エセックスのアンティーク店めぐり再び

  • 2014.08.11 Monday
  • 22:03
JUGEMテーマ:アメリカ生活

5年前にうちから車で1時間弱のところにあるエセックスという町に行ったことをブログに書いた。
ここは海辺の小さな町だが、端から端まで歩いてもそう長い距離ではないメインストリートにずらりとアンティークの店が並んでいるのだ。5年前には友人の結婚式に日本からいらした彼女のお母さんと一緒にでかけて、指輪やコスチュームジュエリーを買った。どれも今でも愛用している。

今回はアメリカ人の女友達とでかけた。この町にはもう一つ、地元の人に人気があるWoodman'sというシーフードの店があり、ここでランチして、アンティークの店を3-4軒冷やかそう、という計画である。

11時頃にEssexに到着し、まずは5年前に私が指輪を買った店、Main Street Antiquesへ。ここは前回のブログに色々写真を載せたが、置いてある品物の種類が豊富で、買う気がなくても見ているだけで楽しいし、お店の女主人も一見無愛想だが話してみると楽しい人だ。(ニューイングランドの人々はこういう人が多い。最初無愛想に見えるが、話しかけてみるとみんな意外にフレンドリーだし、情に厚い)

瀬戸物、家具、いろんな昔の小物…。うちは収納スペースが限られているので食器は買わないのだが、見ていると欲しくなるものがたくさんある(笑)。

私のお目当てはやっぱり指輪。そして見つけたのである、今回も。
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​事実は小説より奇なり〜マーケットバスケットの反乱

  • 2014.07.24 Thursday
  • 09:53
JUGEMテーマ:アメリカ生活
JUGEMテーマ:社会の出来事

今、ボストンとニューイングランド北東部(マサチューセッツ州北東部から主にニューハンプシャー州)を騒がせているニュースがある。珍しい事件なので昨日はワシントンポスト紙でも報道された。

この地域には全国チェーンも含めて、いろいろなスーパーマーケットがある。その中の一つで、マサチューセッツ州ローウェルからスタートして州東北部から隣のニューハンプシャー州などで根強い人気を誇っているローカルチェーンがマーケット・バスケット(Market Basket)である。

何しろ値段が安い。しかし品質にはそれほど妥協をしていないのでとても人気がある。独自のオリジナルブランドも定評があって、ベーカリーもなかなか美味しかったりするのである。

平日の午前中に行ってもこのスーパーはたくさんの人でにぎわっている。従業員も感じがよくて親切だし、長年働いている人が多いのも特徴だ。

そのマーケット・バスケットが今大変なことになっている。店に行っても棚の多くが空っぽで、従業員の多くは店の前に大きなサインを出して抗議行動を行っている。

いったい何が起きているのか?従業員のストライキなどは決して珍しくないアメリカだが、ここの従業員たちの抗議行動は普通ではなかなかお目にかかれない理由なのである。だからこそ、アメリカの注目を少しずつ浴び始めているのだ。

それを説明するためには、1916年までさかのぼる必要がある。
英語のブログでこの経緯を詳しく説明している記事があるので、それを参考に要約してみた。

マーケット・バスケットの創立者はアサナシオス(通称アーサー)・デムーラス。ギリシャからの移民である。彼はボストンから北に行ったところにあるローウェルという町で小さな食料品店をオープンした。そして、その食料品店は二人の息子、テレマカス(愛称マイク)とジョージに受け継がれた。1950年代から1960年代にかけて、デムーラス兄弟はこの食料品店を10以上の支店を持つスーパーマーケットチェーンに発展させたのである。そして1971年、ギリシャでバケーション中だったジョージが心臓発作を起こして亡くなった時から、マーケットバスケットのその後の何十年にもわたるトラブルが始まったのだ。

兄弟はお互いの身に何かあったときは、相手の家族の面倒を見ると約束していた。マイクも最初はその約束を守っているかのように見えた。しかし、次第に彼はジョージの遺族を騙すようにして書類にサインをさせ、会社の経営を独り占めしようとたくらんだのである。

ジョージの妻と子供たちは伯父であるマイクを信頼していた。しかし、気づいたときにはジョージの妻は会社の役員会のメンバーから外され、マイクはたくみに会社の資産を自分だけが経営権を持つ子会社の方に移し、ジョージの遺族がタッチできないようにしてしまった。そして、デムーラスの会社は大きな成功を収めていたにも関わらず、ジョージの遺族はほんのわずかな収入しか得られないようになってしまったのだ。

そして1990年、ジョージの遺族は自分たちが知らないうちに、自分たちが所有するデムーラスの会社の株が売られていたことを税金の通知によって初めて知った。そして字彼らはマイクを訴えて出る。こうして長く続く裁判が始まった。

事実は小説より奇なり、と言うが、この親族同士の争いはかなり激しいものだったらしい。従兄弟同士が法廷の建物の裏で殴りあいの喧嘩になることもあり、ジョージの息子が亡くなったとき、葬式に出ることを禁じられた家族のメンバーもいた。1990年代を通して合計6件の裁判が行われ、マイクの家族は時として一度に19人の弁護士を雇っていたことさえあったと言う。陪審員が味方をする代わりに巨額の金を要求したこともあった。身分を偽って法廷の職員との会話をこっそり録音し、判事が自分側に不利になる判決を既に決めていることを言わせて裁判を無効にしようとする試みもあり、FBIが乗り出す騒ぎにもなった。この裁判に関わるゴタゴタで、二人の弁護士が弁護士資格を剥奪されたのである。

そして最終的には、マイクがジョージの遺族を騙して五億ドルに相当する損害を与えたという判決が下り、会社の株の51%をジョージの遺族が所有することになった。

これで一件落着したかというと、とんでもない。これからがやっと本題なのである。

マイクの息子、アーサー・T・デムーラスはこの裁判にも関わっていて、当然ジョージの遺族には激しく恨まれていたが、2008年に役員会の投票により、CEOとなる。

経営者としてのアーサー・T(従業員には親しみを込めてアーティー・Tと呼ばれている)は、従業員を非常に大事にしていて人望が厚かった。他のスーパーマーケットに比べて給料の額も高く、健康保険の条件も良かった。従業員に対して偉そうな態度を取ることもなく、彼らの冠婚葬祭にもまめに顔を出し、家族のように慕われていたのだ。2008年に米国が不景気になった時も、彼は会社の利益を従業員の利益分配(これもスーパーでは珍しい待遇である)の損失の補填につぎ込み、これがさらにジョージの遺族を怒らせることとなった。ジョージの遺族は利益分配を強く望んでいたからだ。

そして2013年の夏、アーサー・Tの従兄弟でジョージの息子であるアーサー・S・デムーラス(紛らわしいのだが、アメリカでは家族の間で同じファーストネームをつけることが多い)は役員会の多数派を味方につけ、アーサー・Tをクビにしようと試みた。ジョージの遺族は会社の経営にはほとんど携わっていないにも関わらず、会社の利益はできるだけ自分たちの手に入れようとしており、世論とマーケット・バスケットで長年働いてきた従業員たち(幹部たちも含めて)は猛烈に反対し、役員会に押しかけて抗議した。その効果もあってか、その時の役員会はアーサー・Tをクビにすることはしなかったのである。

しかし今年の6月、ついにアーサー・Tは解雇された。そして彼の後釜として雇われた二人のCEOは、外部からやってきた人物で、二人ともよそでの実績はかんばしくない(一人はCEOをつとめた有名会社を売却するほどひどい状況に追い込んだ)。同時にアーサー・Tに忠実だった長年の幹部も数名解雇された。

そして従業員たちの反乱が始まった。

この会社は労働組合がない。だから彼らが出来ることは限られているが、それでも彼らは役員会を恐れなかった。彼らはアーサー・Tの復職を要求し、それがなければ働かない、と役員会に通達した。労働階級の彼らが、マサチューセッツ州で最も裕福な人間の一人であるアーサー・Tのために立ち上がったのだ。これがこの事件の最もユニークなところなのである。解雇された経営者のために従業員たちが抗議行動を起こすなど、今のアメリカでは前代未聞のことである。逆ならよくあることだが…。

各地のマーケット・バスケットでは流通をストップさせ、いつもぎっしり並んでいる新鮮な肉や野菜の棚が次々と空っぽになった。従業員たちは、客に「申しわけありません。どうか、私たちの抗議活動が実を結ぶまで、マーケット・バスケットをボイコットしてください」と頼んだ。

彼らは本社の前でデモを何度も行っている。役員会はマネージャーレベルの従業員を解雇することで脅しをかけようとしたが、それはかえって従業員たちの闘志をさらにかきたてる結果となり、また世論も完全に従業員とアーサー・Tの味方となり、客も「アーサー・Tが戻るまでマーケット・バスケットをボイコットする」という状況になった。

従業員たちがアーサー・Tを支持する理由は上記の通りだが、なぜ消費者たちも彼らを支持しているのか?それは、今までの経緯から、消費者たちもアーサー・Sを筆頭とするジョージの遺族を経営者として信用していないからだ。高品質の商品を安い価格で売るという良心的な経営、そして従業員を大事にする(それはつまり、地域の経済活動及び地域の労働階級の人々を大事にしているということだ)マーケット・バスケットの方針(アーサー・Tの方針)は消費者にも高く支持され、ここの顧客たちはよそでは絶対買い物をしない、というほど英語でいうloyal(忠実)な客が多い。従業員と同じく、消費者たちも、アーサー・Sたちが率いる役員会がしたいことは、値段を吊り上げ、従業員への待遇を悪化させてこのスーパーをいずれつぶしてしまうだろう、と思っているからなのだ。たとえつぶれなくても、他の高いスーパーと同じになってしまえばマーケット・バスケットはその存在意義を失う。従業員たちにとっても、消費者にとっても、これは死活問題なのである。

ニューイングランド北東部に住む多くの労働階級の人々にとって、マーケット・バスケットは彼らの生活になくてはならない店だ。マーケット・バスケットを失うことは、彼らの生活に打撃を与えることを意味している。だからこそ、世論もほぼ100%従業員とアーサー・Tの味方であり、過去に被害者であったはずのジョージの遺族にはまったく同情が集まらないという奇妙な現象を生み出しているのである。

従業員たちが抗議行動をまとめて連絡を取り合い、宣伝するために作ったフェースブックページは6万人以上の「イイネ!」を獲得している。

州の政治家の多くも従業員たちの味方をしてボイコットを宣言。こうして騒ぎはいっこうに収束する気配を見せない。役員会は態度を硬化し続けており、今のところ和解する気配はみじんもない。高齢者や低所得者の人々は既にマーケット・バスケットでまともに買い物が出来ないことで悲鳴をあげている。

さて、この結末はどうなるのか…。私は普段そうしょっちゅうマーケット・バスケットでは買い物をしないが(家からあまり近くないので)、月に一度くらいは行くので、私も正直気になっている。私もアーサー・Tに戻って欲しいと思っている。マーケット・バスケットの集客力は彼の方針あってのことで、それがなくなれば、ローカルビジネスとして大成功しているこのチェーンも、あっという間に他の大手チェーンに呑み込まれてしまうだろう。そうなるのは悲しい。家族同士の憎しみもわかるが、ジョージの遺族はあまり強欲にならず、むしろ金の卵であるこのチェーンをアーサー・Tに任せていればいいのに、と傍から見ている人は皆そう思っている。しかし、家族同士の確執というのは理屈で割り切れるものではないので、しばらくはこのゴタゴタが続くのだろう。

最後にこのゴタゴタは、いずれ絶対映画化される…と思う。ハッピーエンドならコメディ映画に、苦い終わりならドラマ映画になるだろう、と夫と話しているが、さて、どうなるか。

ニューポートのフラワーショー

  • 2014.06.29 Sunday
  • 20:48
JUGEMテーマ:アメリカ生活
ロードアイランド州のニューポートでこの週末に行われたフラワーショーに行って来た。四月に訪れたRosecliffで開催されている。入場料は安くないが、毎年行っている友人に勧められたので一緒に行ってみることにしたのだ。前もってチケットを買えば二人で20数ドルというお得なディスカウントがある。

フラワーショーは毎年テーマを決めて、そのテーマに沿って、色々な部門でコンテストがあるらしい。その他、園芸関係アイテムの販売や、ニューポート付近のファッション関係の店がブースを出したりしているのでショッピングも楽しめるとのことだ。お天気にも恵まれ、ゴージャスに晴れた夏の日となった。

Rosecliffの前庭の展示は、色々な屋外園芸の入賞作品。これはメールボックス(郵便受け)をあしらってあり、小さな花壇、というカテゴリーだそうだ。
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今年のテーマは「旅」(Voyage)で、特にニューポートが別荘地としての全盛期を迎えた20世紀初期の旅がテーマらしい。こんなクラシックカーも展示されている。ちなみに車の後ろにある木は、すべてこのフラワーショーのために臨時に植えられたものだ。
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前庭には園芸のアクセサリーや庭のデコレーションアイテムを売るブースがたくさん出ていた。その中で目を引いた物を幾つか。ニューポートはもともとアメリカ東部の大富豪が避暑地として夏だけ住み、社交界を楽しんだ場所なので、今でもお金持ちが多い。そのため、普通の庭園アクセサリーの店では見かけないようなものもあった。お値段もかなり高めだ。
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ブロンズのかなり大きな亀。大人が座れるくらいのサイズ。
 
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実物大の子供の銅像がいっぱいあったのだが、どうも近くで見るとこれが不気味なのだよね…。
 
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ペリカン。
 
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RI州ニューポート:アメリカ最古のユダヤ会堂と豪邸ローズクリフ

  • 2014.04.20 Sunday
  • 22:46
JUGEMテーマ:アメリカ生活

今週はこのエリアの公立の小中高校は春休みである。明日月曜日はマサチューセッツ州独自の祭日、Patriots Day(愛国者の日)で三連休。いいお天気なので、今日日曜日は日帰りでドライブに行ってきた。

行き先は隣のロード・アイランド州のニューポートという海辺の町。黒船で幕末の日本にやってきたペリー提督の出身地でもあり、それを記念して毎年黒船祭り(Black Ship Festival)が行われている。20世紀初頭、ニューヨークエリアに住む大富豪たちの夏の避暑地として、数多くの豪邸が建てられたところだ。今でも息を呑むようなお屋敷が並び、その多くは個人の邸宅であるが、その中の何軒かは町の歴史協会に寄付され、Newport Mansionsとして一般公開されている。私は今までその中でThe BreakersMarble Houseの二軒を見学した。今回はRosecliffという邸宅を見学しようということになった。

ボストンからニューポートまでは1時間半くらいである。まずはダウンタウン(町の中心部)へ。豪邸が立ち並ぶBellavue Avenueはこの中心部からちょっと離れている。ダウンタウンで夫が前から気になっていた場所があった。
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Touro Synagogue(トーロ・シナゴーグ)はアメリカで最初に作られたユダヤ教の会堂である。この町には1600年代の半ばから、スペインやポルトガル系のユダヤ人たちが移住し始めて、17世紀後半には既に15家族が暮らしていた。この会堂はイギリス系アメリカ人でニューポートの住民だったハリソンという建築家によって設計され、1763年に完成した。今でも会堂としてユダヤ教の人々の礼拝に使われているが、一般公開の時期が非常に限られており、夫は前からここを見学したいと思っていたらしい。幸い、復活祭の日曜日である今日、この会堂は一般公開されていて、中に入り、話を聞くことができた。
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前庭から見た会堂
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メイン州での週末

  • 2013.09.15 Sunday
  • 20:14
JUGEMテーマ:アメリカ生活

昨日14日土曜日の昼過ぎに家を出て、メイン州へ向かった。夫の前からの友人で私も仲良くなった年上の夫婦、MさんとDさん夫婦に久しぶりに会うためだ。奥さんのMさんは夫の仕事上の知り合いだったが意気投合して、夫婦ぐるみでのおつきあいをするようになった。夫婦共に引退し、悠々自適の生活を送っているMさんとDさんだが、Mさんは最近病気の治療のため、あまり会えなくなっていた。今回メイン州にある湖畔の家で遊びに行くことになったのだ。フェースブックやメールを通してやりとりはずっとしていたし、それなりに彼女の治療の経過も把握していたけれど、直接会うのはほぼ二年ぶり。

彼女たちに今回は最高のお土産(笑)を持参することが出来た。それは日本から遊びに来てくれた女の子、Nちゃんである。彼女は姉妹都市の交換プログラムで、中学の時に一週間のホームステイ、そして高校の時は一年間の留学、という形で二度、私が住む町に来ている。現在は大学生として頑張っているが、ひさしぶりに遊びに来たのである。Mさんは彼女が中学の時にホストファミリーとして世話をして、それ以来、Mさんの家族とNちゃんの家族の交流はずっと続いているのだ。

アーリントンで高校時代お世話になったホストファミリーのところに泊まっているNちゃんを車で拾ってそのままメイン州に向かう。三年ぶりの再会で、車の中でも話は尽きない。彼女は相変わらず可愛くて、頑張り屋で、そしてその成長ぶりも話からうかがえて、本当に嬉しくなる。

2時間近くのドライブでメインのMさん夫妻の家に到着。犬のコディーが元気に迎えてくれる。久しぶりに会うMさんは少し痩せてはいたが、治療は順調に進み、一番大変なヤマも越えたとのことで、思ったより元気な笑顔が見られてほっとした。ご主人のDさんもお元気そうだ。

湖沿いの家の裏には小さな桟橋があり、カヤックとジェットスキーがある。お孫さんを連れたお子さんたちが遊びに来るので、子供たちのおもちゃも家中にあり、救命胴着も色々なサイズが用意してあった。

桟橋にデッキチェアーを出してみんなで日光浴をしながらみんなで色々近況を報告しあう。Mさんの治療の経過、私と夫の仕事、Nちゃんの大学生活やこれからのことなど、話は尽きない。

夜はNちゃんの好物だった(日本ではなかなか食べられない)メイン州名物のロブスターで夕食。生きているのをそのまま買ってきて家で茹でる(笑)。

夜はNちゃんは時差ぼけ、Mさんは病気で体力が落ちているのでみんなで早寝。夫と私はしばらく起きてテレビを観てから寝る(笑)。

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レッド・ソックスのオーナーがボストン・グローブ紙を買収

  • 2013.08.04 Sunday
  • 20:53
米国の有力地方新聞の一つ、ボストン・グローブ紙が所有者であったニューヨーク・タイムズ社からレッド・ソックスのオーナーに売られるというニュースが話題になっている。

いよいよボストン・グローブがレッド・ソックス御用新聞となるのか?(笑)
冗談はさておいて、さらっと書いてあるが、ボストンっ子にとってはかなり大きなニュースである。 

米国の新聞は地方紙がメインである。全国紙と呼べるのは、USA Todayという一紙だけで、これを定期購読している人は非常に少ない。これは旅行先のホテルで無料で配布されていたり、空港で売られたりはしているが、定期購読する全国紙があるとすれば、経済人が読むWall Street Journalくらいだろうか。これは日本経済新聞と同じような位置づけだと思っていただければいい。 

朝日、読売、毎日などに匹敵する、一般の人たちが購読するのはニューヨーク・タイムズやボストン・グローブ、ワシントン・ポスト、シカゴ・トリビューン、ロサンジェルス・タイムスをはじめとする地方紙である。ここに列記したのは、全国的に有名なメジャー地方紙の一部。

それに加えて、アメリカではどの州のどのエリアにも地方の日刊紙がある。カンザスに住んでいたときは、住んでいた町ローレンス(人口9万人弱)のローレンス・ジャーナルという日刊紙と、隣のミズーリ州のカンザス・シティ(ローレンスから一番近いメジャーな都市)のカンザス・シティ・スターという日刊紙を併せて購読している人が多かった。 

今住んでいるボストン郊外の町ではボストン・グローブやニューヨーク・タイムズが主流だが、それに加えて住んでいる市町村のローカル新聞が週一回刊行されているので、定期購読も出来るし、街のコンビニやスーパーで買うことも出来る。 

もちろん、オンラインで読めるので今は紙の新聞を購読する人は減っているが…。 

ボストン・グローブやニューヨーク・タイムズ紙は、オンラインの購読料を払わないとすべての記事にアクセスすることは出来ない。我が家では紙の新聞は取らないが、この両紙のオンライン購読をしている。 

これらの有力地方紙ののニュースメディアとしての影響力は絶大だ。ボストン・グローブは伝統もあり、オーナーが変わるたびに注目されている。 

ちなみにボストンにはもう一紙、ボストン・ヘラルドという新聞がある。いわゆる「格」から言うと伝統的にはグローブ紙よりは下と見られていて、そのせいかヘラルドはグローブ紙に対して非常に批判的な記事が多い。また、グローブはどちらかというとリベラル、ヘラルドはどちらかと言えば保守的な傾向がある。 

ボストンだけでなく、大抵の大都市には複数の日刊紙があるのだ。ニューヨークではタイムズ紙に加えてニューヨーク・デイリー・ニュースとというタブロイド版がある。夫の両親は昔からずっとこの二紙を購読している。義母は「デイリー・ニュースはサイズだけじゃなく、中身も完全なタブロイド紙になってしまったわ。昔はこれもちゃんとした新聞らしかったのだけど」と歎くが、それでも長年の習慣で、朝この二紙を両方読む日課は続いている。 

アメリカの根強い地方優先主義は、政治や色々な社会の機構を通じて実感させられることが多いが、新聞もまた然りである。 

今回、ボストン・グローブがどうやらレッドソックスのオーナーに買い取られることになったようで、読売新聞とジャイアンツ(こちらは順序が逆だが)のような関係になるのだろうか(笑)。まあ、変なオーナーに身売り(ルパート・マードックとか)されるよりはローカルのオーナーでボストンに愛着がある人だから、よほどましである。 

インターネットの時代になり、新聞界も定期購読の数の低下による収入源に悩まされているし、メディアの在り方にも色々問題はあるが、ボストン・グローブ紙はボストンをボストンたらしめている大事な要素の一つ。これからも頑張って続いて欲しいものである。 

オーナーが変わると編集の方針も大幅に変わったりすることもあるので、新オーナーのもとで、グローブがどう変わっていくか、これは興味深い。 

ボストン美術館続き:摺物・サージェント・

  • 2013.07.05 Friday
  • 23:56

侍アートの展示を観終えて、次は別棟にある日本美術のコーナーへ。私がボストンに来たばかりの頃(24年前)は、アジアコーナーの大きな部分を占めていた日本美術だが、近年はどんどん他のアジアの美術品の展示が増えてすっかり常設展示が減ってしまった。多様性を重視しての方針だから仕方ないのだが、多くの素晴らしい日本美術コレクションが秘蔵になってしまって、たまにしか観られないのは残念なことである。

浮世絵も昔は名所江戸百景の数々が常設展示されていたし、ボストン美術館の名を一躍日本で有名にした平治物語絵巻もいつでも観られたのだが、それも昔の話。

浮世絵はその時その時でテーマを組んで、小さな部屋に展示されるようになった。今公開されている浮世絵のテーマは「摺物(すりもの)」。摺物についての説明はこちらをどうぞ。

サイズも色々あったようで、絵葉書くらいのサイズのものを当時のファンが集めたスクラップブックさえあった。何ページにもわたって色々な絵が貼り付けてある。
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八島岳亭による「久かた屋仲の町」は、吉原の大通り、正月二日に仲の町を練り歩く五人の花魁の姿を描いたもの。顔はどれも同じに見えるが(苦笑)、衣装やポーズなどはそれぞれに違っている。これはその一つ、扇屋の花魁、末広の姿。

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こちらは窪俊満による「赤本尽くし 舌切り雀」。
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侍アートに合わせてか、ここでも少し侍文化に関係する美術品が展示されていた。昔は常設展示で私のお気に入りだった根付。アメリカ人の夫に説明すると、「なるほど、これが日本人が好きな携帯ストラップの起源だね。昔から色々ぶらさげるのが好きだったんだ」と(笑)。

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伊藤若冲の白鸚鵡の掛け軸。前に浮世絵コーナーで観たのとちょっと似ている。
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刀の鍔をデザインにあしらったすずり箱。
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能衣装
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日本美術を見終わって、さて、アメリカンウィングへ行こうか、と踏み出したところで非常ベルがなり、突然避難命令が出た。火災報知機が作動したらしい。訪れていた見学者も、スタッフも全員外に非難して、照り返しの強い駐車場や道で待機となった。30度を超え、湿気も高いかんかん照りの外でしばらく待つ羽目になったが、幸い10分ほどで解除され、また中に入る。

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ボストン美術館特別展示「Samurai!」を観に行く

  • 2013.07.05 Friday
  • 22:03

ボストン美術館がこの春から8月初めまでやっている特別展示、「Samurai!」を観に行ってきた。
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140点以上の膨大なコレクションは鎧兜、馬具、弓矢など多岐にわたる。ディスプレイの方法も見事で、じっくりと楽しむことが出来た。

上の写真は展示コースの中ほどにあったものだが、最初に入るとまず、三体の鎧兜が展示されている。その一つがこれで、兜は南北朝時代のもの、鎧は18世紀江戸時代の横矧胴(よこはぎどう)というタイプ。

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江戸時代の火事装束。町方の火消しとはずいぶん違う。
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江戸時代後期の一文字陣笠。金属製で重そうだ…。
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春のAlewife Brook Greenwayを歩く

  • 2013.05.27 Monday
  • 21:12
JUGEMテーマ:アメリカ生活
 
5月の最後の月曜日は、アメリカではメモリアルデーという、戦没者を追悼する祭日である。土曜日、日曜日は雨が降ったが、この日は晴れたいい天気になったので、夫と散歩にでかけた。

完成してまだ間もないAlewife Brook Greenwayは州の自然保護地域であるAlewife Brookという小さな川沿いにできた散歩道である。地下鉄レッドラインの北の終点、Alewife駅からArlingtonのミスティックリバーまで続く散歩道はこの小さな川沿いの自然を楽しみながら歩けるようになっている。サイクリングもOKだ。

この日はAlewifeの方からスタートする。スタート地点の近くには、うちの町でオープンした犬用公園でたくさんの犬たちが自由に走り回っていた。

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そしてスタート地点。板敷きの道が葦の間に続く。
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一部はこのように、砂をしきつめた道。自然保護のため、舗装はしない。うちの町にもう一つある、複数の町を通るMinuteman Bikepathは元はローカル線の線路だったものをアスファルトで埋めたもので、すべて舗装されており、しかも起伏がほとんどないが、こちらはあちこちゆるやかな起伏がある。
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それほど長い距離ではないが、のんびり歩くにはいい。
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春のオールドスターブリッジビレッジ (3)

  • 2013.05.20 Monday
  • 21:32
JUGEMテーマ:アメリカ生活

農場から村の広場に戻る道をのんびり歩いていくと、桶屋さんの工房。誰もいなかったが、作る工程がちょっと見えて面白い。手前中央にあるのは、人がかつぐ天秤棒につるすバケツ。メープルシロップ作りのときなど、これが大活躍する。
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どこの歴史村でも、必ず私が足を運ぶのは鍛冶屋。なぜか何度見ても飽きないのである。火を使うだけに、ここは石造り。
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この人は説明が実に上手で面白かった。暖炉の両側上部に大きなふいごがあり、それを安全に使う心得の説明をしてくれていた。数年前に、あるスタッフがこのふいごの使い方を間違えて炎がふいごの中に逆流し、左側のふいごが爆発するという事故があったそうだ。
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三つ並ぶ水車小屋の一つ目。穀物を挽く製粉場。
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手前のように、上のおおきなじょうごから穀物を流し込む。
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こちらはカバー無しで、中のひきうすがどうなっているか見られる。
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また、商業サイトによる無断(無許可)リンクはお断りさせていただきます。

また、ボストンの観光などについて個別でご質問をいただくことがありますが、なかなか個別の質問にはお答えする時間がありません。申し訳ありませんが、ボストン関連の掲示板などで質問されることをお勧めします。リンクにボストン情報の掲示板のリンクがありますので、どうぞご利用くださいませ。

最後にこのブログに掲載されている写真、文章などすべての内容の転載は固くお断りします。どうかご遠慮ください。

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