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2008年サンクスギビング

JUGEMテーマ:アメリカ生活

水曜日朝にボストンを出発して、サンクスギビングのため、夫の実家、NY州のロングアイランドへ。猫のミケはお留守番である。同じコンドミニアムに住む動物好きの女性が朝晩通って面倒を見てくれる。

コネチカット州のNew Londonからフェリーに乗ってロングアイランドの東端Oriental Pointへ。ここから車で2時間半ほどで夫の実家に到着する。

木曜日、サンクスギビング当日の朝に夫の妹家族も到着してにぎやかになった。妹家族は、一年おきに夫の両親のところに来る。他の年は、妹の夫の両親と過ごすためだ。

七面鳥の焼き方は2006年の感謝祭の時に書いたので、そちらをごらんいただくとして、今年の食卓はこんな感じになった。(各写真をクリックすると大きなサイズでごらんいただけます)

食卓 今年も伝統的なメニューが並ぶ。アメリカでも人によっては色々新しいものをトライする家庭もあるし、その辺りは人それぞれだが、夫の家族のサンクスギビングはまさに王道という感じ(笑)。

2005年のサンクスギビングから私も一緒に祝うようになり、義母の準備を手伝うようになったが、なかなか楽しい。それぞれ料理法は非常にシンプルなので、時間こそかかるが、手間はそれほどでもないのが、日本のおせち料理とはちょっと違う。

気をつけなくてはいけないのは、冷凍の七面鳥の場合、解凍(冷蔵庫に入れたままで)に数日かかることだ。義母は必ず冷凍ではない、フレッシュなものを予約して前日に買っている。

夫はシングルの時代からデザート担当だが、もちろん自分で作るわけではなく、美味しいベーカリーでパイやケーキを買っていくのである。今年は、我が家の近所にある、それはそれは美味しいベーカリーでアップルパイとパンプキンパイを買った。予約しておいて、水曜日の朝、でがけにピックアップした。

それはそれぞれの料理のクローズアップを。

写真をクリックすると、それぞれ大きなサイズでごらんいただけます。

焼きあがった七面鳥まずはこんがり焼けた七面鳥。今のアメリカでは、台所でこれを切り分けてしまう。ノーマン・ロックウェルが描いた、Freedom from Want のような光景は、もう見られないのだ。本来なら、テーブルで家長が切り分けるのだが、けっこう時間がかかる作業だし、正直散らかる作業でもある(笑)。なので、実際的なアメリカ人はもう、そんな儀式めいたことはしない。

そこで、こんな風になって食卓に出てくるのである。
切った七面鳥
つけあわせも、非常にスタンダードなものが並ぶ。

クランベリーソース筆頭はクランベリーソース。七面鳥といえばこれだ。ソースと言っても、ゼリー状で、肉にかけるのではなく、口直しという感じである。裏ごしされたスムーズなものと、粒をのこしたものと二タイプあり、缶詰で無添加のおいしいものが出ているので、たいていの家庭はそれを使う。

ちなみに、私が住むマサチューセッツ州はクランベリーの生産は全米一である。サンクスギビングのディナーは、1621年のプリマスの植民地が発祥だから、マサチューセッツの特産品がメニューなのも当然と言えば当然である。

スイートポテトスイートポテト(サツマイモ)をオーブンで焼いてホクホクにしたものを輪切りにしただけのシンプルなサイドディッシュ。日本のサツマイモと違って中が鮮やかなオレンジ色である。甘味はけっこう強いので、味付けはほとんど不要。これにブラウンシュガーとバターを入れてマッシュにする場合もある。

これは、この家族では比較的新しいメニュー。ここ2-3年の義母のお気に入りだ。

人参とサヤインゲン夫の両親は、あまり野菜好きではないようだが、姪の一人はベジタリアンなので、家族が集まるときは、野菜料理を豊富に作るようにしている。人参とインゲンもたっぷり用意。こちらは、味付けを特にせず、茹でるだけ。他の料理がこってりしているので、さっぱりしてちょうどいい。軽く塩胡椒をふってもいいし、グレイビーをちょっとかけてもOK。私は何もつけずにそのままいただいた。人参の甘味が、七面鳥やグレイビーの後にさっぱりしていいのである。

スタッフィングスタッフィングの作り方は簡単なので、義母に昨年作り方を教わってから、家でこれだけよく作っている。この料理用に角切りにして味付け・乾燥したパンは袋や箱入りで売られている。イタリアンソーセージ(ケーシングに入っていないひき肉状のものも売られているし、ケーシングから押し出して使ってもよい)を炒めて、その脂でタマネギ、セロリのあらみじん切りを炒め、チキンブイヨンか水でしとらせたパンと混ぜる。他にも具は色々と工夫があり、ナッツを混ぜる、缶詰の牡蠣と汁を混ぜる、果物を入れる、などなど詰め物のレシピは限りない。義母のレシピは一番スタンダードと言えるだろう。

これを七面鳥の中にぎゅうぎゅう詰めて焼き、焼きあがってから、鳥の中から取り出して別に盛る。最近の料理本は、衛生上、鳥とスタッフィングは別に料理する方がいい、と勧めているが、義母は昔ながらのやり方である。この方が、肉汁がしみこんで、スタッフィングが美味しくなるのだ。詰めきれない分だけ、耐熱容器で蓋をしてオーブンに入れて料理する。

マッシュポテトこれは絶対外せない。マッシュポテトである。牛乳とバターが入っていて、ちょっとカロリーは高いが(笑)、口当たりのよさは絶品。夫の大好物である。簡単ながらいわゆるComfort Foodの一つ。アメリカのお袋の味である。これも七面鳥やスタッフィングと同じく、たっぷりグレイビーをかけると美味しい。

グレイビーグレイビーは、七面鳥から出た焼き汁と、炒めた小麦粉で作る。七面鳥の脂が足りないと、焼き汁が少ないので、そういうときは、チキンブロス(ブイヨンの英語名)を足す。わりとさらっとしたグレイビーである。うっすら塩と胡椒で味付けしてある。七面鳥も、塩胡椒して焼いてあるので、薄く味があるし、スタッフィング、ポテトもそれぞれ味がそれなりについてあるので、あまり濃いソースである必要はない。

七面鳥は特にあまり味が濃くない鳥であるし、脂も少な目なので、グレイビーでしっとりさせて食べるのであろう。今回はいい鳥で、上手に焼けたので、比較的ジューシーで美味しかったので、それほど大量にグレイビーをかけなくても美味しかった。

アップルサイダー このピッチャー(水差し)は、夫の両親が結婚25周年の時にプレゼントでもらったものだそうだ。中の金属のシリンダーに氷を入れるので、飲み物を冷たく保つが、氷が溶けても飲み物が薄くならない。

この中に入っているのはアップルサイダー。リンゴをそのまま絞ったジュースである。近所の農場の直販所から買ってきたそうで、普通の澄んだリンゴジュースはあまり好きではない私も、このサイダーはリンゴそのままの味が美味しく、おかわりをしてしまった。食事は白ワインが主だが、私と姪二人はお酒を飲まないので、このサイダーをいただく。

今年はサンクスギビングの正餐は午後3時だった。これも家庭によって色々違うが、休日の正餐というのは、午後2時や3時が一般的である。本来、教会に行き、帰ってきてから支度すると、このくらいの時間になる、ということらしい。

食後、皆で家族ぐるみで親しくしている近所の家へ行く。夫がゴッドファザーになっている娘さんに3人目の赤ちゃんが生まれたのが九月。なかなかの大家族で、ちょうどあちらもデザートを食べ終わったところだった。義父は一人っ子、義母も兄が一人だけで、その兄夫婦は遠くに住んでいるので、夫と妹にとってはこの家族が親戚のようなもので、子供時代から親しくつきあってきたそうだ。

昨年、娘さんの一人が結婚して、その式に出席して以来だったので、いろいろと近況報告でにぎやかに語り合い、2時間ほどして帰宅。こちらもデザートの時間だ。夫の家族は、食後すぐにデザートを食べない。たいてい1-2時間してから、というのが普通で、夫も今、私と暮らしていて、食後の果物や甘いものをたまに用意すると、少し時間がたってから食べる。

私たちがアーリントンの美味しいベーカリーで買ってきたデザートはアップルパイとパンプキンパイである。
アップルパイ パンプキンパイ

アップルパイはバニラアイスクリームを添えて食べる。どちらもシナモンが利いていて、いかにも秋の味覚らしく美味しかった。パイ皮が秀逸!と義母も感心していたし、アップルパイは、酸味の強いリンゴを使用していて、アイスクリームとの相性がことさら良かった。パンプキンパイは、まろやかな口当たりが絶妙。上のメープルリーフの飾りがまた心憎い。

今年もこうして家族が元気で集まれたこと。日本の家族も元気にしていること。アメリカは今、経済危機の嵐が吹き荒れ、私が勤務する大学や音楽教室にもその影は暗く忍び寄っている。不安なこともあるけれど、こうして愛する人たちが元気でいる、ということは、それだけで感謝の気持ちでいっぱいになる。

足りないことよりも、恵まれていることに感謝して、周囲の人々に感謝して、そして、笑いの絶えない家族の揃ったテーブルでこの正餐をいただけたことに感謝して、のサンクスギビングデーであった。
ミル姐 * 料理・食べ歩き * 23:04 * comments(0) * trackbacks(0)

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