新学期始まる

  • 2012.09.07 Friday
  • 21:26
今週から大学の新年度がスタートした。

この夏は前半は音楽教室の仕事で忙しかった。6月の終わりには、今年初めての試みだった小学生児童を中心にしたピアノワークショップが行われ、私も講師の一人として参加した。一年目にも関わらずたくさんの生徒が参加し、楽しい5日間だった。

それが終わると、七月、八月はほとんど観光ガイドで忙しい毎日だった。オタワ旅行でちょっと息抜きできたが、あとはほとんどガイドをしていたら終わってしまったのである。ここ数年は夏は暇だったのだが、ボストンー成田間の直行便が始めて開通したので、今年は日本からのお客様がとても多かった。ボストンは日本人の好みにあう都市だと思うので、やっと直行便ができて、NYと同じように来ていただけるようになったのは嬉しいことである。

さて。それも一段落し、今週から大学である。火曜日に音楽科のミーティングがあり、水曜日から授業がスタートした。私は火曜日と木曜日のみなので、授業初日は木曜日だった。

悲しいことに、8月に同僚の1人、リックが亡くなった。サックスの先生で、決して若い人ではないが、まさかこんな急に亡くなるとは誰も思わず、まさに呆然としてしまった。

うちの音楽科は先生同士、ジャンルを超えてみんな仲がいい。昨年度の終わり、二年つとめた主任が家庭の事情などで辞めることになったときも、みんなでお別れパーティを開いた。そういう雰囲気が学生にも伝わるのだろうか、学生たちもみんな仲がいいのである。ジャズの学生も、クラシックの学生もみんな一緒に仲良くしているし、ジャンルを越えての共演もよくやっている。

そういう中で同僚を亡くすのは本当に悲しいことだった。

私は音楽科のほぼ全員の学生が受講するセミナーを担当している。私が実際に教える回数は少ないが、ゲストによるコンサートやレクチャー、学生たちによる演奏など、多彩な内容で行われるこのセミナー。

そのセミナーの時間を利用して、9月の末に学生と同僚たちがリックにお別れを言う会を開くことにした。卒業生にも声をかけ、愛弟子やよく共演していた先生方などに演奏してもらったり、思い出を語ったりしてもらう予定だ。主任や同僚にミーティングの時相談して、賛成してもらったので、リックの奥さんとお母さんも招待することになった。

火曜日、ミーティングで学校に行くと、他の同僚が、リックがいつも使っていたデスクに花や写真を飾っていた。私はそこに大学のマークがはいったノートブックを置いた。学生や同僚がリックへの、そしてリックの家族へのメッセージを書き込めるように。

彼はサックスのレッスンだけでなく、色々なジャズのクラスやアンサンブルも教えていた。すばらしい作曲科/アレンジャーでもあったし、彼のサックスは本当に迫力があり、素晴らしかった。優秀な学生をよく育てた人である。

亡くなったのが夏休み中ということもあり、行きたくてもお葬式に行けなかった学生や同僚もいたので、こういう形でみんなでお別れを言えるようにしたのだ。

そして今年も新入生たちがやってきた。私は新入生が必修で取るクラスを二つ担当している。なので少なくとも半分から三分の二の新入生は私のクラスに入ってくるのである。

今年の顔ぶれは昨年より女の子がちょっと多い。昨年はほとんど男子で、まあむさくるしかったこと(笑)。そして今年の方が雰囲気が明るいかもしれない。昨年の子達は概して静かだったので、クラスが盛り上がらなかったのだが、今年は初日からけっこう笑い声もあがっていた。

しかし昨年静かだった二年目の子達も、今年は気がほぐれたのか、二年目クラスで顔を合わせたら昨年より雰囲気が明るくなっていた。不思議だなあ(笑)。

一昨年、昨年と二年続けて教えたクラスの子達は全員見事にしっかりした成績で合格したので、三年生になった今年はセミナーのみ。

「先生のクラスがもうないと思うと寂しいですよ〜」

とわざわざ挨拶しに来てくれる子もたくさんいて、そう言われるとやっぱり嬉しいなあ(笑)。

うちはジャズ専攻が圧倒的に多いため、女子の比率が非常に低い。10人クラスで女の子が2−3人程度なのだが、それでもみんな男女の枠を超えて仲良しである。FBを見ていても、夏休み中も地元っ子が多いせいもあって、みんなでよく一緒に遊んでいたようだ(笑)。

元気な顔が見られて嬉しかった。

今年は副科ピアノのクラスのやり方を大幅に変えようと工夫しているので、色々と準備もあり、まだまだ考えることもいっぱいあるので、忙しい9月になりそうだ。体調に気をつけて元気に頑張っていきたい。今年の新入生たちの名前と顔も早く覚えなくちゃ。

新学期始まる

  • 2011.09.08 Thursday
  • 22:47
JUGEMテーマ:アメリカ生活

Labor Dayが終わり、翌日、6日火曜日には大学で音楽科の教官ミーティングがあった。この日はまだ授業はないが、大学では学長が演説するConvocation(始業式みたいなもの)があったり、新入生たちが授業の登録をしたりと忙しい日である。

音楽科では、新入生の人数が昨年の倍に増えた。芸術学部では何と、新入生の数が全体で二位だったそうだ。ビジュアルアートに押されている音楽科としては大変ありがたい。総合大学に置いて、学科の学生の人数が増えるということは非常にいいことである。学生数の増加が学科の発言力につながるので、予算も少し取りやすくなるのである。

私は今年四つの授業を受け持つ。聴音・ソルフェージュのクラスは一年目と二年目両方。二年目のクラスは昨年、一年目のクラスからそのまま持ち上がりとなる。

昨年度は新入生が少なかったし、二年目をやる学生たちの登録が遅かったので、予算削減を狙う大学上層部に、7月早々、クラスをキャンセルされてしまった。おかげで、私ともう一人、このクラスを教える先生はクラスを一つずつ失う羽目になったのである。それまでは、常に1年目も2年目も2セクションずつあり、二人で分担して教えていた。それが、各クラスが1セクションのみになってしまったのだ。

そこで昨年度は私が一年目、彼が二年目を担当したが、彼のクラスは9月になってみればあわてて登録した学生が多く、一人では教えきれない大所帯となって苦労したようだ。もちろん、大学は融通がきかないから、9月になってもう1セクション増やしてくれることなどありえない。

今年は昨年の影響で二年目のクラスはまだ1セクションのみだが、一年目のクラスは無事、2セクションとなった。もう一人の先生は別の授業が一つ増えたので、なんとか収入を元に戻すことができたようである。私も元に戻ってほっとした。非常勤講師は授業の数で給料が上下するので、こうやって一方的に授業をキャンセルされるとつらいものがある(笑)。

そしてピアノ副科の集団レッスンの授業。四つ目は音楽科全体のセミナーである。セミナーは週一回だが、それ以外は週二回。聴音・ソルフェージュの授業とセミナーは1時間15分、ピアノ副科は50分。セミナーは計画の段階が一番大変だが、実際に私が講義するのは3回ほどで、あとは音楽科の講師による講義やデモンストレーション、マスタークラス、またゲストアーティストによるコンサート(これは一般公開されている)などがほとんどなので始まってしまえばちょっと楽ができるクラス、ではある。

それに加えて今年はピアノレッスンが5人。週二日でこれらをすべてこなすので、かなり長く忙しい二日間である。


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声楽ワークショップ

  • 2011.08.20 Saturday
  • 21:38
JUGEMテーマ:日記・一般

八月の二週目から、ボストンの南、車で高速を45分ほど行ったところにある小さな町で毎夏開かれている声楽ワークショップの仕事をしていた。二週間のこのワークショップは、主に高校生(中学生、大学生もごくたまに参加する)を対象にしたもので、この町近辺に住む、二人の声楽の先生、CとMによって開かれている。

一昨年は先生の一人に事情があって開催できず、昨年は私の事情で参加できなかったので、今年は三年ぶりである。この二人の先生の人柄がとても好きで、久しぶりに会って一緒に仕事をした二週間は、本当に楽しかった。

今年の参加者は15人、そのうち男子が3人である。二週続けて月曜から木曜までの四日間朝9時から午後3時まで、ランチ休憩の30分をのぞいてはびっしりとマスタークラスやリハーサルが続く。最終日、二週目の金曜日には午後から通し稽古があり、夜にはコンサートが行われる。

このフェスティバルは、声楽ワークショップのほかに、夜、コーラスもやっており、そのコーラスと一緒のコンサートである。

二週間でたくさんのレパートリーを覚え、振りつけや演技もつけて上演するのだから、生徒たちも大変だし、先生方も大変である。私の仕事は、もう一人のピアニストと分担しての、コーチングと伴奏である。

こちらで声楽のレッスンを受ける高校生のほとんどは、ミュージカルをやるためにレッスンを受けていることが多い。なぜかと言うと、アメリカの公立高校の多くは演劇活動が盛んで、毎年ミュージカルを上演するところがほとんどだからだ。

大学で声楽科に進む子も、最初はミュージカルから目覚め、その後レッスンを通してクラシックを志すようになった、という子がほとんどで、最初からクラシックやオペラをやりたくて、というのはごく少数派である。ミュージカルの本場であるアメリカだけに、学校によっては中学からもうミュージカルをやっているところもある。

だから、高校生でも、もう何度も舞台に立っている、という子は多く、大学でミュージカル専攻で歌や踊り、演技にさらに磨きをかけ、そしてプロを目指していく、というわけだ。蓄積が違うのである。

今回のワークショップでも、既に学校や、市民劇場で色々な役をこなしてきたツワモノたちも数名いた。こう書くと、日本でも劇場公開やテレビ放送されたディズニーの「ハイスクール・ミュージカル」のような人間関係が展開するのか、と思われるかもしれないが、そんあ心配はご無用。まあみんな仲良しで微笑ましかったこと(笑)。
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ひさしぶりのソロリサイタル

  • 2010.11.22 Monday
  • 22:42
教えている音楽教室のコンサートシリーズでピアノのソロリサイタルをやった。

室内楽やジャズの演奏はずっとやってきたが、クラシックのソロは実に久しぶりである。最後にソロリサイタルをやったのは・・・と振り返ってみると、なんと、実家の町で17年前にやった時であった。

ボストンで最後の学生生活を送っていたとき、その学校の縁で結成し、13年間続けたジャズグループをこの秋、思い切って脱退した。自分が仲間と作ったグループであり、CDも4枚ほど作ったし、ボストンエリアだけでなく、ニューヨークでもライブをしたり、ラジオ出演したり、と色々なかなか出来ない貴重な体験をさせてもらったが、だんだんと自分の本当にやりたいこととは違う方向にグループが向かい始めており、私の専門ではない、かなり本格的なジャズが主体となってきたことが一番大きな理由である。

私はもともとクラシックが専門である。ただ、要領がいいので、クラシック以外のジャンルも「それっぽく」弾くことは出来る。もともとこのグループは、1900年前後のパリやベルリンのキャバレー音楽のグループとして発足した。その後メンバーの変遷もあって、だんだんヨーロッパのキャバレー音楽やブロードウェイの音楽からジャズに移行していったのである。

今このグループに必要なのは本当のジャズピアニストである、という気持ちが強くなり、同時にこのグループに費やしている時間を、本当に自分の専門であるクラシック音楽にもう一度振り向けたい、という気持ちが年明け頃から強くなった。せっかちな私にしては珍しく、二ヶ月ほどじっくりと考え、春に結論を出してグループのメンバーに知らせたのである。9月にボストン名門のジャズクラブでライブが決まっていたので、それが終わったらやめる、ということで、五ヶ月あれば引継ぎもできるだろう、と考えた上での決断だった。

メンバーは残念がってくれたが、時間に余裕があったので、その後のコンサートのピアニストも無事みつかり、そのまま活動を続けている。

ジャズをやめて最初に私がしようと思ったのがソロリサイタルだった。

室内楽もやっていたが、伴奏や室内楽とソロでは、要求されるテクニックもスタミナも少し桁が違う。室内楽が簡単だ、ということではない。別の種類の集中が必要なのである。

単発で一曲、二曲、演奏することはあったが、一時間なり、二時間なりの自分だけでのリサイタル、というのは17年やっていない、ということを考えたとき、まずはそこからだ、と思ったのだった。
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新学期

  • 2010.09.04 Saturday
  • 21:40
JUGEMテーマ:日記・一般

9月2日から大学の新学期が始まった。今年はまだまだ未曾有の不景気が続き、州立大学も予算を大幅にカットされているため、授業も学期が始まる前に最少人数に満たない場合、どんどんとカットされてしまっている。

昨年までの二年間、学生たちを2グループに分けて行っていたソルフェージュのクラスは、今年から1グループに縮小された。そのため、私が1年目を、もう1人の同僚が二年目のクラスを教えることになった。やや大人数のクラスとなり、きめ細かい指導が難しくなるので、その分色々と工夫が必要になりそうだ。

幸い今年のグループは比較的レベルの高い学生が多いようなので、昨年に比べるとどんどんと高度な内容を早めに導入することができるだろう。できるだけ今年しっかりと教えて、来年度同僚がこのグループを引き継ぐときにスムーズにいくよう、努力したいものだ。

しかし驚いたのが、今年の新入生たち。なんと、音楽専攻に女子が1人もいないのだ!このソルフェージュのクラスは、音楽専攻の一年生の必修科目である。たまにまったく楽譜が読めない学生がいて(音楽専攻でも、打楽器とか声楽でたまにそういう学生がいる)、彼らはこの前の「音楽基礎」というクラスで一から楽譜の読み方などを学ぶが、それを教えている同僚に聞いても女子はいなかったそうだ。

第一日目、教室に入っていくと、13人の男子が一斉にこっちを見た。クラスの名簿は苗字しか目を通していなかったので、正直驚いたものである(笑)。うちの音楽科は打楽器やジャズ楽器の方が盛んなので確かにいつも男子が多いが、毎年必ず2−3人はジャズボーカルかクラシックの声楽の女子がいるものなのに・・・。

で、初めて男子だけのクラスを教えることになったわけなのだが、なんというか、ちょっとむさくるしい雰囲気である(笑)。ソルフェージュで歌っていても女子の声がまったくないのにもまだ違和感がある。まあそのうち私も慣れるだろうけれどね。

副科ピアノのクラスの方は、音楽専攻ではない女子が数人混ざっているのでちょっとほっとしたのだった(笑)。

ピアノレッスンの方は昨年からの3人に加え、これまた男子2人が増えた。昨年度にオーディションを受けて合格した新入生である。これから少しずつどんな感じかわかってくると思うが、楽しみでもある。

音楽教室の方は13日の月曜日なので、少しずつ身体を慣らしていけそうだ。こちらもまた、昨年入れ替わりがけっこうあるようなので、新しい顔に出会うことになるようで楽しみである。今年の夏はあまり活動的な夏ではなかったので、こうして仕事がフル再開となり、張り切っている9月初旬である。

5月の近況

  • 2010.05.13 Thursday
  • 22:08
この水曜日で今年度の大学の仕事が終了した。9月までお休みである。今年はピアノの学生の1人、Jが卒業リサイタルを行った。といっても、彼女はもう一学期残っているので、卒業は12月になり、ピアノレッスンもそれまで続くので、お別れではない。

この大学ではクラシックピアノの学生が少なく、彼女は4年間私と学んだ数少ない学生の1人である。最初の2年間はあまり練習もしないし、レッスンもすっぽかすような始末で、素直な性格なのだがその怠けぶりに手を焼いた。ピアノレッスンだけでなく、授業もサボることが多く、不可となった単位も多かったようだ。二年目の終わりに、学科主任からキツイお灸を据えられ、私とも真剣に話をして、やっと3年目から真面目に取り組むようになった。

その後の進歩は目覚ましく、元々不器用なタイプではあったが、見事に卒業リサイタルをこなすことができた。もっとレベルの高い音大の学生に比べれば拙い内容ではあったが、彼女がこの二年間に学んだ内容の濃さを考えると感慨深いものがある。

最初の二年のツケで、もう一学期授業を取らなければいけないのではあるが、リサイタルのプレッシャー無しにあと一学期レッスンが出来るのはいいことである(笑)。

もう2人のピアノの学生であるが、2人とも副科である。Hはそれでも音楽をマイナーとしており(副専攻)、彼女も来年はリサイタルをする予定になっている。Lは英語専攻でピアノはあくまで選択科目として取っていた。Hは来年のリサイタルに向けて頑張っている。

Lは今学期からレッスンを始めて頑張っていたのだが、残念なことに最後の二週間で急に何かあったのか、レッスンを二度続けてすっぽかし、必須であるレポートの提出もなかった。そのままちゃんとやっていればそれなりの成績が取れたのに残念ではあるが、それは彼女自身が選択したことだから仕方ない。


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生徒のリサイタル

  • 2010.04.01 Thursday
  • 23:20
今日四月一日は、大学の教え子の卒業リサイタルがあった。

アメリカの音楽大学では、通常、四年生はリサイタルが卒業条件の一つとなる。年度末の実技試験は免除となり、そのかわりに、約1時間分のプログラムを用意し、リサイタルを行わなくてはいけない。

私は学部は日本で卒業、大学院はこちらで卒業したので、大学院の卒業リサイタルが初めての経験だった。それまで、20分以上続けて人前で演奏する、という経験はなかったので、これは本当に大変な仕事である、ということがよくわかったものだ。

当然、こちらの音大生にとっても、四年生の卒業リサイタルが初めてのフルリサイタル(1時間以上のソロリサイタル)、というケースがほとんどであるから、そのプレッシャーは大変なものである。準備も1年、あるいはそれ以上かける。

この大学で教え始めてもう8年ほどになるが、前の先生からの引継ぎや、途中で専攻を変えたり、転学した生徒もいた。そのため、四年間最初から最後まで通して教えたのは、今日の教え子、Jが初めてだったのである。

四年間の間にはそれはもう色々なことがあって、時には、本当に彼女が卒業できるのだろうか?と危ぶんだこともあった。しかし、彼女は決してあきらめず、特に後半の二年間には本当によく努力し、目覚しい伸びを見せた。

Jの目標は小学校の先生になること。音楽教育専攻である。その夢が、ピアノの苦労をいつしか苦労と思わず、夢の実現のためには必死で頑張る、という入学時とは別人のようなしっかりしたいい学生を生み出した。

リサイタルは、教育であるということも考慮にいれ、全てソロではなく、半分はピアノソロ、後半はアンサンブルのプログラムにした。声楽の伴奏と連弾を入れたのである。声楽は仲良しの学生、連弾は私との演奏。

暗譜が苦手な彼女のために、大学二年のときからこのリサイタルの準備は始まった。二年生のときにソロのプログラムを決め、三年目の終わりまでには、ほぼ暗譜を終え、今年度は仕上げ。四年目の残りは、ほとんどアンサンブルの練習に集中した。

その甲斐あって、準備万端でのぞんだリサイタル。極度のあがり性で、昨年までは、人前での演奏では必ずつまづき、続けられなくなってしまうというアクシデントばかりだったJが、のびのびと演奏している姿を見るのは、本当に教師冥利に尽きた。生まれて初めて、人前で演奏することを楽しいと感じたそうだ。私も、自分の生徒の卒業リサイタルで安心してソロを聴いていられたのは、彼女のリサイタルが初めてだったのである(笑)。

彼女にとって大きな自信となったこのリサイタル。これからも弾き続けて欲しいものだ。仕事をするようになると、続けていくのは難しいことだけれど・・・。

一日教えた後、夜のリサイタルと続いて、大学に都合13時間もいるという長い一日だったが、帰宅する気分はとてもさわやかだった。

CD録音

  • 2009.08.17 Monday
  • 20:02
JUGEMテーマ:アメリカ生活

旅行から帰ってきてすぐにとりかかったプロジェクトが、グループのCD録音である。今度のCDで4枚目になる。前の2枚がライブ録音だったので、今度はじっくりスタジオで録音したいね、と話し合っており、ここ二年間、あちこちで満員お礼になっているプログラム、「ガーシュウィンとコール・ポーターの夕べ」から厳選して13曲納めることになった。

ボストン近郊にある、もとフリーメーソンの集会場を改造したレコーディングスタジオで2日間缶詰になり、いつもサックスを担当してくれているR、ここ一年ベースを担当してくれたNと私たち3人(私、ドラムのKとボーカルのH)の5人での録音となった。

レコーディングスタジオ
クリックで拡大します

スタジオ録音で、多重トラック録音とはいっても、完全に分離されているのはボーカルだけで、ピアノ、サックス、ベースは同じスペース、ドラムはピアノの横のついたての向こうである。だから、それぞれのマイクからは、別の楽器の音も拾われている。誰かがうまくいかなければ、全員一緒にやりなおさないといけないのだ(笑)。1人でやり直しが出来るのはボーカルだけなのである。

しかし、今回の曲は前にも書いたように、どれもここ二年ほど、何度もこの顔ぶれで演奏している曲ばかりである。録音開始の前日に会って一通りリハーサルしておいたのも良かったようで、どれも数テイクで満足のいくものが出来たようだ。多少編集(つぎはぎ)はするかもしれないが、おおむね、プロデュースしてくれたJが
「よし、このテイクでいこう」
と言ってくれるテイクが取れるまでに、ほとんどの曲はそんなに時間がかからなかった。大変な曲で5-6テイク、あとはほとんど3テイクでOKだったのは上出来だろう。

その後マスタリングが現在進行中である。私も一曲だけデュエットがあり、ボーカルのヒルディと一緒に歌う曲があり、これはボーカルだけ後から録音した。まだまだ著作権料の支払いだとか、ジャケットのデザインなどなど、色々作業はあるが、秋にはなんとか完成できるのではないだろうか。自分でも楽しみである。

大学終了

  • 2009.05.14 Thursday
  • 20:47
 5月14日で大学の春学期が終了した。これで9月までお休みである。音楽教室の方はまだ、6月下旬まで続くが、長距離通勤がなくなると大分気持ちにもゆとりが出るものだ。

大学で今年度から教え始めたソルフェージュと聴音では、なかなか皆、期末試験の出来が良く、私も嬉しかった。一年目、二年目両方のクラスを合わせて、Cは1人だけ、後は全員AかBだったので一安心。一年目のクラスでは、今までまったくこういうことをやっていなかった生徒も数名いて、先学期はかなり苦労していたようだが、みんな頑張ってくれた。先学期より成績が上がり、私も心からほめてあげることが出来たのである。

ところが専攻のピアノの方は今ひとつの出来でがっかりしたのである。はっきり言えば練習不足。実技試験は、副科で取っている生徒1人だけが、進歩のあとを見せるいい演奏をしてくれたし、来年度から作曲専攻にうつる男の子もそれなりに頑張ってくれたが、ピアノ専攻の3人がぼろぼろ。しかも1人は来年四年生でリサイタルもしなくちゃいけないと言うのに。

さんざんお尻を叩いても本人がやらなければ意味がない。残念ながら、このうち2人は、学期中のレッスンも出来がよくなかったのでCである。1人は教育課程もやっているため、Bマイナスより悪い成績をとると、やり直ししなくてはいけない。つまり、留年決定というわけだ。
(アメリカの大学では、途中での留年という制度がないので、彼女の場合、来年と再来年に四年生を繰り返す、という形になる)

この3人は学期中、練習してこないのでレッスンの途中で追い出したことが数度ある。練習しなければレッスンしない、というポリシーでやっているからだ。それでも懲りないのは危機感がないのだろうが、先が思いやられる。夏に宿題を出しておいたので、しっかり練習してくれるといいのだが。


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仕事の近況(編集しました)

  • 2007.09.17 Monday
  • 07:39
連休明けの9月4日から大学の新学期が始まった。音楽教室は10日からで、一週間の時差があったので、助かったが、今年は大学の方が激烈に忙しいスケジュールになってしまった。

というのも、音楽科の新入生の人数がなんと、50%も増えたからなのである。うちの大学(総合大学)の中でも一番の増加率だそうだ。しかし、そのために音楽科はてんてこまい。新入生必修のクラスでも、ピアノの集団レッスンなどは教室の設備の都合もあるので、一クラスの人数には限りがある。それを一コマ増やすことになり、私は今までの一コマから二コマ教えることになった。また、ピアノ科の人数も、今までは最高でも3−4人だったのがいきなり10人となり、そのうち9人は私が担当することになったのである。
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