アメリカの消えない傷跡:ジョン・F・ケネディ大統領暗殺から50年

  • 2013.11.22 Friday
  • 12:03
JUGEMテーマ:歴史アメリカ生活

今日は日本では「いい夫婦の日」だそうだが、アメリカでは、現職中に暗殺されたジョン・F・ケネディがテキサスで暗殺された日である。今年で50年になるため、マスコミでは再び、この事件が取り上げられている。当時現場に居合わせた人々の証言やインタビューが紹介され、今年はケネディに関する本も次々に出版されているようだ。

あまりに不明なことが多く、開示されていない情報もたくさんあるようで、陰謀説も未だ絶えないこの暗殺事件であるが、20世紀のアメリカの歴史を振り返ってみると、この事件はアメリカがまだ生々しく覚えている傷跡の一つなのである。そして、未だに残るたくさんの謎は、きっと永遠に解けることがないのだろう。年月がたてばたつほど、その謎を解き明かすことは難しくなっていくのだから。だから、彼の死の謎はこれからも、いつまでも、話題になり続けるのだろうと思う。これからも色んな説が登場するだろうし、本も出版されるだろう。でも私たちは、おそらく永遠に真実を知ることはできないのだ。

だから、アメリカはこの暗殺事件を乗り越えることが出来ないのかもしれない。いつまでも謎であり続けるから、いわゆる「Closure」を迎えることが出来ないのだ。

若くて颯爽としたケネディ大統領。人気を誇り、弟2人も次々と政界デビューし、アーサー王の伝説になぞらえてケネディ一族は「キャメロット」とまで呼ばれるようになった。そのケネディ大統領が突然、テキサスでパレード中に狙撃されたこの事件。

テレビは突然臨時ニュースになり、当時のニュースキャスターだったウォルター・クロンカイトが沈痛な表情でケネディの死を伝える映像は今でも色々なところで観ることが出来る。

色々なアメリカ人と話すと、この日のインパクトの強さがよくわかる。皆、この日、どこにいて、何をしていて、どうやってケネディ大統領の死を知ったか、ということを鮮明に覚えているのだ。この事件は私が生まれる前だが、小学校一年生だった知人は、
「学校から帰宅すると母親が泣いていた」
と言う。

葬儀の時に、幼かった長男のジョン・ジュニアが敬礼をする姿が国民の涙を誘った。このジョン・ジュニアは政界には入らず、わずか38歳で、自ら操縦した小型飛行機が海に墜落し、妻と共に不慮の死を遂げる。

そして、今年、長女のキャロラインが駐日大使として日本に赴任した。

ケネディ一族はボストン出身である。ケネディ大統領はボストンの隣にあるブルックラインという静かな町の住宅街のつつましい二階建ての家で生まれた。父親はアイルランドから移民したジョセフ・ケネディ。禁酒法時代に酒の密輸でもうけたそうだが、かなり目先が利くビジネスマンだったそうで、フランクリン・ルーズベルト大統領に抜擢され、駐英大使までつとめた。母親は、ボストン市長だったジョン・フィッツジェラルドの娘。どちらもアイルランド系でカトリック教徒である。その後一家はケープ・コッドの入り口にあるハイアニスという町に引っ越す。今でもケネディ家の「本家」はここにある。

それまで大統領職についたのは、WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)、つまりイギリス系でプロテスタント教徒だけだったので、アイルランド系でカトリック教徒、しかも史上最年少の大統領だったケネディは本当に特別な存在だった。

だから、アメリカにとってもそうなのだが、ボストンにとってケネディ大統領とその一族はさらに特別な人々なのだ。州議事堂の前にはケネディの銅像があり、マサチューセッツ州立大学ボストン校のキャンパス内には、ケネディ大統領図書館がある。ここでは、博物館があり、ケネディ大統領の生涯とその功績をたどることが出来る。ジョン・ジュニアが亡くなった時も、彼はマサチューセッツ州の住民ではなかったが、たくさんの花束がこの大統領図書館の前に捧げられた。ボストンの人々にとっては、大統領の遺児であるジョン・ジュニアもまた、「ボストンの息子」だったのである。

今日はアメリカではたくさんの人が当時を思い出して、ケネディ大統領の冥福を祈ることだろう。
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