映画レビュー:カンバーバッチ主演で第二次世界大戦イギリス情報部の暗号解読に貢献した天才数学者の姿を描く「イミテーションゲーム」 

  • 2015.01.08 Thursday
  • 12:33
JUGEMテーマ:映画

ひさしぶりに映画館で映画を観てきた。

ベネディクト・カンバーバッチ主演のImitation Gameである。日本では3月に公開予定で、邦題は「
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」だそうだ。

実在の人物であるアラン・テューリングを、テレビドラマ「Sherlock」のホームズ役やスター・トレックの最新映画での悪役、そしてThe Hobbit映画三部作でドラゴンの声を演じるなど、今、もっとも旬なイギリス俳優のベネディクト・カンバーバッチが演じる。

アラン・テューリング(日本ではチューリングと表記されるようだ)についてはこちらをごらんください。

彼が第二次大戦下のイギリスで、情報部のもと、全国から集まった精鋭とともにナチスの暗号解読のための機械を開発し、ナチスが解読不能を誇った暗号「エニグマ」に成功するまでの様子が物語の中心である。

数学者としては非常に優秀だが、アスペルガー症候群を暗示させるような行動を取るチューリングを、カンバーバッチは細かいところまで丁寧に演じていた。物語は時々フラッシュバックでチューリングの寄宿学校時代の回想をはさみこむ。苛められていたチューリングを救ってくれた友。その友達がくれた本が、彼が暗号解読に興味を持つきっかけとなる。

暗号解読チームは極秘プロジェクトとして、ブレッチリー・パークという場所で働く。何をしているのか家族にも恋人にも言えない状態で日々ナチスの暗号を解読していた。それぞれ個性あふれるメンバーだ。イケメンでちょっと調子がいいヒュー・アレクサンダーは最初の頃、チューリングとよく衝突するが、やがてチューリングの心強い味方となる。温厚だが実はとんでもない秘密を抱えているジョン・ケーンクロス(ダウントン・アビーでおなじみのアラン・リーチが演じる)、一番若いマシュー・ビアード。それに女性ながら暗号解読に非凡な才能を発揮したジョーン・クラーク(キーラ・ナイトリーが抑えた演技で見事に演じた)。

非常によく出来た映画だった。チューリングの過去と現在の話は一見関係がないようだったが、最後にしっかりとつながっていく。そのつながりがわかった瞬間の切なさと悲しさ。

そしてチューリングの生涯の最後は本当に気の毒なものだった。当時の法律の理不尽さが本当につらい。色々なことを考えさせる映画でもあった。だが、この部分は日本の人にはピンと来ないかもしれない。

戦後から既に70年が過ぎようとしており、いまや戦中のみならず、戦後の1950年代を舞台にしたドラマでさえ、アメリカでもイギリスでも「時代劇」(Period Drama)と言われるようになってしまった。戦後は遠くなりにけり、である。

1時間54分と、最近の映画にしてはそれほど長すぎず、よく編集されていると思った。秀作である。
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