読書レビュー: 「しゃばけ」シリーズ第6巻「ちんぷんかん」

  • 2010.06.08 Tuesday
  • 18:10
評価:
畠中 恵
新潮社
¥ 540
(2009-11-28)

JUGEMテーマ:読書

楽しみにしていた「しゃばけ」シリーズの「ちんぷんかん」が届いた。さっそく読む。

火事の煙を吸って気絶した若だんながなぜか、袖に鳴家たちを入れたまま、三途の川に来てしまう、「鬼と小鬼」。

若だんながよくでかける上野広徳寺で、妖(あやかし)退治が上手な高僧、寛朝の弟子、秋英が、一筋縄ではいかない商人父娘の絵草子に取り込まれ、和算勝負を繰り広げる「ちんぷんかん」。

若だんなの母、おたえの若いころの思い出話で、おたえが惚れた青年、辰二郎の叔父の家の謎を解く「男ぶり」。

若だんなの異母兄の松之助に縁談が持ち上がるが、相手の玉乃屋には色々複雑な事情があるようだ。式神を駆使して若だんなの命を狙ってきた陰陽師も絡んで、お話はさらにややこしく・・・「今昔」。

長崎屋に移植された古い桜の木は既に妖だった。その木から送られたのが花びらの妖、小紅。その命がはかないことを知り、若だんなは、なんとか桜の花を散らさぬ方法はないものかと弱い身体にむちうって奔走する。それを複雑な気持ちで見つめる仁吉と佐助。そして若だんなはあることに気づく。「はるがいくよ」


相変わらず笑ったり、涙が出たり、このシリーズを読むのは忙しい。「ちんぷんかん」はあっけらかんと楽しく笑えるし、どことなく世間離れしたおたえの思い 出話、「男ぶり」も楽しいが、「鬼と小鬼」、「はるがいくよ」は涙無しには読めない。特に、「はるがいくよ」のラストは涙を誘う。小紅を惜しむと同時に、 自分がいつか同じ思いを仁吉と佐助にさせるのだ、と気づきながらも、それを受け入れざるを得ない若だんなの心情がけなげである。そして儚い命を自分でよく わかっていて、微笑みながらまっすぐ若だんなに心を向けて数日を生きる小紅。

桜という花の儚さ、美しさ、そして散り際のいさぎよさと寂しさを見事に表現した美しいエピソードである。これから桜を見るたびに私も小紅のことを思い出しそうだ。

さて、これと共に届いた「しゃばけ読本」。これも楽しみである。これは他の本を読みながらときどきぱらぱらとめくって楽しむ予定。これからは、やはり同時にとどいた山本一力の「だいこん」と、ベルガリアードの後半2冊の並行読書となる。

コメント
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2019 >>

お願い

コメント、トラックバックしてくださる皆様、ありがとうございます。

コメント、トラックバック共に、内容が不適切であると判断したもの、商業サイトによるもの、リンクなしのトラックバック、アフィリエイトのみのブログからのトラックバックは削除させていただきます。ご了承ください。

また、商業サイトによる無断(無許可)リンクはお断りさせていただきます。

また、ボストンの観光などについて個別でご質問をいただくことがありますが、なかなか個別の質問にはお答えする時間がありません。申し訳ありませんが、ボストン関連の掲示板などで質問されることをお勧めします。リンクにボストン情報の掲示板のリンクがありますので、どうぞご利用くださいませ。

最後にこのブログに掲載されている写真、文章などすべての内容の転載は固くお断りします。どうかご遠慮ください。

ミル姐の本棚

読書中

selected entries

categories

archives

recent comment

recent trackback

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM