれ色の違う用紙で、おそろいの色で二重の封筒に入れるようになっている。ブースに行き、投票用紙に、鉛筆で記入した後、二重の封筒に入れて封をし、封筒の表に再び自分の氏名、在外投票人番号、そして市町村名を書いて提出する。

まえもって、候補者のことはネットなどで調べて公約も読んでおいたし、誰に投票するかは決めてあったので、それほど時間はかからなかった。(誰に投票したかはナイショ・・・)

5月にパスポートを更新した際も思ったことだが、ボストンの総領事館の職員さんは、どの人もにこやかで、親切で、質問してもいやな顔一つせずに丁寧に明るく答えてくれて、本当に気持ちがいい。正直、10年前にパスポートを更新したときは、不親切ではなかったけれど、もっと無愛想だったような記憶があるので、今年三回にわたって総領事館を訪れたが、いつも本当に気持ち良く用事をすませることが出来た。

お役所といえばあまり愛想がよくない、という先入観があるが、二年前実家に帰ったとき立ち寄った市役所でも窓口の人が実にはきはきと、笑顔で気持ちよく対応してくださって驚いたのを思い出した。場所にもよるのだろうけれど、日本のお役所も変わってきたのかなあ、なんて思ったりして。

ちなみに、うちの町役場の窓口は課にもよるが、概して皆さんフレンドリーで親切である・・・。

そんなわけで、初めて経験した在外投票。ちょっぴり緊張したけれど、投票できて良かった。次はいつになるのかな。
 

CD録音

  • 2009.08.17 Monday
  • 20:02
JUGEMテーマ:アメリカ生活

旅行から帰ってきてすぐにとりかかったプロジェクトが、グループのCD録音である。今度のCDで4枚目になる。前の2枚がライブ録音だったので、今度はじっくりスタジオで録音したいね、と話し合っており、ここ二年間、あちこちで満員お礼になっているプログラム、「ガーシュウィンとコール・ポーターの夕べ」から厳選して13曲納めることになった。

ボストン近郊にある、もとフリーメーソンの集会場を改造したレコーディングスタジオで2日間缶詰になり、いつもサックスを担当してくれているR、ここ一年ベースを担当してくれたNと私たち3人(私、ドラムのKとボーカルのH)の5人での録音となった。

レコーディングスタジオ
クリックで拡大します

スタジオ録音で、多重トラック録音とはいっても、完全に分離されているのはボーカルだけで、ピアノ、サックス、ベースは同じスペース、ドラムはピアノの横のついたての向こうである。だから、それぞれのマイクからは、別の楽器の音も拾われている。誰かがうまくいかなければ、全員一緒にやりなおさないといけないのだ(笑)。1人でやり直しが出来るのはボーカルだけなのである。

しかし、今回の曲は前にも書いたように、どれもここ二年ほど、何度もこの顔ぶれで演奏している曲ばかりである。録音開始の前日に会って一通りリハーサルしておいたのも良かったようで、どれも数テイクで満足のいくものが出来たようだ。多少編集(つぎはぎ)はするかもしれないが、おおむね、プロデュースしてくれたJが
「よし、このテイクでいこう」
と言ってくれるテイクが取れるまでに、ほとんどの曲はそんなに時間がかからなかった。大変な曲で5-6テイク、あとはほとんど3テイクでOKだったのは上出来だろう。

その後マスタリングが現在進行中である。私も一曲だけデュエットがあり、ボーカルのヒルディと一緒に歌う曲があり、これはボーカルだけ後から録音した。まだまだ著作権料の支払いだとか、ジャケットのデザインなどなど、色々作業はあるが、秋にはなんとか完成できるのではないだろうか。自分でも楽しみである。

映画レビュー:Harry Potter and the Half Blood Prince

  • 2009.08.06 Thursday
  • 23:58
JUGEMテーマ:映画

近くの町にある、Jordan's Furnitureという大きな家具店の中にあるIMAXシアターの巨大スクリーンでハリポタの映画第6作目を見てきた。最初の15分は3Dである。

長い濃密な内容の本を2時間半かそこらの時間の映画にまとめるのは至難の業だ。おそらく色々はしょってあるであろうことは予測し、覚悟していた。私にとっては、本の方がはるかに深く楽しめるので、映画はあくまで、出入りの読書掲示板で誰かが言ったとおり、「動く挿絵」くらいに割り切って観るようにしている。

それでもやっぱり、脚色の仕方によっては、原作に思いいれの強い私のようなファンだと、好みに合わないこともあり、
「え〜っ、それはないでしょ〜」
と言いたくなることもしばしばである。

それと同時に、先端の技術を駆使して見事に映像化された数々のシーンには感心させられるし、キャストのほとんどは好きな役者さんも多く、演技の方にはほとんど不満はない。子役たちも、もう子役と言うにはかなり成長していて、いい若者たちになってきた。彼らの成長ぶりを見るのも、ある意味楽しみだったりする。

そんなわけで、色々と良かったこと、悪かったことが私にとっては両方まざった複雑な感想となった。
(以下はこの映画のネタバレ、そしてハリポタ原作全7巻のネタバレが色々含まれます。未読の方、映画をまだ観ていない方はくれぐれもご注意ください。)
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8月1日(2)〜Farmers Museum, Cooperstown, NY

  • 2009.08.01 Saturday
  • 23:49
JUGEMテーマ:アメリカ

ファーマーズミュージアムその後緑の丘と森が続く中、地方道路を運転して1時間後に、Farmers Marketに無事到着し、入場する。

上述したマサチューセッツの二つの歴史村に比べるとサイズが小さいので、3時間ほどもあればのんびりと堪能できそうだ。入口で渡された今日のイベントのチラシを見て、まずは実演が行われている薬局へ。






薬作り若い女性が、胃薬の錠剤を作っている。

ショウガを粉末にし、(多分乾燥させてある)ガム(粘りのある樹液)でまとめて、洗濯板をものすごく小さくしたような道具でまずは小さい棒状にし、それをまた横にして押し付けて、直径
3ミ リほどの小さな錠剤を作る。

当時は薬と言えば、みんなホメオパシー、つまりいわゆる「漢方薬」だった。西洋には西洋の知恵があり、たくさんの薬草や木、動 物から取った成分を使っていたのだ。

たいていの薬剤師は大学へ行くよりも、薬屋に弟子入りして修行し、一人前になる、という形だったらしい。

隣には医師のオフィスがあった。19世紀の中ごろ、既にアメリカには女医が存在した。この地域にも、バセット母娘という親子二代の女医がいたそうだ。

女医二代


母親の方がどうやって医学の勉強をしたかはさだかでないと言うが、夫婦で開業し、その娘は、当時既に存在していた女子医大に進学し、医者となって両親の跡を継いでいる。すごいなあ。この当時、普通は女性が外で給料をもらって働くと言えば、都会でもない限り、多分学校の教師くらいしかなかったのだから、かなりのエリートと言えるだろう。

 

他にも週に一回発行する新聞屋もある。当時の技術そのままに、一字一字活字を組んで印刷している様を見せてもらった。普通のサイズの新聞1ページ分の活字を組むのに、一人でやると40時間かかるのだそうだ。当時既に大手だったニューヨークタイムズなどの都会の新聞は膨大な人数を投入して活字組みから印刷までの作業をこなし、大量の新聞印刷を可能にしていたが、農村では一ページの新聞を週一回発行するのがやっとだったようだ。写真は印刷機。

新聞印刷機

 

しかし、その伝統は今に生きており、アメリカでは小さな市町村でもたいていのところでは、最低でも週刊の新聞を独自に発行している。日本と違っていわゆるメジャーな全国新聞というものがない。USA Todayと言う新聞があるが、あれは空港とかホテルなどで買うか無料支給されて読むもの。自分の家に配達させて読むものではない。ニューヨーク、ボストン、ロサンジェルス、シカゴ、ワシントンDCなどの都市の地方新聞にはメジャーなものが多く、それらが日本の三大新聞に当たるような形である。

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8月1日(1) Halcyon Farmの朝食とSchoharie Crossing

  • 2009.08.01 Saturday
  • 23:15
JUGEMテーマ:食べある記|グルメアメリカ

7時に起床。またもや朝風呂でのんびりさせてもらう。外はいい天気。まだ夫は眠っているが、私は着替えてカメラを持って階下へ。昨夜ちょっと見せてもらったが、すぐ寝室に引き取ったので、リビングやダイニングなどをじっくりと見せてもらう。


朝食をとるダイニングルームは正面玄関から入って右側。すでにインキーパー夫妻が用意を始めている。

ダイニング


リビングにはかなり古いグランドピアノがあるが、どうやら家具と化しているようで、弾けるコンディションではなかったのが残念。ちょっとお金をかけて中を直せば使えるんじゃないかなあ・・・。
リビング

リビングと間続きになっているライブラリー。
ライブラリー

その裏側にはこの広い部屋。後から建て増ししたのか、それとも昔はいわゆる寄せかけ部屋だったのか、納屋っぽい雰囲気。宿泊客は、車を建物の後ろに停めるので、正面玄関ではなく、この部屋にあるドアから出入りする。
裏側の部屋


そして外に出てみる。まずはB&Bの看板。

Innの看板


昨日は9時頃の到着ですっかり暗くなっていたので周囲がどんな景色かよく見えなかったが、家の前には干草畑が広がり、舗装されていない細い道がまがりくねって林の向こうへ続く、なかなかメルヘンな光景。

農場の前


Innの前の道


この家の猫がのんびりと家の前の草むらを探検していた。人見知りするタイプらしく、私を遠くからみかけると、すっと立ち上がって去っていく。

猫ちゃん

 

家を正面から見ると古めかしいレンガ造りである。写真の部分が宿になっており、右に建て増しした棟があって、そこにインキーパーの家族が住んでいるらしく、玄関が別になっていた。中はダイニングルームからつながっている。

Innの外観

 

干草農家ということで、大きな納屋があり、家の裏には自家用の菜園があった。家で食べる分だけ作る、という感じだそうだ。

納屋

 

土曜日ということで、朝食は9時。他に二組の夫婦と1人の女性が泊まっており、私たち夫婦以外は全員知り合いだった。知人の結婚式があり、それに出席するため、やってきたとのことだ。ダイニングルームの大きなテーブルを囲んで、話し好きなインキーパー夫婦とみんなで楽しい会話がはずんだ。

 

朝食は最初に旬のピーチとブルーベリーが出る。

フルーツ

その後は、壁際のサイドテーブルにセットしてある朝食をセルフサービスでいただく。

セルフサービスのサイドテーブル


クリーミーなスクランブルエッグ(チャイブ入り)、焼き立てのブルーベリーマフィン、ソーセージとポテト。

スクランブルエッグとポテト


ブルーベリーマフィン

その他、コーヒー、紅茶、ヨーグルト、シリアル。

 

食後に、インキーパーのご主人、ジョンさんが菜園を案内してくれた。娘さんが毎日お孫さんを連れて手伝いに来るようで、8歳くらいのお孫さんの女の子と少し話した後、私たちはチェックアウト。ラズベリーが実っている。(この手は他のお客さんのもの)

ラズベリー

 

そしてチェックアウト。今日はいよいよボストンに帰るが、その前に、Cooperstownという近くの町(車で1時間くらい)に寄って行く。ここはメジャーリーグ名誉の殿堂があることで有名だが、私たち夫婦のお目当ては、Farmers Museumである。今までもマサチューセッツ州のプリマスプランテーションや、オールド・スターブリッジ・ビレッジなど、昔の農村を再現した歴史博物館(歴史村)が大好きで各地でチャンスがあれば訪れているが、ここは1840年代のNY州中部から北部の農村を再現したものである。非常に楽しみにしていた。昨日行く予定だったが、雨で今日に持ち越したのである。よく晴れて楽しく見学できそうだ。

 

しかし、Cooperstownに行く前に、宿からすぐそばにある、Schoharie Crossingへ。

 



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また、ボストンの観光などについて個別でご質問をいただくことがありますが、なかなか個別の質問にはお答えする時間がありません。申し訳ありませんが、ボストン関連の掲示板などで質問されることをお勧めします。リンクにボストン情報の掲示板のリンクがありますので、どうぞご利用くださいませ。

最後にこのブログに掲載されている写真、文章などすべての内容の転載は固くお断りします。どうかご遠慮ください。

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