ノーマン・ロックウェル美術館とバークシャー地方

  • 2006.05.28 Sunday
  • 23:54
ここのところ、ばたばたと忙しかったのだが、この週末は月曜日がメモリアルデーで連休。

五月いっぱい続く、某銀行の「うちのキャッシュカードかクレジットカードがあれば、美術館ただで入れまっせ月間」ももうすぐ終わりなので、前から行きたかったノーマン・ロックウェル美術館へ。

タングルウッド音楽祭でも有名なLenoxからほど近いStockbridgeの町にあるノーマンロックウェル美術館。ボストンからはI-90をひたすら西に走って二時間半ほどだろうか?NY州との境にもかなり近い。昨年の夏の終わり(2005年8月27日参照)に訪れたハンコックのシェーカービレッジもこの近くだ。

ノーマン・ロックウェル(Norman Rockwell 1894~1978)は、アメリカの20世紀を代表するイラストレーターあるいは画家の1人である。Saturday Evening Postの表紙を長年てがけ、アメリカの庶民の生活を生き生きと切り取って、一枚の絵の中に無限のドラマを表現するその手法は、多くの人に親しまれてきた。

アメリカでは、カレンダーはもらうものでなく、買うものだが、ジョージア・オキーフやフランス印象派と並んで、最も多くカレンダーに使われるのがノーマン・ロックウェルなのである。

ノーマン・ロックウェル美術館

1953年から亡くなるまでの25年間を、彼はマサチューセッツ州ストックブリッジで暮らした。彼の没後に建てられたのがこの美術館である。町の中心にあった彼のアトリエもここに移されて、当時のまま見学することができるのである。写真は左が美術館、右が同じ敷地内に移された彼のアトリエ。アトリエは古い納屋を改造したもの。
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読書レビュー:中世英国で中年修道士が謎解き!

  • 2006.05.23 Tuesday
  • 23:01
A Morbid Taste for Bones (Brother Cadfael Mysteries)
A Morbid Taste for Bones (Brother Cadfael Mysteries)

日本でも人気があるらしい修道士カドフェルシリーズの第一作。

12世紀前半のイギリスの修道院に暮らす修道士カドフェルは、かつて十字軍で戦い、世界を股に駆けて活躍していた男。40を過ぎた今、Shrewsburyの修道院で、ハーブ農園の世話をしながら「余生」を過ごしている。しかし、平穏なはずの修道院生活でも色々なことが起きる。かつての豊富な経験から来る人間社会への深い知識と観察眼で、カドフェルは事件を解決するだけでなく、周囲の人々がもっとも幸せになる解決法を模索するのだった・・・。
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読書レビュー: HOLES

  • 2006.05.22 Monday
  • 22:33
Holes
Holes

これまた出入りの読書掲示板で勧められた本。数年前に映画化された。日本では劇場未公開らしい。私は観ていないのだけど、当時こちらでは派手に宣伝していたので、プレビューや、主役の男の子がテレビ番組でインタビューに答えていたことなどは覚えている。
ちなみに邦訳はこちら↓
穴  HOLES
穴 HOLES
ルイス・ サッカー


男の子向けのファンタジー兼冒険物語という感じだが、実に壮烈!冒険も命がけだし、登場する悪役だって半端じゃない。プロットの中にはファンタジーならではの奇想天外な設定もあるのだけど、それを上回る厳しい現実(人種差別、少年犯罪、いじめなど)もこの物語では重要な役割を果たしていて、それが、この本をパワフルなものにしている。

まずは、英語のレベルから言うと、ハリー・ポッターよりは優しく、短いので読みやすい。本全体が短いだけでなく、章も短く、文も歯切れがいいので、非常に読みやすかった。洋書に挑戦してみたいが、大人向けの本はちょっと・・・かといって絵本も優しすぎるという人にはお勧めだ。

以下はややネタバレも入りますので読む予定の方はご注意ください。
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ロングアイランド二度目

  • 2006.05.22 Monday
  • 10:53
20日の土曜日に、仕事を終えて1時に帰宅し、そのまま彼の車でまたまたNY方面へ。18日の日記にも書いた通り、日曜日に、彼の実家で家族ぐるみ親しく交際している一家の娘さんに二人目の赤ちゃんが生まれ、その洗礼に出席するためだ。

今回は、コネチカット州のNew Londonからカーフェリーに乗ってLong Islandの東端、Oriental Pointに上陸し、そこから実家のあるNorthportへという道程。NY市を通過しなくていいので、渋滞に悩まされることもなく、Long Island Sound(ロングアイランド海峡)を渡って景色を楽しめるというわけだ。

フェリーの中と外








このフェリー、1時間ちょっとの航行時間だが、けっこうお高くて、車と乗客1人でなんと42ドル。それに私は車無しの乗客ということで12ドル。車と2人で片道54ドルなのだった。車を停めるとデッキにあがり、駐車エリアは封鎖される。キャビンは広く、テーブル付きのシートもたくさんあり、スナックバー、そしてお酒が飲めるバーも完備。

フェリーデッキ








外のデッキも2フロアあり、上は眺めがいいけれど風が強い。下は船尾のデッキなので、風がさえぎられて快適だ。私と彼はここのベンチに落ち着いた。ちょうどいい強さの潮風と、ぽかぽかした初夏の日差しが気持ちいい。船が出港すると、New Londonの町はみるみる後ろに遠ざかっていく。入り江を出るのに15分ほどかけて、その後海峡に入った。後ろにコネチカットの海岸、前方にぼんやりとロングアイランドが見える。海は青くてきらきら光る。キャビンにいた人たちも続々とこの後方デッキに出てきて、30分もするとデッキのベンチはほぼ満員になった(笑)。
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ご近所をぶらぶら散歩

  • 2006.05.18 Thursday
  • 17:57
カメラを持って出なかったのが残念。

何日も続いた雨の晴れ間で、昨日と今日はいいお天気。初夏らしくてとても気持ちいい。

2週間前に車のフロントガラスにひびが入ってしまったので、今日、取替えに来てもらうことになっていた。そのためでかけられず、午前中はずっと、コンピュータでグループ関係の仕事をしていた。コンサートの宣伝葉書を送るための住所リストの更新と、アドレスラベルの印刷(300人ほど)、そしてEメールリストの更新をして宣伝メールを送る。これだけでけっこう時間がかかった。

フロントガラス修理の業者が来たのがお昼頃。30分くらいで作業は終了した。1−2時間たてば運転してもOKとのことだったが、今日は特に出かける予定も無い。

そう、大学が昨日で終了したからだ!実技試験を最後に無事終了したのである。1人声楽の生徒で実技試験をすっぽかした不届き者がいたが・・・(汗)。声楽の先生と相談の上、落第にはしないが、Incomplete(未終了)とし、来学期に1人だけ実技試験を受けて、(うちの大学では通常年度末の一回のみ)それに合格したら単位をやる、というお情けのお裁きに決定(笑)。まあ、一応一年間真面目にやってた子だから。それにしても、実技試験すっぽかすかねえ、普通・・・。(寝坊だって)
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コネチカット州B級グルメ♪

  • 2006.05.14 Sunday
  • 23:35
CT diner 2







さて、コネチカットに一泊したその日の朝、ホテルから程近いダイナーで朝食。彼がネットで色々情報収集していたらしい。私は珍しくオムレツ、彼はパンケーキ。Farmer’s Omeletという名前で、野菜たっぷり、それにベーコンとポテトも入って、添えられたトーストにも手が出ないほどのボリュームだった。でもおいしかった〜♪ 彼のパンケーキもふっくらしておいしそうだった。こちらのはけっこう生焼けが多くてがっかりすることも多いのだけど・・・。

CT Diner 1








店内はかなりレトロで、50年代のポスターがいっぱい。ウェイターは若い男性たちで、きびきびと動き回る。けっこう小さい店内だが、家族連れ、老夫婦、肉体労働っぽいごっついおにいちゃんやオジサンたちなど、客層も色々だ。写真の右の絵、青い車柄の絵皿を写真にとったのは、それが彼のご両親が若い頃のっていた車と同じだから。

その後NYで用事をすませ、2時半頃、帰路につく。朝がやや遅めで、しかもヘビーだったので、お昼というより、お昼兼夕食と言う感じで、何か手軽に食べられる場所を探すべく、彼の持っているB級グルメガイド本でコネチカット州のところをチェック。この本は今手元にないので、タイトルがわからないが、とてもいい本で、昨年の夏の旅行でも、この本の勧めたB&Bに泊まって、食事を堪能したものだ。
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コーラスとカズーデビュー

  • 2006.05.14 Sunday
  • 22:20
13日土曜日は、いつもどおり教えたあと、帰宅してあわてて支度し、5時少し前に彼の車で家を出た。夜、大学のコーラスのコンサートがあるのだ。7年前、コーラスの伴奏がこの大学で仕事をする最初となったが、他の仕事(声楽のレッスン伴奏やピアノの教官としての仕事)がかなり多忙になってきたため、昨年の12月、思い切って学科主任とコーラスの指揮者に、
「来年度から伴奏は他の人を探してください」
とお願いした。スケジュールがどうにもこうにも都合がつかなくなってきたのだ。声楽の伴奏は、ただ弾くだけでなく、教えるのに近い仕事だし、他の人にまかせにくいのだけど、コーラスの伴奏ならば、ボストンから少し離れたこのエリアでも、きっとちゃんと弾ける人がみつかるだろう、ということを考えた上での結論だった。これで週二時間半、空きができるのがありがたい。なので、これが私にとって、最後のコーラスコンサートとなる。

ミシガンのあたりですっかり腰を下ろしている熱帯性低気圧のせいで、ボストンはもう2週間ほど、雨が続いている。大きな川沿いの各地では洪水も心配されているほどだ。大雨の中、高速を運転するのは神経が疲れるので、運転が得意でしかも大好きな彼の車で行けるのはとてもありがたい。
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読書レビュー:トミーとタペンスシリーズ第一作

  • 2006.05.12 Friday
  • 11:08
The Secret Adversary (Tommy and Tuppence Mysteries (Paperback))
The Secret Adversary (Tommy and Tuppence Mysteries (Paperback))

アガサ・クリスティーは大好きで、日本で大学生だった頃、全部読んだ。ハヤカワ・ミステリ文庫ですべて集め、文庫でないものはハードカバーで買ったりもした。最後の一冊を読んでしまったときの空しさというか、寂しさは今でも忘れられない(笑)。

アメリカに来て、原書は5−6冊しか買っていないけれど、昔読んだ中でも特に好きだったものを本屋で見つけたときなど、買って読み直したりしている。

ポアロもいいし、マープルもいい。ハーレクインも不思議な味わいで捨てがたい。そして、このトミーとタペンスシリーズも大好きなのだ。この一作目では、まだ若い2人だが、シリーズが進むにつれ、だんだんと中年から年配のカップルになっていく。冊数こそ、ポアロやマープルものに比べて少ないが、その軽妙さ、そして2人のおしどり夫婦ぶりが、読んでいて快く、ちょっぴり冒険的な要素が多いのも、魅力の一つだ。この本はそのシリーズの一冊目。

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怒涛の二週間

  • 2006.05.07 Sunday
  • 21:28
雨の花先週は雨が多かったボストン。大学が大詰めに入って忙しいことこの上ない。あと2週間で終わるので、行事が目白押しなのだ。ただし、この夏は何度か大学に足を運ばなくてはならないようだ。助教授の1人が、作曲家としては多分最高の名誉である(ドビュッシーなんかも受賞している)ローマ賞を受賞したので、来年度一年間はローマに在住して作曲活動に専念することになったのだ。そのため、一年間代わりに助教授を務めてくれる人を探さなくてはならない。パートタイムと違って、フルタイムの教授を選ぶ作業は非常にこみいっている。州立大学なので、均等雇用法とかなんとか、いろいろあるらしい。



学部の中から選考委員会を選ばなくてはならず、パートタイムの教官からは私、フルタイムの教官からはジャズの先生が1人頼まれた。それとローマ賞受賞の助教授本人の3人で書類選考と面接をすることになる。昨年も、この助教授のリードの下で、コーラスの指揮者と声楽の先生の選考を行ったのだが、そのときはどちらもパートタイムだったので、非常にリラックスした雰囲気で行われたのだ。今回は、色々と厳しい制約やペーパーワークがあって、大変そう。すでに事前ミーティングは二回。こういう難しい話(雇用法とかそういう法律関係)が苦手な私には、あまりよくわからない。日本語でも、たぶんわからないと思う・・・。言っている文はよく理解できるが、それが具体的にどういうことなのか、理解できないのである。法律と経済関係が壊滅的に苦手な自分に、あきれてしまう。もっとも私の選考委員としての仕事は、書類専攻とインタビューで評価をし、投票するだけなので、心配はいらないのだけど(苦笑)。
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読書レビュー:ヒストリアン 〜歴史家の奇妙な体験

  • 2006.05.07 Sunday
  • 10:32
The Historian.
The Historian.

今回はオーディオブックで聞いた。本はペーパーバックが発売になったら買う予定。私が聞いたCDブックのバージョンは、女性と男性各一人の声で読み分けている完全版で、なぜかアメリカでも日本でも、アマゾンでは出てこないバージョンだ。(ダイジェスト版あるいは、もっと多い人数で読み分けている版しか出てこない)

とにかく不思議な作品。以下はちょっとネタバレも書くので、読みたくない人はここまでにしてくださるようお願いします。
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また、ボストンの観光などについて個別でご質問をいただくことがありますが、なかなか個別の質問にはお答えする時間がありません。申し訳ありませんが、ボストン関連の掲示板などで質問されることをお勧めします。リンクにボストン情報の掲示板のリンクがありますので、どうぞご利用くださいませ。

最後にこのブログに掲載されている写真、文章などすべての内容の転載は固くお断りします。どうかご遠慮ください。

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